上顎を5mm以上後退させると、若い患者が老人様顔貌になるリスクがあります。

ルフォーi型骨切り術(Le Fort I Osteotomy)は、1927年にWassmundによって初めて報告されました。 その後、ObwegeserやBellらによって改良が重ねられ、現在の顎矯正手術として確立された術式です。 fbcs(https://fbcs.jp/jaw/overbite/lefort/)
術式の本質は「上顎骨を鼻腔の下でほぼ水平に骨切りし、歯列を含む上顎骨片をダウンフラクチャーさせ、三次元的に位置を変えてチタンプレートで固定する」という流れです。 前後・上下・回転のあらゆる方向への移動が可能であることが、この術式最大の特徴です。つまり骨格的な中顔面の問題を根本から解決できます。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
切開は口腔内からのみ行われます。そのため顔の表面に傷跡が残らない点が患者にとって大きなメリットです。 歯科口腔外科や形成外科・顎顔面外科に従事する医師・歯科医師であれば、この術式の解剖学的背景と適応基準を正確に理解しておくことが不可欠です。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術時間 | 約180分(併用術式込みでは3〜5時間以上) |
| 麻酔 | 全身麻酔 |
| 入院 | 1泊〜数日 |
| 骨固定材料 | チタンミニプレートまたは吸収性プレート(近年は吸収性が主流) |
| 後退移動量の目安 | 通常4mm程度(5mm超は老人様顔貌のリスクあり) |
| 費用目安(自由診療) | 110万〜330万円 |
fbcs(https://fbcs.jp/jaw/overbite/lefort/)
武藤歯科口腔外科クリニック:Le Fort I型骨切り術の術式詳細(骨切り手順・ダウンフラクチャー・固定方法)
適応症例は多岐にわたります。これが重要です。
代表的な適応疾患・症状を以下に整理します。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
注意すべき点として、ルフォーi型骨切り術が単独で行われることは少ないという事実があります。 ほとんどの場合、下顎枝矢状分割術(SSRO)や下顎枝垂直骨切り術(IVRO)と同時に行う「two jaw surgery(上下顎同時移動術)」として計画されます。 上顎のみを移動させると、術後の咬合バランスに不具合が生じるリスクが高いためです。 ogs-clinic(https://ogs-clinic.jp/menu/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC1%E5%9E%8B%E9%AA%A8%E5%88%87%E3%82%8A%E8%A1%93/)
単独適応が可能なのは、下顎の位置・形態は正常で上顎のみに問題がある症例に限られます。これが基本です。
Dr.ヒロヒの顔面骨形成術:ルフォー1型骨切り術の適応・解剖・手術詳細(歯科口腔外科医向けの詳細な記述あり)
手術は大きく9つのステップで構成されます。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
術中において特に注意が必要なのは翼突上顎縫合部の操作です。 この部位は盲目的な操作になりやすく、翼突筋静脈叢の損傷による大出血リスクがあります。内視鏡と3次元実体模型の活用が、安全性を担保する上で非常に有効とされています。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
また、骨切り後の上顎骨後方には太い血管があります。損傷には細心の注意が必要です。 下行口蓋動脈の走行を3次元モデルで事前に計測し、ノミにテープで距離印をつけることで安全な切離が可能になるとされています。 oms-muto(https://www.oms-muto.com/20220227193626)
合併症は複数あります。術前から対策を立てることが重要です。
主な合併症とリスク要因を以下に整理します。 hosp.kurume-u.ac(https://www.hosp.kurume-u.ac.jp/medical/section/crc/crc_gpub/optout/medical/16229.pdf)
糖尿病・免疫不全などの基礎疾患がある患者では、感染リスクが有意に上昇します。 一方で、顔面は血行が豊富なため、基礎疾患がない患者での感染確率はかなり低いとされています。 mizuhoclinic(https://mizuhoclinic.jp/menu/orthopedics/ope_faceline/rufor/downtime/)
術後のフォローとして、創部の離開・歯肉退縮・骨癒合不全がないかを定期的に確認することが求められます。これが原則です。
みずほクリニック:ルフォーI型骨切り術のダウンタイム・副作用(感染・合併症リスクの詳細な解説)
切開方法の選択が、術後の鼻翼変形リスクを左右します。意外と見落とされがちな視点です。
粘膜切開には「口腔前庭部切開法」と「歯肉縁切開法」の2種類があります。 それぞれの特徴を比較します。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
| 切開法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 口腔前庭部切開 | 術野展開が広く操作しやすい | 鼻筋・口唇筋が切離されるため鼻翼拡大が起きやすい。Alar base cinch sutureが必須 |
| 歯肉縁切開 | 鼻翼変形が少ない。術後違和感が少なく歯肉感覚も保たれやすい | 術後に辺縁歯肉の瘢痕拘縮による歯肉退縮リスクあり。歯周病・歯冠修復済み症例は特に注意 |
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術後の鼻翼の広がりは患者の美容的満足度に直結します。 「ルフォーi型骨切り術後には一般に鼻翼幅の拡大が生じる」とされており、Alar base cinch sutureは必須の処置と位置付けられています。 oms-muto(https://www.oms-muto.com/20220227193626)
前方移動量が大きい症例では、さらに前鼻棘に骨孔を穿ち、鼻尖部の上向き(チップアップ)変形を防ぐための追加縫合が推奨されます。 これは標準的な術式説明で十分に触れられないポイントの一つです。これは使えそうです。 ritz-tokyo(https://www.ritz-tokyo.jp/maxillofacial/lefort-i/)
術前に患者へこの変化を丁寧に説明することで、術後のクレームや不満を大幅に減らすことができます。歯科口腔外科に従事する医療従事者であれば、この切開デザインの違いと術後変化の関係を患者説明に活かしてください。
リッツ美容外科:ルフォーI型骨切り術の術式詳細(内視鏡下骨切り・3次元実体模型の活用・Alar base cinch suture)

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