上顎結節どこに位置する解剖学的特徴と臨床的重要性

上顎結節は上顎骨後方部に位置する重要な解剖学的ランドマークです。歯科治療において見落としやすい歯槽孔との位置関係や臨床的意義をご存知ですか?

上顎結節どこに位置するか

上顎結節を上顎洞の直下と思っていませんか。


上顎結節の位置の3つのポイント
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上顎骨体の後面に位置

頬骨突起の後方、側頭下窩の前方部分を構成する骨の膨隆部

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臨床的には上顎顎堤の後方部

第二大臼歯または第三大臼歯の後方にある膨隆した部位

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解剖学的には粗造な高まり

後方へ向かって隆起する鈍隆起で、2~3個の歯槽孔が存在


上顎結節の解剖学的位置関係

上顎結節は上顎骨の頬骨突起と頬骨下枝の後方に位置する後面、すなわち側頭下面に存在します。後方へ向かって膨らんだ高まりで、上顎骨体の後方の多少膨らんだ面として認識されます。 theskeletalsystem(https://theskeletalsystem.org/ja/21520.html)


この部位は側頭下窩の前方部分を構成しており、解剖学的には上顎骨の中で最も多くの海綿骨を有する特徴があります。骨質が異なるということです。 dent-nakagawa(https://dent-nakagawa.jp/contents/maxilla_01.html)


発育的には上顎骨成長の「要」の部分とされ、後方に骨添加して成長する重要な領域です。成長のメカニズムを理解する上で欠かせません。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s1/BK06367/pageindices/index2.html)


上顎結節の歯槽孔との位置関係

上顎結節上には歯槽孔と呼ばれる2~3個の小孔が存在します。これらの孔は後上歯槽神経や後上歯槽動脈・静脈が通過する歯槽管へ通じています。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60681)


歯槽孔の位置は上顎結節の同定において重要な指標となります。解剖学的定義では、この歯槽孔が見られる粗造な鈍隆起を上顎結節とするためです。 visual-anatomy-data(https://visual-anatomy-data.net/comment/sa/jo-maxillary-tuberosity.html)


上顎神経の分枝である後上歯槽枝、顎動脈の分枝である後上歯槽動脈などがこの歯槽孔を通過し、上顎臼歯部へ神経・血管を供給します。つまり臨床的に重要な部位です。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60681)


上顎結節の臨床的位置の定義

臨床的には上顎顎堤の後方部の膨隆部という限局した部位を上顎結節とする場合があります。解剖学的定義とは若干異なる点に注意が必要です。 visual-anatomy-data(https://visual-anatomy-data.net/comment/sa/jo-maxillary-tuberosity.html)


無歯顎患者では上顎結節部は解剖学的指標の一つとして用いられます。義歯製作において重要な基準点となるためです。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/3407)


上顎結節部は時に異常なほど過剰に下がっていることがあります。下顎大臼歯が抜去され、上顎臼歯がそのまま補綴されずに放置された結果、上顎歯が歯槽突起とともに挺出してきたものです。補綴の必要性が分かります。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/3406)


上顎結節の周囲構造との位置関係

上顎結節の下方には少し細くなった部分が続いており、この部分は口蓋骨の錐体突起と蝶形骨の翼状突起の付着する粗面をなしています。骨同士の連結部として機能します。 funatoya(https://funatoya.com/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/1-13.html)


この粗面を下内側へ向かって1本の滑らかな溝が通っており、口蓋骨の溝と合わさって口蓋管を形成します。血管・神経の通り道です。 funatoya(https://funatoya.com/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/1-13.html)


内側翼突筋のいくつかの線維は上顎結節から起始しますが、文献によって記載に差異があります。解剖学的変異の可能性があります。 theskeletalsystem(https://theskeletalsystem.org/ja/21520.html)


上顎結節部の組織学的特性と採取時の注意点

上顎結節部の軟組織は口蓋粘膜に比べて厚みがあり、粘膜固有層が70%以上と大部分を占める一方、粘膜下組織は5%以下という組織学的特徴があります。結合組織移植片の採取部位として有用な理由です。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s1/BK08711/pageindices/index2.html)


上顎結節部から採取される結合組織移植片(CTG)は、口蓋部と比較して結合組織の割合が多く(72.8% vs 51.1%)、脂肪・腺組織が少ないことが確認されています。質の高い結合組織を採取できます。 instagram(https://www.instagram.com/p/DPqfAuPE7qq/)


インプラント治療や歯周組織再生療法において、上顎結節部は重要な移植材料の採取部位となります。ただし上顎結節を越えて穿孔すると翼突筋静脈叢を損傷するリスクがあり、解剖学的に止血処置がしづらい位置にあるため注意が必要です。慎重な手技が求められます。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s3/JL02832.pdf)