ラクトバチルス属 ヨーグルト 乳酸菌 口腔内環境 歯周病

ラクトバチルス属 ヨーグルトは本当に口腔ケアに役立つのでしょうか。歯科医療従事者が押さえたい菌種差、エビデンス、患者説明の勘所まで整理できていますか?

ラクトバチルス属 ヨーグルト

あなたのヨーグルト説明、患者の歯周病を遠回りさせます。


この記事の要点
🦷
ラクトバチルス属でも働きは同じではない

ヨーグルトに含まれるラクトバチルス属は菌株ごとの差が大きく、口腔内環境への期待は「属名」ではなく菌株単位で見極める必要があります。

📊
歯科領域で話題なのはL8020やロイテリ

L8020は広島大学の研究を背景に商品化され、ロイテリは歯周病関連で臨床研究が蓄積しています。ただし食品であり治療の代替ではありません。

💡
患者説明では順番が重要

ブラッシングや機械的清掃を先に伝え、そのうえで補助的な食習慣としてヨーグルトを位置づけると、誤解と過大評価を防ぎやすくなります。


ラクトバチルス属 ヨーグルトの基本と菌種の違い



歯科医療従事者向けに最初に整理したいのは、ラクトバチルス属という言葉が広すぎる点です。明治の解説では、ヨーグルトは乳酸菌で発酵した食品ですが、標準的なスターターとして代表的なのはブルガリア菌とサーモフィラス菌で、商品によっては別の乳酸菌が加わります。つまり属名だけで口腔への働きを語ると、かなり粗い説明になります。 meiji.co(https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/yogurt/02/01/)


ここが大事ですね。


さらに国際的なヨーグルトの定義は、従来のブルガリア菌とサーモフィラス菌の組み合わせから、乳酸桿菌属を含むより広い解釈へ広がってきました。そのため、患者が「ラクトバチルス属入りなら全部同じ」と受け取りやすいのですが、実際は菌種どころか菌株レベルで作用が分かれます。結論は菌株確認です。 ito-dental.or(https://www.ito-dental.or.jp/ubi8x/)


歯科の現場でこの違いを曖昧にすると、商品選びの相談で話がずれます。例えば整腸目的で知られるヨーグルトと、口腔内環境の研究があるヨーグルトは、同じ売り場でも評価軸が違います。ラクトバチルス属だけ覚えておけばOKではありません。


ラクトバチルス属 ヨーグルトと虫歯・歯周病の研究

検索上位で歯科領域に頻出する固有名詞は、L8020とロイテリです。L8020は、らくれんの公開情報によると、広島大学歯学部の二川浩樹教授が健康な子どもの口腔内から発見したLactobacillus rhamnosus KO3株を用いたもので、商品名の8020は「80歳で20本」を意識した設計です。数字があるので、患者にもイメージしやすい名称です。 rakuren.co(https://www.rakuren.co.jp/products/lp-8020/)


つまり菌株勝負です。


歯科医院の紹介記事では、L8020ヨーグルトを2週間、25人が摂取した例で、普通のヨーグルトと比べて虫歯菌が8割減ったとされ、歯周病菌も4〜9割減少したという記載が見られます。一方で、これは診療ガイドラインそのものではなく、紹介記事ベースの情報です。数字は魅力的ですが、外来説明では「補助的な知見」として扱うのが安全です。 fukuda-dent(https://fukuda-dent.net/blog/1406/)


ロイテリについても、歯科系サイトでLactobacillus reuteri DSM 17938株が歯周病原菌を抑制する働きが基礎・臨床研究で確認されていると紹介されています。また、商品側の研究紹介では歯周病症状部位が47%減少したという訴求もあります。いいことですね。 masuda-do(https://www.masuda-do.com/blog/1135/)


ただし、食品やサプリの情報は、臨床現場の説明でそのまま「治る」に変換しないことが重要です。患者は数字だけを覚えやすいので、歯周基本治療、セルフケア、再評価という流れを先に示したうえで補助的選択肢として案内すると、誤解を減らせます。補助利用が原則です。


ラクトバチルス属 ヨーグルトを歯科でどう説明するか

患者説明で起こりやすい失敗は、「ヨーグルトは体にいいので口にもいいです」と一気にまとめてしまうことです。確かにヨーグルトは発酵乳として栄養と乳酸菌の特徴を持ちますが、明治の解説でもスターター菌は複数あり、口腔への影響を一律に断定できる構造ではありません。この言い方だと、患者は商品棚の全品を同列に見てしまいます。 ito-dental.or(https://www.ito-dental.or.jp/ubi8x/)


どういうことでしょうか?


説明の順番は、①プラークコントロール、②糖摂取頻度、③唾液環境、④補助的なプロバイオティクス、の順がわかりやすいです。歯科医院の情報でも、8020ヨーグルトの効果を紹介しつつ、虫歯・歯周病対策の基本は歯磨きであり、歯磨き後に食べると効果が高いと整理されています。これは患者説明に転用しやすいポイントです。 fukami-shika(http://fukami-shika.jp/cmsfukami/archives/knowledge/1321)


つまり順番が重要です。


特に高齢患者やメインテナンス患者には、「治療の代わりではなく、環境を整える補助」という表現が無難です。もし誤解による自己流ケアのリスクを下げたい場面なら、狙いは過大評価の防止、その候補は院内説明用の一枚紙を確認する、で十分です。紙1枚で伝達ミスはかなり減ります。


ラクトバチルス属 ヨーグルトの意外な落とし穴

意外に知られていないのは、「機能性表示食品」と「医薬品」の線引きです。らくれんの8020ヨーグルトは機能性表示食品ですが、同社ページでも消費者庁長官による個別審査を受けた特定保健用食品とは異なり、医薬品でも疾病の診断・治療・予防を目的としたものでもないと明記されています。ここを飛ばすと、院内掲示やSNS投稿で表現が強くなりすぎます。 meiji.co(https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/yogurt/02/01/)


ここは要注意です。


歯科医療従事者が「このヨーグルトで歯周病予防できます」と短く言い切ると、法的というより表示・説明の整合性で危うくなります。特に院内物販や紹介文では、食品の範囲を超える表現はクレームの火種になりやすいです。〇〇なら違反になりません、ではなく、食品の範囲で語るのが原則です。


もう一つの落とし穴は、患者が甘味や摂取タイミングを無視することです。口腔ケア目的で勧めても、間食回数が増えれば意味が逆転しかねません。痛いですね。


このリスクへの対策は、どの場面の話かを先に言うことです。間食化のリスクを減らしたい場面では、狙いは摂取回数の固定、その候補は「朝食後か就寝前の口腔ケア後のどちらかに固定する」とメモしてもらう方法です。これなら現場で説明しやすいです。


ラクトバチルス属 ヨーグルトを医院価値に変える独自視点

検索上位は菌の効果に寄りがちですが、歯科医院にとって本当に差がつくのは「患者教育の設計」です。例えば「ラクトバチルス属」という属名、「L8020」「ロイテリ」という菌株・商品名、「食品であって治療ではない」という線引きを、初診・SPT・自費カウンセリングで言い分けるだけでも説明の質は変わります。ここが独自化のポイントです。 masuda-do(https://www.masuda-do.com/blog/1135/)


説明設計が武器です。


愛媛県歯科医師会の歯科医師145人を対象にした8020ヨーグルトのアンケートでは、有効回答126件という数字も公開されていますが、メーカー側も「個人的な感想であり、効果・効能を保証するものではない」と添えています。この姿勢は、医院の情報発信でも参考になります。数字を出すほど、但し書きの質が問われます。 meiji.co(https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/yogurt/02/01/)


院内ブログやチェアサイド説明で役立つのは、患者の期待値を1段下げ、継続率を1段上げる見せ方です。あなたが伝えるべきなのは「特定の菌株に研究はある」「でも基本は清掃」「補助として続けやすいものを選ぶ」の3点です。結論は併用設計です。


ヨーグルトの発酵菌の基本を確認したい部分の参考リンクです。ヨーグルトの定義やスターター菌の違いが整理されています。


明治 ヨーグルトの成分


L8020の由来、機能性表示食品としての位置づけ、医薬品ではない点を確認したい部分の参考リンクです。患者説明や院内表現の確認に向いています。


らくれん 8020ヨーグルト


アクチノマイセスと歯科

歯ぐきが下がる患者ほど、ミュータンス菌だけ見ていると根面う蝕を見逃しやすいです。


3ポイント要約
🦠
常在菌でも油断できません

アクチノマイセスは口腔常在菌ですが、初期付着菌としてプラーク形成や根面う蝕、歯肉炎、顎放線菌症に関わることがあります。

🦷
歯科臨床では根面う蝕が重要です

歯根は歯冠より高いpHでも脱灰しやすく、歯肉退縮がある患者ではアクチノマイセス関連のリスク評価が欠かせません。

⚠️
抜歯後や慢性炎症では例外があります

まれでも顎放線菌症につながると診断遅延で治療期間が長引きやすく、排膿や硬結などの所見を拾えるかが差になります。


アクチノマイセス 歯科の基本

アクチノマイセスは、歯科で完全な悪玉として扱うと理解を誤りやすい菌です。日本細菌学会の解説では、口腔内の主な生息部位を持つ常在細菌で、歯垢中の10~20%を占めることがあるとされています。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


ここが出発点です。常在菌である以上、検出されたという事実だけで直ちに病原菌と決めつけるのは適切ではありません。むしろ、どの部位で増えているか、どの環境で病原性を出しやすいかを見る視点が歯科では重要です。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


さらに、A. naeslundii、A. odontolyticus、A. oris などは、清掃後の歯面に最初に定着する初期付着菌として注目されています。つまりプラーク成熟のかなり早い段階に関与し、後続菌の足場づくりにも関わるため、ただ「あとから増える菌」と理解すると臨床判断がずれます。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


つまり初期付着菌です。歯面清掃の評価では、単にプラーク量だけでなく、再付着しやすい部位の形態や補綴物のマージン状態まで見ておくと、説明の説得力が上がります。チェアサイドでは染め出しと口腔内写真を組み合わせるだけでも、患者指導の時間短縮につながります。


アクチノマイセス 歯科と根面う蝕

歯科従事者が最も押さえたいのは、アクチノマイセスが根面う蝕と深く関わる点です。福島県歯科医師会系の解説では、歯根にできる根面う蝕の原因菌としてアクチノマイセス・ビスコーサスが挙げられ、歯冠を脱灰するpH 5.5に対し、歯根はpH 6.5で脱灰しやすいと説明されています。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%82%B9%E5%B1%9E)


この1.0の差は小さく見えます。ですが臨床では大きいです。歯肉退縮で露出した根面は、エナメル質より柔らかい象牙質が関与しやすく、患者が「しみないから大丈夫」と感じている間に、歯頸部を横に回り込むように進行することがあります。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%82%B9%E5%B1%9E)


結論は早期発見です。歯冠部う蝕の感覚で縦方向だけを追うと、根面う蝕の広がりを過小評価しやすいからです。特に高齢患者、歯周病既往、口腔乾燥、部分床義歯クラスプ周囲では、アクチノマイセス優位の環境が整いやすいと考えて診査した方が安全です。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/1434)


この情報のメリットは明確です。根面う蝕のハイリスク場面を先に絞れば、不要な説明を減らしつつ、フッ化物応用や高濃度フッ化物配合歯磨剤唾液分泌低下の確認といった対策を1回の指導にまとめやすくなります。場面は歯肉退縮、狙いは再石灰化支援と進行抑制、候補はフッ化物製剤を確認する、これで十分です。


根面露出に注意すれば大丈夫です。


アクチノマイセス 歯科と顎放線菌症

アクチノマイセスの話をう蝕だけで終えると片手落ちです。口腔病理基本画像アトラスでは、口腔常在菌で病原性の弱い放線菌属細菌、主として Actinomyces israelii による混合感染症として放線菌症が説明され、炎症や抜歯などの外科処置を誘因に発症することがあるとされています。 jsop.or(http://www.jsop.or.jp/atlas/oral-mucosal-lesions/actinomycosis/)


顎口腔領域での発生頻度は高めです。Dental Diamond掲載の解説では、顎・顔面部、腹部、胸部に好発する中でも、顎口腔領域が約3分の2を占めるとされています。 dental-diamond(https://dental-diamond.jp/2021/ddtest2101_1a.html)


ここは意外ですね。歯科では抜歯後感染、根尖性歯周炎辺縁性歯周炎、義歯による褥瘡など、日常診療の延長線上に感染経路が並ぶためです。しかも臨床的には板状硬結、高度の開口障害、多発性膿瘍、排膿、膿汁内の黄白色菌塊といった所見が知られており、単なる腫脹として流すと紹介タイミングが遅れやすくなります。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/2237)


つまり見逃し防止です。慢性経過の腫脹で硬結が強い、開口障害がある、排膿が長引くという場面では、通常の歯性感染症だけでなく顎放線菌症も鑑別に置くべきです。場面は慢性化した顎顔面感染、狙いは診断遅延の回避、候補は口腔外科へ早めに情報付き紹介状を出す、これが実務的です。


顎放線菌症が条件です。


アクチノマイセス 歯科と菌種の見分け方

「アクチノマイセス=1種類の菌」という把握も危険です。日本細菌学会の資料では、口腔由来の主な菌種として A. naeslundii、A. odontolyticus、A. oris、A. johnsonii、A. dentalis、A. graevenitzii、A. georgiae などが挙げられ、放線菌症病巣からは A. israelii、A. gerencseriae、A. meyeri などが分離されるとされています。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


この違いは、説明の精度に直結します。たとえば初期付着菌としての役割、根面う蝕への関与、重篤感染との関連を全部ひとまとめにすると、スタッフ教育でも患者説明でも内容がぼやけます。菌名まで細かく言わなくても、「常在菌としての顔」と「病原性を出す顔」を分けて話すだけで理解はかなり進みます。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


つまり分けて考えることですね。歯科衛生士向けの院内勉強会でも、初期付着・根面う蝕・放線菌症の3軸で整理すると記憶に残りやすいです。資料作成の手間を抑えたいなら、菌種表を1枚、疾患ごとの臨床像を1枚に分けるだけで十分使えます。


口腔細菌全体の整理に便利な解説です。


日本細菌学会 口腔細菌(アクチノマイセス Actinomyces)


アクチノマイセス 歯科と独自視点の患者説明

検索上位では病気の説明に寄りがちですが、現場では「どう伝えるか」が差になります。アクチノマイセスは健康な口腔に多い一方で、条件が整うと歯肉炎、根面う蝕、難治性の根尖性歯周炎、顎放線菌症に関わるとされており、善玉か悪玉かの二択で話すと患者は誤解しやすいです。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/25638)


ここが説明のコツです。患者には「この菌がいること自体は珍しくないが、歯ぐきが下がった根元や清掃しにくい境目で増えると問題になる」と伝えると、恐怖訴求に寄らず行動変容につながります。10~20%という歯垢中の割合や、歯根はpH 6.5で脱灰しやすいという数字を添えると、専門職らしい説得力も出ます。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%82%B9%E5%B1%9E)


あなたが得するのは、指導時間の短縮です。複雑な細菌学を全部話す必要はなく、「常在菌」「根面」「環境」の3語だけ覚えてもらえば十分です。場面はセルフケアが続かない患者、狙いは納得感のある再説明、候補は口腔内写真に歯頸部をマーキングして見せる、これが一番伝わります。


つまり環境で病原化します。


グラム陰性桿菌と抗菌薬の内服

あなたのその内服、3日で耐性化を招くことがあります。

3ポイント要約
🦷
歯科の第一選択は広域薬ではありません

歯性感染症の主因は口腔レンサ球菌と嫌気性菌で、第三世代セフェムを漫然と選ぶ根拠は乏しいです。

💊
内服は局所処置の代わりになりません

膿瘍切開や感染源除去が基本で、抗菌薬は補助です。疼痛だけの症例では不要なことも少なくありません。

📉
処方の見直しはAMR対策そのものです

歯科では予防目的処方が多く、第三世代セフェム40%減の目標も示されています。処方設計の差がそのまま院内の質になります。


グラム陰性桿菌に内服抗菌薬がずれやすい理由

歯科現場では「腫れているなら広くカバーしたい」と考えて、グラム陰性桿菌まで広く拾う経口薬に流れやすい場面があります。ですが歯性感染症の主な原因微生物は、口腔レンサ球菌とPrevotella属、Fusobacterium属、Porphyromonas属などの嫌気性菌で、典型的な焦点はそこです。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


つまり標的を外さないことです。歯科編の手引きでは、第三世代セファロスポリン系薬が推奨されない理由として、歯性感染症の原因菌とは関連が少ないグラム陰性菌まで標的にする広域性と、バイオアベイラビリティの低さが挙げられています。日本の歯科診療所で多く使われてきたCFPN-PIのバイオアベイラビリティは30%、第一選択のAMPCは80%です。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


この差は、数字だけでなく臨床判断にも響きます。口の中の感染に対して「広いから安心」と選んだ薬が、実際には必要な病原体へ十分届きにくいなら、効かないまま紹介受診や処置追加につながり、結果的に時間も再診コストも増えます。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


グラム陰性桿菌より内服で狙うべき菌と第一選択

歯周組織炎や歯冠周囲炎では、口腔レンサ球菌に活性を持つAMPCが推奨されています。炎症が進み、偏性嫌気性菌の関与が高くなる顎炎の初期や慢性顎骨骨髄炎、薬剤関連顎骨壊死では、β-ラクタマーゼ産生嫌気性菌も意識してCVA/AMPCが推奨されます。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


結論はAMPC中心です。具体的には、歯周組織炎・歯冠周囲炎・顎炎でAMPCは成人1回500mgを1日3回、CVA/AMPCは成人1回375mgを1日3〜4回が目安です。重度のペニシリンアレルギーがある場合はCLDMが代替候補として示されています。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


ここで大事なのは、グラム陰性桿菌という言葉に引っ張られすぎないことです。歯性感染症では、腸内細菌や典型的な非口腔由来グラム陰性桿菌を先に想定して内服薬を選ぶより、口腔常在菌の構成と病態の進行段階をみて薬を選ぶほうが、処方の筋が通ります。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


推奨薬と投与法の整理は厚労省の歯科編が実務向きです。歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎ごとの経口薬の表があります。
厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)歯科編


グラム陰性桿菌を意識しても内服だけでは足りない場面

歯性感染症治療の基本は、感染根管治療や膿瘍切開などの局所処置です。歯肉腫脹などがなく疼痛のみの根尖性歯周組織炎、抜歯後のドライソケットでは経口抗菌薬処方は不要とされています。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


つまり局所処置が原則です。さらに効果判定の目安は3〜7日以内で、その間に改善がない、増悪する、有害事象が出るなら、外科的消炎処置の追加や抗菌薬の変更・中止を考えます。だらだら同じ内服を続ける設計ではありません。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


病院歯科口腔外科では、地域の歯科医院で何らかの経口抗菌薬が数日間投与されたものの改善せず、増悪して紹介来院する症例が多いと報告されています。これは、内服だけで押し切ろうとしたときの典型的な失敗パターンで、紹介の遅れが患者の開口障害や嚥下困難につながると厳しいです。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


膿瘍形成や重症化リスクの把握には、顔貌の変化、開口量、嚥下痛、発熱、リンパ節所見を最初にメモで固定しておくと便利です。場面は「重症化の見逃し回避」、狙いは「再診時比較の精度向上」、候補は診療録テンプレートを1つ作る、で十分です。


グラム陰性桿菌と第三世代セフェム内服の落とし穴

一般開業歯科医院の調査では、2022年の第一選択薬は第三世代セフェム系が43.2%、ペニシリン系が28.1%でした。さらに、5年間抗菌薬を変更していないと回答した会員は72.6%で、慣習的な選択が残っている実態が見えます。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


意外ですね。AMR対策アクションプランでは、第三世代セファロスポリン系薬は2020年比で40%減、マクロライド系薬は25%減の目標が示されています。歯科編でも、歯科診療所の約半数で第三世代セファロスポリン系薬が第一選択になっている点が課題として明記されています。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


さらに、歯科では抗菌薬処方の多くが予防目的で、手引きでは歯科の使用目的の81.2%が抜歯後などの手術部位感染や合併症予防だとされています。ここで広域薬をデフォルトで出す運用を続けると、1症例のミスではなく、院内全体でWatch薬を積み上げる構造になります。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


処方の棚卸しをするなら、まず自院で直近50件の抜歯後処方を見返すのが現実的です。場面は「Watch薬の漫然処方」、狙いは「AMPCへ寄せる余地の確認」、候補はレセコン出力を1回確認する、が最短です。


グラム陰性桿菌 抗菌薬 内服の独自視点 予防処方のほうが院内差を生む

治療薬の選択ばかり注目されますが、実は歯科では予防投与の設計差が大きな差を生みます。SSIリスクのない通常抜歯では予防抗菌薬の使用は推奨されず、下顎埋伏智歯やSSIリスク患者では手術1時間前の単回投与が基本です。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


結論は術前単回です。普通抜歯後については、青森県歯科医師会の調査で44.3%が術後2〜3日間投与していた一方、「投与していない」は47.4%でした。つまり同じ抜歯でも、出す医院と出さない医院で運用差が大きい領域です。
mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001497899.pdf)


しかも、手術1時間前に十分な血中・組織内濃度を作るのが原則で、術後に数時間適切な濃度が維持されれば不要とする報告も多いです。術後3日分をなんとなく出すより、術前単回へ寄せたほうが、不要処方の削減、服薬忘れの減少、患者説明の簡素化という三つの利点が同時に得られます。
id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/dr-pa/020/dr-pa-intro.html)


予防投与の考え方を院内共有するなら、抜歯の術式別に「不要」「術前単回」「術後追加は48時間以内」の3区分表をチェアサイドに置くと運用がぶれにくいです。これは使えそうです。


AMRワーキンググループ報告書は、開業歯科の使用実態や数値がまとまっていて、院内説明用に使いやすい資料です。青森県の43.2%や44.3%などの数字も確認できます。
日本歯科医師会 歯科における薬剤耐性(AMR)対策ワーキンググループ報告書






LISTERINE(リステリン) クールミント 1000ml×2個 マウスウォッシュ 殺菌 爽快 口臭 歯肉炎 予防 医薬部外品 薬用 ミント味 【まとめ買い】