嚥下機能評価と看護師の連携で誤嚥を防ぐ実践的ケアガイド

嚥下機能評価は看護師が日常ケアで担う重要な役割です。RSSTPやMWSTなどのスクリーニング手技から歯科との連携まで、誤嚥性肺炎を防ぐために本当に必要な知識を知っていますか?

嚥下機能評価と看護の実践:誤嚥を防ぐための基礎から応用

看護師が「嚥下評価はSTの仕事」と思っていると、夜間の誤嚥を見逃して患者さんが肺炎になります。


🔍 この記事の3ポイント
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嚥下スクリーニングの基本手技

RSSTPやMWSTなど看護師がベッドサイドで実施できるスクリーニング評価の具体的な手順を解説します。

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誤嚥サインの早期発見ポイント

サイレントアスピレーション(不顕性誤嚥)を含む、看護師が観察すべき具体的な嚥下障害のサインを紹介します。

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歯科・看護の多職種連携

歯科衛生士・歯科医との連携がなぜ誤嚥性肺炎予防に不可欠なのか、歯科従事者が知っておくべき看護側の視点を整理します。


嚥下機能評価とは何か:看護師が担う役割の全体像



嚥下機能評価とは、患者が安全に口から食事を摂取できるかどうかを判定するための一連のアセスメントです。大きく「スクリーニング検査」と「精密検査」の2種類に分かれており、看護師が担当するのは主にスクリーニング段階です。 tyojyu.or(https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/pdf/h31-3-1-3_v2.pdf)


スクリーニングは特別な機器を使わず、ベッドサイドで実施できることが特徴です。代表的な手法として、反復唾液嚥下テスト(RSST)、改訂水飲みテスト(MWST)、フードテスト(FT)、頸部聴診法などが標準化されています。 jsdr.or(https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/VF15-1-p96-101.pdf)


つまり看護師主導のスクリーニングが基本です。


歯科従事者の立場からは、患者の摂食・嚥下状態を把握することが口腔ケアの優先順位やアプローチに直結します。口腔内の細菌が誤嚥物とともに気道に入ることが肺炎の主因のひとつであるため、歯科チームと看護チームの情報共有は欠かせません。


嚥下機能評価のRSST・MWSTの手技と評価基準

RSSTPとMWSTは嚥下スクリーニングの両輪です。手順を正確に理解しておくと評価の精度が大きく変わります。


反復唾液嚥下テスト(RSST)の手順


1. 人差し指で舌骨、中指で甲状軟骨を触知します
2. 患者に「唾を飲んでください」と指示します
3. 30秒間に何回嚥下が行えるかを数えます
4. 喉頭隆起が中指を完全に乗り越えた場合に「1回」とカウントします
5. 3回未満の場合、嚥下障害の疑いありと判断します ksmcs(https://ksmcs.jp/krh/news/screening-of-enge/)


評価しやすいですね。「ただ唾を飲んでもらうだけ」に見えますが、触診での確認を省くと誤カウントが生じます。聴診器との併用で正確性がさらに高まります。 jsdr.or(https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/VF15-1-p96-101.pdf)


改訂水飲みテスト(MWST)の手順と評価基準


| スコア | 判定内容 |
|--------|----------|
| 1点 | 嚥下なし、むせ、または呼吸変化あり |
| 2点 | 嚥下あり、呼吸変化あり(不顕性誤嚥疑い) |
| 3点 | 嚥下あり、呼吸良好、むせ・湿性嗄声あり |
| 4点 | 嚥下あり、呼吸良好、むせ・湿性嗄声なし |
| 5点 | 4点+30秒以内に空嚥下2回以上可能 |


3点以下が問題ありとされ、精密検査への移行を検討します。 ksmcs(https://ksmcs.jp/krh/news/screening-of-enge/)


特に注意が必要なのが2点のケースです。嚥下そのものは起きているのに呼吸変化だけが見られる場合、サイレントアスピレーション(不顕性誤嚥)を疑います。むせがないからといって安全とは言えません。これは見落とされやすいポイントです。


嚥下機能評価のMWSTを実施する際は、水を舌背ではなく必ず口腔底へ注入することが原則です。咽頭への直接流入を防ぐためのルールであり、手順の逸脱は評価精度を著しく低下させます。 ksmcs(https://ksmcs.jp/krh/news/screening-of-enge/)


嚥下評価のスクリーニングについて、より詳細な手順や判定フローを参照したい場合は以下が参考になります。


摂食・嚥下障害の評価基準についての詳細資料(日本摂食・嚥下リハビリテーション学会):
摂食・嚥下障害の評価(簡易版)- 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会


嚥下機能評価における誤嚥サインの観察ポイント

看護師が日常ケアの中で観察すべき誤嚥・嚥下障害のサインを把握しておくと、スクリーニング前の段階で異変に気づけます。


食事中・食後に注意すべきサイン


- 🍚 食後に声がかれる、ガラガラした湿性嗄声が出る
- 💧 食事中・食後に咳や咽頭クリアランス(ゴホン)が増える
- 😮‍💨 食事のペースが急に落ちる、疲れやすくなる
- 🌡️ 食後に微熱(37.5℃前後)が繰り返し出る
- 😶 顔色が悪くなる、表情が無くなる(低酸素状態のサイン)


特に注意が必要なのは不顕性誤嚥(サイレントアスピレーション)です。むせや咳嗽反射が起きないため、食事観察だけでは発見が困難です。夜間の肺炎発症前には、こうした微細なサインが数日前から出ていることが多い点を覚えておくべきです。


口腔内の状態も観察対象です。食後に食物残渣が頬粘膜や歯肉溝に残っている、舌苔が著しく多いといった場合、口腔期での機能低下を疑います。 歯科衛生士が口腔ケア時に気づくこうした変化を看護師に伝えることで、スクリーニングの早期実施につながります。 tyojyu.or(https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/pdf/h31-3-1-3_v2.pdf)


これは使えそうです。


嚥下機能評価のスクリーニング実施前に観察すべき前兆について、実際の施設での取り組みが参考になります。


実際の施設での嚥下スクリーニング体制づくりの実例(京都リハビリテーション病院):
摂食嚥下スクリーニング検査実技 - 京都リハビリテーション病院


嚥下機能評価と歯科の連携:口腔ケアが誤嚥性肺炎を左右する理由

口腔内の細菌数と誤嚥性肺炎の発症リスクには明確な関係があります。口腔清潔度が低い患者では肺炎発症率が高くなることが複数の研究で示されており、口腔ケアは「誤嚥を防ぐケア」と並ぶ重要な予防介入です。


歯科と看護が連携できていないと、嚥下評価の結果が口腔ケアに反映されません。たとえば「MWSTが2点で不顕性誤嚥の疑いがある患者」に対し、歯科衛生士が口腔ケアの強度・頻度を上げることで誤嚥性肺炎リスクを下げる介入が可能になります。


歯科が把握しておくべき看護側の情報


| 看護側の情報 | 歯科ケアへの活用 |
|-------------|-----------------|
| MWSTのスコア | 口腔ケア時の体位調整・吸引の要否を判断 |
| 食事形態(嚥下調整食のレベル) | 食残物の性状から口腔清掃の重点部位を特定 |
| 食後の嗄声・湿性嗄声の有無 | 次回のSTへの情報提供タイミングを調整 |
| 薬剤による口腔乾燥の有無 | 口腔保湿ケアの追加を検討 |


多職種連携が鍵です。言語聴覚士がいない施設でも、看護師と歯科衛生士が嚥下評価情報を共有し合う仕組みを作ることで、専門家不在の状況下での対応力が高まります。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=2exJ3hKgGZs)


歯科医師・歯科衛生士が医科・看護との連携を深めるための提言についての情報:
摂食嚥下障害診療における耳鼻咽喉科と歯科との連携に関する提言 - 日本歯科医師会


嚥下機能評価の結果を看護ケアに落とし込む実践フロー

スクリーニング結果を評価するだけでは意味がありません。その結果をどのように日常ケアに組み込むかが看護師の腕の見せどころです。


嚥下機能評価後のケアフロー(概要)


1. RSST・MWSTの実施 → スコアを記録
2. 3点以下・3回未満の場合 → 医師・STへ報告
3. STによる精密評価または医師の指示を待つ間も食事形態の変更を検討
4. 嚥下調整食(国際嚥下食分類 JCODSレベル)に合わせた食形態の提供
5. 口腔ケア強化を歯科衛生士に依頼(情報共有シートの活用)
6. 食事中の看護観察記録を継続(週1回以上のスクリーニング再実施が理想)


JCODSとは「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類」のことで、嚥下食のレベルを0〜4(および2-1、2-2の細分類)で標準化した基準です。 jsdr.or(https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/assessment2019-announce.pdf)


嚥下機能評価のスコアと嚥下食レベルの対応を把握しておくと、現場での判断が素早くできます。


看護記録に残すべき観察項目


- 😮 むせの有無・タイミング(食事開始後何分か)
- 🫁 食後の SpO₂ の変化(パルスオキシメーターで確認)
- 🗣️ 食後の声質の変化(湿性嗄声)
- 🦷 口腔内の食物残渣の程度と部位
- 🌡️ 食後2時間以内の体温変動


SpO₂が食後に3%以上低下する場合、誤嚥を疑う指標とする施設も増えています。簡易的でありながら継続的なモニタリングに向いており、嚥下機能評価の補助指標として活用できます。


嚥下機能評価のアセスメント情報が看護側から歯科側に届く仕組みを整えることで、口腔ケアの質と誤嚥性肺炎予防効果が格段に高まります。これが現場における多職種連携の具体的な姿です。


嚥下調整食の国際基準・JCODSの詳細:
摂食嚥下障害の評価2019 - 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会


以下を出力します。


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