咬合高径が下がっていても、筋肉がすでに「新しい高さ」に適応しているケースがあり、その場合は挙上しないほうが予後良好なことがあります。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/occlusion/19938)

咬合挙上(こうごうきょじょう)とは、歯の咬耗・欠損・不正咬合などによって低下した咬合高径(垂直的顎間距離)を、適正な高さへ回復させる歯科処置のことです。 英語では "bite raising" と表記されます。 miyatadc-ike2(http://www.miyatadc-ike2.com/cont/for-occulusion.html)
咬合高径とは、上下顎が咬頭嵌合位にあるときの顔面下1/3の垂直的距離を指します。この高さが長年の咬耗やブラキシズム、長期にわたる欠損放置などで徐々に低下すると、下顎骨が必要以上に上方に移動した状態が続き、顎関節・咀嚼筋・審美性に悪影響を及ぼします。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/2808)
つまり咬合高径の管理が原則です。
たとえば、正面から見たときに顔の下半分が短く見える「顔面下部の短縮」は、咬合高径低下の典型的なサインの一つとされています。 歯科医従事者としてこの変化を見逃さないことが、早期介入の第一歩になります。 omotesando-ak(https://www.omotesando-ak.com/column/occlusion-collapse-bite-raise-cost/)
咬合挙上の適応は「明らかに垂直顎間距離が減少して障害が生じているときにのみ」とされており、症状のない咬合高径低下例に対する安易な挙上は推奨されません。 これは多くの歯科医が「咬合が低い=必ず挙上すべき」と考えがちな点と異なります。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/occlusion/19938)
適応の判断には以下の指標が用いられます。
- 顎関節の疼痛・雑音・開口障害などの顎関節症状
- 咀嚼筋の疲労感・緊張・圧痛
- 歯冠補綴空隙が不足していて修復物の設計が困難
- 審美的な顔面下部の短縮
- 長期欠損放置による歯の挺出・傾斜に伴う咬合平面の乱れ jsgd(https://jsgd.jp/wordpress/wp-content/uploads/486602c6a007fce03a3a038ca564b0c7.pdf)
難症例として注意が必要なのは、「術前に咬合高径の減少が疑われない症例」です。 このような症例では挙上による悪影響(筋の過緊張や顎関節への負担増)が懸念されるため、慎重に術前評価を行う必要があります。 hhk(https://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/shika/250601-100000.php)
これは使えそうです。
また、下顎角やFMA(フランクフルト平面と下顎下縁平面のなす角)が大きい高角症例も、咬合挙上が難しい症例として挙げられます。 適応診断の精度を高めるには、セファロ分析や顎関節の画像評価を組み合わせることが望ましいです。 hhk(https://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/shika/250601-100000.php)
臨床での咬合挙上は、段階的なアプローチが基本です。いきなり最終補綴物で高径を上げることは、筋・顎関節が新しい高さに適応できない場合に大きなトラブルを招くリスクがあります。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/40047)
標準的なステップは以下の通りです。
1. 術前評価:咬合高径の低下量を計測し、セファロやフェイスボウトランスファーを用いて咬合器上に再現する
2. 咬合挙上スプリント装着:可撤性のスプリントを用いて仮の咬合高径を設定し、患者の筋・顎関節の反応を数週間〜数ヶ月かけて観察する quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/40047)
3. リハビリテーション期間:スプリントによって筋紡錘や顎関節が新しい高さに適応するのを確認する icd-japan.gr(https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol49/15-vol49.pdf)
5. 最終補綴への移行:安定を確認してから最終的な補綴処置を行う
スプリントの咬合高径を補綴物にトランスファーする際は、上顎模型のクロスマウントを用いる方法が精度の面で推奨されます。 academy.doctorbook(https://academy.doctorbook.jp/casebook/posts/208)
咬合採得が条件です。
東京科学大学(旧東京医科歯科大学)の和田淳一郎先生による2025年の講演でも、「予知性をもって咬合再構成を実施するためには、段階的な咬合挙上と丁寧な術前診断が不可欠」と述べられています。 hhk(https://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/shika/250601-100000.php)
参考:咬合再構成に関する最新の臨床的知見(日本補綴歯科学会)
予知性をもって咬合再構成を実施するために知っておきたい理論と術式(2025年6月1日)
咬合挙上量の決定は、咬合挙上全体の中でもっとも難しいステップとされています。 「どのくらい上げるか」の判断を誤ると、筋の過活動・TMD症状の悪化・補綴物の早期破損を招きます。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s1/BK06598/pageindices/index1.html)
現在エビデンスベースで活用される代表的な方法に「最小発音間隙(phonetic gap)を用いた方法」があります。 これは「s」音発音時に上下の歯が最も接近するが接触しない距離(約1〜3mm)を基準に、安静空隙と合わせて適正な咬合高径を割り出す方法です。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=k1apKP7Gl0w)
具体的なプロセスをイメージしてください。
- 安静空隙の計測:下顎安静位での顔面下1/3の距離を計測する
- 発音間隙の確認:「スー」「シー」などの発音時に歯が接触しないことを確認する
- OVDの設定:安静空隙(通常2〜4mm)を考慮した上で咬合高径を設定する insidefield-sns.sakura.ne(https://insidefield-sns.sakura.ne.jp/hotetsu/files/files_601.pdf)
一方で、「咬合高径は下がらない」という研究結果もあり、ターナーの分類では咬耗が進んでも代償的な挺出によって咬合高径が保たれるケースが多いと報告されています。 これは重要な視点です。挙上量の根拠なき増量は、かえって顎口腔系への負担を増すことになります。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=8BBxG4DnquY)
参考:咬合高径と最小発音間隙に関する論文解説
【咬合高径の決定方法】唯一のエビデンスベース「最小発音間隙」(スギタ論文19-2)
咬合挙上後の長期経過については、ICD(国際歯科学士会)日本部会の症例報告で、20年にわたる経過観察例が報告されています。 これほどの長期症例は少なく、非常に参考になります。 icd-japan.gr(https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol49/15-vol49.pdf)
この報告で注目すべき点は、「咬合挙上後の閉口筋筋紡錘の応答特性が、最終的には挙上前のものと有意差がなくなった」という東京医科歯科大学(現:東京科学大学)の研究結果です。 つまり、筋は新しい咬合高径に適応する能力を持っているということです。 icd-japan.gr(https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol49/15-vol49.pdf)
これはいいことですね。
長期予後を良好に保つためのポイントは以下の通りです。
- ブラキシズムのコントロール(マウスガード・スプリントの継続使用)
- 定期的な咬合チェックによる補綴物の高さの確認
- 患者への生活習慣指導(硬食の制限・ストレス管理)
- 顎関節・咀嚼筋の定期的な触診・評価
参考:咬合挙上の20年経過症例報告(ICD Japan)
咬合挙上の一症例 ─20年経過症例から考える─(JICD, 2018, Vol.49)
一般的に「咬合が低い患者には咬合挙上が必要」と考えられがちですが、あえて咬合挙上を行わずに補綴した症例も臨床では存在します。 この選択が有効な場合と、重大なリスクを招く場合の両方があることを理解しておく必要があります。 furuya-hotetsu(https://furuya-hotetsu.com/custom30.html)
咬合挙上しないまま補綴すると起こりうる問題は以下の通りです。
- 補綴空隙の不足:歯冠補綴のためのスペースが確保できず、補綴物が薄くなり強度不足になる jsgd(https://jsgd.jp/wordpress/wp-content/uploads/486602c6a007fce03a3a038ca564b0c7.pdf)
- レジン量の不足(義歯の場合):支台装置を包むレジン量が足りず、義歯破折のリスクが上がる furuya-hotetsu(https://furuya-hotetsu.com/custom30.html)
- 長期的な顎関節への負担:低い咬合高径が続くことで顎関節の圧迫が蓄積し、TMDが進行するリスクがある
- 審美的問題の放置:顔面下部の短縮が改善されないまま最終補綴に進んでしまう omotesando-ak(https://www.omotesando-ak.com/column/occlusion-collapse-bite-raise-cost/)
補綴空隙の確保が条件です。
ただし、患者の全身状態・予算・治療期間への制約がある場合、咬合挙上なしでの補綴が現実的な選択肢になることも事実です。 その際は、補綴物設計の工夫(金属床義歯の採用・強度の高い材料選択など)と、患者への十分な説明・同意取得が不可欠です。 furuya-hotetsu(https://furuya-hotetsu.com/custom30.html)
参考:咬合挙上しないで補綴した症例の詳細
咬合挙上しないで補綴した症例(古屋歯科)

【Amazon.co.jp限定】【大容量】NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ クリアハーブミント 詰め替え 1300ml [医薬部外品] 洗口液 口臭原因菌を殺菌 アルコール配合 パウチ