保険適用なのに自費請求しているクリニックが存在し、患者から返金請求を受けるケースが報告されています。
歯周再生療法の費用は、使用する薬剤や手法によって大きく3つに分かれます。まず整理しておきましょう。
| 治療法 | 保険適用 | 費用の目安(1歯あたり) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| リグロス | ✅ あり | 約1万〜3万円(3割負担) | 国産。2016年保険収載。垂直性骨欠損に有効 |
| エムドゲイン | ❌ 自費 | 約10万〜15万円 | スウェーデン発。成長因子を活用した再生材料 |
| GTR法 | △ 一部保険 | 約5,000円〜15万円 | メンブレンで骨再生スペースを確保する術式 |
リグロスが登場する以前は、再生療法といえばほぼ自費診療でした。 それが2016年の保険収載を機に、3割負担で約1〜2万円という現実的な費用で受けられるようになったのは、患者にとって大きなメリットです。 lifedc-nishinomiyakitaguchi(https://www.lifedc-nishinomiyakitaguchi.com/newstopics/2900/)
一方でエムドゲインは依然として自費診療のままで、1歯あたり10万〜15万円が相場です。 複数歯に施術が必要な場合、総費用は軽く30万円を超えることもあります。これは高額です。 iga-dental(https://iga-dental.jp/column/2821/)
患者への費用説明では「リグロスかエムドゲインか」という選択肢を明示することが、後のトラブル防止につながります。同じ「再生療法」という言葉でも、費用に10倍以上の差が生じる可能性があるためです。 niizakirin-dc(https://niizakirin-dc.com/2025/08/28/is-dental-regenerative-therapy-covered-by-insurance/)
リグロスは保険適用ですが、どんな症例にでも使えるわけではありません。条件が明確に定められています。
保険適用の主な条件は以下の通りです。 masa-dental(https://masa-dental.com/regroth/)
つまり垂直性骨欠損が条件です。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s1/BK08435/pageindices/index1.html)
水平性骨欠損や広範囲に骨が失われたケースでは、リグロスを塗布しても薬剤が横に流れてしまうため効果が期待できません。 また根分岐部の骨欠損にも効果が出にくいとされており、症例の見極めは非常に重要になります。 masa-dental(https://masa-dental.com/regroth/)
糖尿病や喫煙習慣がある患者も適応が制限される場合があります。 これらの全身状態・生活習慣は術前のカウンセリングで必ず確認しておくべき項目です。見落とすと術後経過が著しく悪化するリスクがあるため、歯科従事者として把握しておくべきです。 yono-satomura-dc(https://www.yono-satomura-dc.com/treatment/perio_old/periodontal-tissue-regeneration/)
自費で10万〜15万円を支払った患者に、医療費控除の説明をしていますか。これを伝えるかどうかで、患者のクリニックへの信頼度が大きく変わります。
医療費控除の基本的な仕組みは以下の通りです。 ozaki.osaka(https://ozaki.osaka.jp/price/medical-deduction)
たとえばエムドゲインで15万円を支払い、その年の医療費合計が20万円だった場合、10万円超の10万円分が控除対象になります。 課税所得300万円の患者であれば、約2万円前後が還付される計算です。還付額は大きくないかもしれませんが、「知っていたか知らなかったか」の差は患者の満足度に直結します。 akasaka-sakura-dc(https://akasaka-sakura-dc.com/dental-pulp-regeneration-medical-deduction/)
ただし審美目的と判断される治療は対象外です。 「歯周病の治療として行ったエムドゲイン」は対象になりますが、「見た目改善を主目的とした処置」は対象になりません。歯科医師が治療目的を明確にしたカルテ記載・領収証の内訳明示が、患者の控除申請を支援することになります。これは重要なポイントです。 nta.go(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm)
国税庁の資料にも、自費診療であっても「一般的に支出される水準を著しく超えない」治療費は控除対象になると明記されています。 nta.go(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm)
参考:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
「自費のエムドゲインのほうが保険のリグロスより効果が高い」と思い込んでいる歯科従事者は少なくありません。意外ですね。
実際には、リグロスとエムドゲインの再生能力は同等とする比較研究が複数存在しています。 費用の差は材料コストや承認取得の経緯による部分が大きく、「高ければ効く」という単純な図式は成立しません。 fujigaoka-shika(https://www.fujigaoka-shika.com/blog/%E4%BF%9D%E9%99%BA%E9%81%A9%E7%94%A8%E3%81%A7%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%AD%AF%E5%91%A8%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%99%82%E6%B3%95/)
成功率に影響する要因は費用よりも、以下の要素が重要とされています。 sakai-dent(https://www.sakai-dent.com/periodontitis/periodontal-regenerative-therapy/)
リグロス保険適用でも「適応症であること」「プラークコントロールが確立されていること」という条件を満たさなければ、安くても効果は出ません。費用の安さに惑わされず、症例選択の精度を上げることが成功の鍵です。これが原則です。
参考:日本歯周病学会「歯周組織再生療法を詳しく解説」
https://periobook.perio.jp/treatment-knowledge/96/
歯周再生療法で費用トラブルが発生しやすい場面があります。それが「混合診療」に関する誤解です。
混合診療とは、保険診療と自費診療を同一の治療行為の中で組み合わせることで、原則として日本では禁止されています。たとえばリグロス(保険)を使った手術で、同時にエムドゲイン(自費)を混ぜて使う場合は、全体が自費診療になります。 この点を患者に事前説明せず後から請求すると、深刻な不信感を招きます。 lifedc-nishinomiyakitaguchi(https://www.lifedc-nishinomiyakitaguchi.com/newstopics/2900/)
実際に起こりやすいトラブルのパターンは以下の通りです。
対策はシンプルです。 ydc-imp(https://www.ydc-imp.jp/column/perio/5747/)
費用トラブルの多くは「説明不足」から始まります。歯科従事者として、費用の透明性を高める仕組みを院内に整えることが、長期的な患者信頼と医院経営の安定につながります。これは使えそうです。
参考:日本歯周病学会「歯周組織再生療法」解説ページ
https://periobook.perio.jp/treatment-knowledge/96/