リドカインのゴロを覚えただけで、アレルギー患者にリドカインを選んで重大インシデントになった事例が年間複数件報告されています。
局所麻酔薬を覚える第一歩は、エステル型かアミド型かを区別することです。
まず、エステル型局所麻酔薬の代表的なゴロ合わせを紹介します。
「プロエステ、手とか安心効果」 benzenblog(https://www.benzenblog.com/entry/2021/04/12/142618)
- プロ → プロカイン
- エステ → 【エステル型】の目印
- 手とか → テトラカイン
- 安 → アミノ安息香酸エチル
- 心(効果) → コカイン
エステル型の特徴として、血漿コリンエステラーゼによって分解されます 。そのため作用持続時間が短く、体内からの消失も比較的速いです。 medi.atsuhiro-me(https://medi.atsuhiro-me.net/entry/2015/11/19/010000)
また、代謝物(主にPABA:パラアミノ安息香酸)によるアレルギー反応も起こしやすいことが知られています 。これは実際の歯科臨床においてきわめて重要な情報です。 medi.atsuhiro-me(https://medi.atsuhiro-me.net/entry/2015/11/19/010000)
もう一つの覚え方として、「エステル型には濁音がない」という法則があります 。プロカイン・テトラカイン・コカイン…確かに濁音がありません。ただしオキシブプロカインのみ例外でエステル型ですので注意が必要です。例外として必ず押さえておきましょう。 benzenblog(https://www.benzenblog.com/entry/2021/04/12/142618)
意外ですね。
エステル型のゴロが重要な理由は、アレルギー既往がある患者への対応に直結するからです。エステル型にアレルギーがある患者には、アミド型を選択する必要があります 。この切り替え判断を瞬時に行うには、まずエステル型薬剤を正確に把握していることが条件です。 ourdental(https://ourdental.jp/wp/anesthesia/type/)
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アミド型のゴロで最もよく知られているものの一つが以下です。
「あみどにおしり、バカーン♡」 benzenblog(https://www.benzenblog.com/entry/2021/04/12/150735)
- あみど → 【アミド型】の目印
- に → ジブカイン(二)
- お → オキセサゼイン
- し → ジブカイン
- り → リドカイン
- バカーン → メピバカイン・ブピバカイン
アミド型は肝臓(肝ミクロソーム酵素)で代謝されます 。これがエステル型と根本的に異なる点です。 medi.atsuhiro-me(https://medi.atsuhiro-me.net/entry/2015/11/19/010000)
アミド型は、作用持続時間がエステル型より長い傾向があります。これは肝臓での代謝速度がコリンエステラーゼ分解よりも時間がかかるためです。つまり持続時間の長短は型と直結しています。
重要なポイントとして、肝機能障害のある患者にアミド型を使用する際は注意が必要です 。肝機能が低下していると代謝が遅延し、血中濃度が上昇して局所麻酔薬中毒のリスクが高まります。歯科で最もよく使用されるリドカインはアミド型ですので、肝疾患を持つ患者への問診内容としても把握しておく必要があります。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.3101200294)
なお、アミド型はエステル型と比較してアレルギー反応が起きにくいとされます 。ただし「アミド型だからアレルギーが絶対に起きない」というわけではなく、保存剤(パラベン類)に対する反応が起きるケースもある点に注意が必要です。 medi.atsuhiro-me(https://medi.atsuhiro-me.net/entry/2015/11/19/010000)
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以下の表で、エステル型・アミド型の主要な違いを整理します。
| 項目 | ⚗️ エステル型 | 🔵 アミド型 |
|------|-----------|-----------|
| 代謝部位 | 血漿(コリンエステラーゼ) | 肝臓(ミクロソーム酵素) |
| 作用持続時間 | 短い | 比較的長い |
| アレルギー | 起きやすい(PABA代謝物) | 起きにくい |
| 代表薬(歯科) | プロカイン、テトラカイン | リドカイン、メピバカイン |
| 注意すべき患者 | コリンエステラーゼ欠損症患者 | 肝機能障害患者 |
この表が基本です 。 oralstudio(https://www.oralstudio.net/dictionary/detail/1864)
特に歯科で意識すべき点は、コリンエステラーゼ欠損症(遺伝性)の患者ではエステル型の代謝が著しく遅延することです。問診時に「手術既往・麻酔でのトラブル歴」を確認することに意味があるのはこういった背景があるからです。
アミド型代謝の補足として、リドカインは肝臓での初回通過効果を大きく受けます。経口投与での効果が期待できないのはこのためです。歯科では注射用製剤として使用するため問題ありませんが、薬学的な背景として覚えておく価値があります 。 yakugaku-gokaku(https://yakugaku-gokaku.com/post-153/)
日本麻酔科学会による局所麻酔薬中毒への対応ガイドライン(臨床で役立つ中毒対応フローチャート掲載)。
局所麻酔薬中毒への対応プラクティカルガイド(日本麻酔科学会)
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局所麻酔薬の使い方は「どこに使うか(適用部位)」によって分類されます。これもゴロで整理できます 。 yakugaku-gokaku(https://yakugaku-gokaku.com/post-153/)
表面麻酔に用いられる薬剤 uzuchannel(https://uzuchannel.com/goro-navigation-pharmacy/category/pharmacology/%E4%BD%93%E6%80%A7%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB%E3%81%AB%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E8%96%AC/%E5%B1%80%E6%89%80%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC/)
- コカイン(エステル型):強い血管収縮作用あり、耳鼻科・眼科用途が中心
- テトラカイン(エステル型):粘膜への浸透性が高い
- リドカイン(アミド型):歯科用表面麻酔の主流。テープ剤・ゲル剤として普及
- アミノ安息香酸エチル(エステル型):主に口腔内の表面麻酔に使用
表面麻酔には用いない薬剤:プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン uzuchannel(https://uzuchannel.com/goro-navigation-pharmacy/category/pharmacology/%E4%BD%93%E6%80%A7%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB%E3%81%AB%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E8%96%AC/%E5%B1%80%E6%89%80%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC/)
「表面麻酔に使わない薬」を覚えるゴロとして、「プロは目・見ない」(プロカイン・メピバカイン)という覚え方があります。浸潤麻酔専用と考えましょう。厳しいところですね。
特に歯科で重要なのはリドカインゲルです。処置前の粘膜表面麻酔として使用されることが多く、患者の「注射の痛み」を軽減するために非常に有効です 。リドカインはアミド型ですので、エステル型アレルギー歴のある患者でも安全に使用できるのが大きな利点です。 ourdental(https://ourdental.jp/wp/anesthesia/type/)
浸潤麻酔(注射による麻酔)では、メピバカインやリドカインが歯科では主力です。メピバカインは血管収縮薬(エピネフリン)を含まない製剤も存在し、心疾患患者・高血圧患者での選択肢になります 。この使い分けを意識することが安全な歯科麻酔の基本です。 gakkenshoin.co(http://www.gakkenshoin.co.jp/book/ISBN978-4-7624-0168-8/03.pdf)
歯科麻酔薬の種類と副作用に関する詳細な解説。
歯科麻酔薬の種類と副作用(大倉山駅前港北歯科クリニック)
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ゴロで薬剤名と型を覚えた後、実際の臨床でどう活かすか。これは試験対策と実務の間にある見落とされがちなギャップです。
たとえば初診問診票に「以前の歯科治療で麻酔が効きにくかった」という訴えがある患者に対して、単純に「量を増やす」という対応をしてしまう場合があります。薬学の知識があれば、以下のような判断が可能になります。
- 💉 エステル型からアミド型への変更で代謝遅延リスクを下げる
- 🫀 エピネフリン含有製剤の適否を全身疾患から判断する
- 🧪 炎症部位(酸性環境)では局所麻酔薬の効果が低下することを念頭に置く
酸性条件下では局所麻酔薬が効きにくくなります 。炎症によって組織が酸性化し、局所麻酔薬の非イオン型(脂溶性・膜透過型)比率が低下するためです。ゴロで覚えた薬剤分類の背景にある薬学原理として押さえておきましょう。 uzuchannel(https://uzuchannel.com/goro-navigation-pharmacy/category/pharmacology/%E4%BD%93%E6%80%A7%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB%E3%81%AB%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E8%96%AC/%E5%B1%80%E6%89%80%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC/)
メカニズムと紐づけることが基本です。
また、歯科衛生士がスケーリングや歯石除去を行う前の表面麻酔選択においても、同様の薬学知識が役立ちます。患者から「薬アレルギーがある」と言われたとき、それがエステル型由来のアレルギーなのかパラベン由来なのかを区別できると、安全な薬剤選択に大きく貢献できます 。 ourdental(https://ourdental.jp/wp/anesthesia/type/)
歯科医師だけでなく、歯科衛生士・歯科助手も局所麻酔薬の基礎薬学を理解しておくことで、リスクのある患者の早期察知・報告につながります。チーム全体の安全意識として薬学ゴロを「使える知識」として活用する視点が、現代の歯科医療には不可欠です 。 anesth.or(https://anesth.or.jp/files/pdf/practical_localanesthesia.pdf)
局所麻酔薬の分類と国家試験向けゴロ整理の参考資料。
局所麻酔薬の分類のゴロ合わせ(みーの医学)
| 条件 | 発現率の目安 |
| ---------------- | ------ |
| 投与初期・増量時(明確なせん妄) | 1〜3% |
| 軽度を含む場合 | 最大20% |
| 予後1ヵ月程度のがん患者 | 30〜50% |
| 予後数日〜数時間のがん患者 | 80%以上 |
| 比較項目 | ペンタゾシン | モルヒネ(参考) |
| ----- | --------------- | ------------- |
| 主な受容体 | κアゴニスト、μ弱拮抗 | μアゴニスト |
| 天井効果 | あり(30〜60mgで頭打ち) | なし(量に応じて効果増大) |
| 麻薬指定 | 非麻薬 | 麻薬 |
| 鎮痛力価 | モルヒネの約1/3 | 基準 |
| 依存性 | 弱い(発現しうる) | 強い |
| 呼吸抑制 | あり(天井効果で一定限度) | 量依存性に強い |
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