歯科助手資格の取り方と種類・おすすめ通信講座を徹底解説

歯科助手の資格は種類が多く、どれを選べばいいか迷っていませんか?本記事では、日本歯科医師会認定から通信講座まで取り方・費用・難易度を徹底解説します。

歯科助手の資格の取り方・種類とおすすめ通信講座

資格がなくても働ける歯科助手だからこそ、資格を持つスタッフは採用面接で平均2倍以上の通過率になります。


📋 この記事でわかること
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歯科助手に資格は必要なの?

歯科助手は無資格でも就業できますが、民間資格を取得することでキャリアアップや待遇改善につながります。

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主な資格の種類と取り方

日本歯科医師会認定(乙種・甲種)から通信講座で取れる民間資格まで、目的別に選び方を解説します。

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費用と学習期間の目安

通信講座は最短3ヶ月・約15,400円〜から取得可能。医院のニーズに合わせた資格選びのポイントも紹介します。


歯科助手の資格取り方の基本:国家資格と民間資格の違い


歯科助手は、国家資格がなくても働ける数少ない医療系職種です。これは歯科衛生士歯科技工士と根本的に異なる点です。歯科衛生士の場合は3〜4年の専門教育と国家試験合格が必須ですが、歯科助手にはそのような法的縛りがありません。


ただし、「無資格でもOK」という事実は、逆に言えば「知識を証明するものが何もない状態で採用される可能性もある」ということです。これが医院にとってはリスクにもなります。


実際、無資格の歯科助手が医療行為を行った事例では、歯科衛生士法違反として院長や役員が逮捕されたケースが複数報告されています。2021年に静岡県で起きた事例では、歯科助手ら8人が書類送検され、クリニック役員が逮捕されました。つまり問題が起きます。


だからこそ、資格取得を通じて「正しい業務範囲」を体系的に学んでおくことが、歯科助手本人にとっても、医院にとっても重要なのです。


民間資格とは、公益社団法人や民間団体が認定する資格を指します。国家資格ではありませんが、専門知識を証明するものとして採用担当者に好印象を与えます。民間資格は履歴書にも記載できます。大きく分けると、①日本歯科医師会が認定する資格(公的性格が強い)、②各民間団体が提供する検定・認定試験の2種類があります。




























種別 代表例 取得方法 難易度
国家資格 歯科衛生士・歯科技工士 専門学校3〜4年+国家試験
日本歯科医師会認定 乙種第一・乙種第二・甲種 都道府県歯科医師会の講習
民間資格(通信) 歯科助手実務者・歯科アシスタント検定 通信講座受講+在宅試験 低〜中


歯科助手の資格は「国家資格ではない」と敬遠されがちですが、民間資格でも業務知識の裏付けになります。つまり取得する価値は十分あります。


参考:公益社団法人日本歯科医師会の歯科助手資格認定制度について、種別・条件・認定の目的が詳しく解説されています。


公益社団法人日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度 – jda.or.jp


歯科助手の資格の取り方:日本歯科医師会認定3種類の詳細

公的性格が最も強い資格が、日本歯科医師会が認定する「歯科助手資格認定制度」です。乙種第二・乙種第一・甲種の3段階があり、それぞれ対応する業務範囲と訓練時間が異なります。これが基本です。


🔹 乙種第二(主に事務業務)


主に受付・会計・保険請求(レセプト)といった事務系業務を担当する人向けの資格です。一般教養や歯科臨床概論・社会保険・受付業務など11項目を、合計40時間の訓練で習得します。就業前の基礎知識として最初に取得しやすいレベルです。


🔹 乙種第一(主に診療室業務)


診療アシスタント業務を担う人向けです。一般教養・保守管理・消毒法・共同作業など11項目を52時間以上かけて習得します。器具の準備・バキューム操作・診療中のサポートなど、チェアサイドの実務に直結する知識が身につきます。


🔹 甲種(診療補助全般のリーダー格)


最も高いレベルの認定資格です。420時間以上の訓練(うち実習120時間を含む)が必要です。または「乙種第一資格の保有+3年以上の実務経験+補充研修の修了」という条件も設けられています。420時間というのは、フルタイムで約2〜3ヶ月に相当するボリュームです。


取得方法は、各都道府県の歯科医師会が主催する講習会への参加です。費用は実施機関によって異なりますが、講習内容に沿ったカリキュラムを修了することで認定を受けられます。試験形式ではなく、訓練修了が条件になっている点が特徴的です。在籍している医院から参加を推薦してもらうケースが多く、医院側の協力が得やすい資格です。


資格取得を検討している場合は、まず勤務先の都道府県歯科医師会に問い合わせて日程・費用を確認することが第一歩です。費用については実施機関ごとに設定されるため、一律の金額はありません。


歯科助手の資格の取り方:通信講座で取れる民間資格6選と費用比較

通信講座で取得できる歯科助手向けの民間資格は複数あります。自分のペースで学べる点と、在宅受験が多い点が大きなメリットです。費用も講座によって異なります。


以下に代表的な通信講座と資格をまとめました。


































通信講座 取得できる資格 受講料(税込) 標準学習期間
ユーキャン 歯科助手実務者(全国医療福祉教育協会認定) 39,000円 3ヶ月(最長6ヶ月)
キャリカレ 歯科助手資格(JADP認定) 29,800円〜(Web申込) 3ヶ月(最長8ヶ月)
ヒューマンアカデミー 歯科助手専門員(全国医療福祉教育協会認定) 49,500円 4ヶ月
ニチイ 歯科助手専修コース修了証 15,400円 2ヶ月


最も手頃なのはニチイの15,400円で、2ヶ月で修了できます。15,400円というのは一般的なスポーツジムの月会費2〜3ヶ月分ほどの投資で、歯科の専門知識を体系的に習得できる計算です。


ユーキャンは知名度が高く、テキストのわかりやすさに定評があります。3ヶ月の標準学習期間で、添削3回・質問1日3回という手厚いサポートが受けられます。


キャリカレはWeb申込キャンペーンで最安クラスになることが多く、動画解説が充実している点が強みです。レセプト業務の学習に特に強みがあるとされています。


独学での取得も可能ですが、歯科専門用語や保険点数の体系的な理解は、テキストなしだとかなり難しいのが正直なところです。通信講座の方が効率が良いと言えます。


参考:歯科助手の通信講座の特徴・費用・対応資格を複数の主要講座で比較して解説しています。


【2026年最新】歯科助手の通信講座のおすすめランキング – gooschool.jp


歯科助手の資格取り方:目的別・おすすめ資格の選び方

歯科助手が取得できる資格は複数あるため、何を目指すかによって選ぶべき資格が変わります。目的を明確にすることが重要です。


以下のように、目的に応じて資格を絞り込むと選びやすくなります。


✅ 診療アシスタントのスキルを高めたい場合


診療室業務に特化したいなら、日本歯科医師会認定の「乙種第一」が最適です。52時間の訓練を通じて、器具の準備・消毒・診療補助の基礎を系統立てて学べます。また、全国医療技能検定協議会の「歯科アシスタント検定(3〜1級)」も選択肢です。3級は70%の正答率で合格できるため、入門として取り組みやすい資格です。


✅ 受付・レセプト業務を担いたい場合


日本歯科医師会認定「乙種第二」またはユーキャンの「歯科助手実務者」がおすすめです。保険点数や診療報酬明細書(レセプト)の基礎知識を学べるため、受付担当者として即戦力性を高められます。


✅ カウンセリングや自由診療に関わりたい場合


日本歯科TC協会の「トリートメントコーディネーター®(TC)」が選ばれています。コミュニケーション・コーチング・治療・予防・チーム医療・経営参画という6つのCをカバーする内容で、歯科医師が治療に集中できる環境を作る人材を育てる資格です。


✅ 感染管理・衛生管理の担当者になりたい場合


NPO法人JAOS感染推進委員会の「歯科感染管理者(第二種・第一種)」が対応しています。患者だけでなく、スタッフ自身を守る感染リスク管理を体系的に学べます。感染対策への意識が高い医院では採用時の評価ポイントになります。


✅ 矯正治療の相談対応ができるようになりたい場合


日本成人矯正歯科学会の「歯並びコーディネーター®」は、約5時間の研修と50分程度の選択式試験で取得できます。これは使えそうです。矯正を扱う歯科医院での価値が高まります。


どの資格も「何のためにそのスキルが必要か」を医院側と事前にすり合わせた上で取得するのが、最も効果的な進め方です。


【見落とし注意】歯科助手の資格取り方で「医療行為の境界線」を知らないと起きるリスク

資格の取り方を検討するとき、多くの人が見落としがちな重要な視点があります。それは「資格の有無にかかわらず、歯科助手ができる業務には法的な制限がある」という点です。


歯科衛生士法・歯科医師法により、以下の行為は歯科助手が行うことができません。


- 📛 歯石除去・ブラッシング指導(保健指導)
- 📛 レントゲン撮影
- 📛 麻酔注射・抜歯・削合
- 📛 印象採得(歯型取り)
- 📛 詰め物・被せ物の装着


違反した場合の罰則は重く、歯科衛生士法第14条では「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、もしくはその併科」と規定されています。医院の院長も管理責任を問われます。厳しいところですね。


実際に2021年静岡のケース、2019年愛知のケースなど、歯科助手が歯石除去などの衛生士業務を行ったとして関係者が逮捕・書類送検された事例が複数あります。これらはすべて、法的な業務範囲を正しく理解していれば防げたトラブルです。


通信講座や認定資格のカリキュラムの中には、こうした「業務の境界線」を体系的に学べる内容が含まれています。資格を取ることの価値の一つは、「やってよいこと・いけないこと」を明確に知ること自体にあります。これが条件です。


現場で「頼まれたからやった」では法的に守られません。正式な知識を持ったうえで断れる立場を作ることが、歯科助手として長く安全に働くための大前提です。医院側も、資格を持つスタッフに対して不適切な指示を出しにくくなるというメリットがあります。


参考:歯科助手が訴えられたケースと、違法行為を頼まれた場合の対処法が具体的に解説されています。


歯科助手が訴えられたケースは?違法行為を頼まれた場合の対処法 – karu-keru.com


歯科助手が資格を取得することで医院全体が得るメリットと活用法

歯科助手の資格取得は、スタッフ個人のキャリアアップにとどまらず、歯科医院の経営改善にも直結します。この視点は現場の院長・スタッフマネジメントを担う人に特に知っておいてほしい内容です。


歯科助手の昇給額は経験年数・役割によって年2,000〜4,000円程度が一般的ですが、受付業務やシフト管理を兼ねたり、TC(トリートメントコーディネーター)としてカウンセリングを担当するなど、役割が広がると昇給幅が大きくなる傾向があります。資格取得はそのための裏付けになります。


資格を持つ歯科助手が医院にもたらすメリットは大きく4点です。


- 🏥 正しい知識の定着:外部のプロに教育を委託できるため、多忙な院長・先輩スタッフへの教育負担が軽減されます。


- 📈 モチベーション向上:資格取得という目標を持つことで、長期的なスタッフ定着率が改善されます。


- 🦷 任せられる仕事の拡大:TCやカウンセリング担当として活躍できれば、院長が診療に集中できる時間が増えます。


- ⭐ 医院の質向上:接遇・衛生管理・感染対策のスキルが高まることで、患者満足度の向上とリコール率の改善につながります。


日々の診療をこなしながら「歯科助手に資格があるなんて知らなかった」というスタッフも少なくありません。院長から積極的に資格の情報を共有・推薦することで、スタッフのやる気と医院のパフォーマンスを同時に引き上げることができます。いいことですね。


資格取得費用の補助制度を設ける医院も増えており、講習会費用や通信講座の受講料を医院負担とするケースもあります。スタッフへの投資として、費用対効果の高い取り組みと言えます。まずは「どんな資格があるか」をスタッフと一緒に確認することから始めてみましょう。


参考:歯科助手に資格取得を促すことで医院に得られるメリットと、目的別の資格選び方を解説しています。


【目的別】歯科助手が取れるおすすめ資格8選|資格取得のメリットも解説 – dental.naruhodo-jinji.com




新人歯科衛生士・歯科助手ポケットマニュアル 第2版