PLIのスコア1は「肉眼では確認できないが、探針を走らせると付着が確認できるレベル」です。これは見落としやすく、臨床では意外な落とし穴になります。 ne(https://www.ne.jp/asahi/fumi/dental/perio2/index/hygiene.html)

PLI(Plaque Index)は1964年にSilnessとLöeによって提唱された、歯肉辺縁部のプラーク付着量を定量的に評価するための指数です。 口腔清掃指導(OHI)の効果測定や歯周基本治療の前後評価に日常的に使われています。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/clinical_examination/18801)
各歯を近心・遠心・頬(唇)側・舌側の4面に分けてスコアリングし、1歯あたりの平均値を算出します。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/clinical_examination/18801)
スコアの判定基準は以下のとおりです。
スコア1は「見えないプラーク」です。 ここを0と誤認するケースが現場では起こりやすく、個人PLI値を過小評価する原因になります。 ne(https://www.ne.jp/asahi/fumi/dental/perio2/index/hygiene.html)
修復物・歯石表面・クラウン上のプラークも評価対象に含まれる点が重要です。 ただし、歯頸部1/3以外の部位に付着したプラークは評価対象外となるため、スコア判定の範囲を明確に意識する必要があります。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=X823pfU-RKA)
計算式は「1歯あたりのPLI = 4面のスコア合計 ÷ 4」、「個人のPLI = 全被検歯のPLI合計 ÷ 被検歯数」となります。最小値は0、最高値は3です。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=X823pfU-RKA)
歯周疾患の疫学:口腔清掃状態を評価するインデックス一覧(PLI・OHI・OHI-S 比較掲載)
PLIの診査対象歯は、上顎右側6・上顎右側2・上顎左側4・下顎左側6・下顎左側2・下顎右側4の計6本です。 これはRamfjord歯(RCI指数歯)とも一部重なりますが、OHI-S(Greene & Vermillion)の対象歯とは選定基準が異なります。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/clinical_examination/18801)
OHI-SとPLIで同じ歯種が含まれる場合もありますが、全て一致しているわけではありません。 国家試験でも頻出の比較問題ですが、現場の臨床記録では混同が起きやすい箇所です。 dhgakusei.shikakara(https://dhgakusei.shikakara.jp/archives/3265/)
以下の表でPLIとOHI-Sの主な違いをまとめます。
| 比較項目 | PLI(Silness & Löe) | OHI-S(Greene & Vermillion) |
|---|---|---|
| 診査対象歯数 | 6本 | 6歯群(6セグメント) |
| 評価内容 | プラーク付着量のみ | プラーク(DI)+歯石(CI) |
| スコア範囲 | 0〜3(1歯・個人ともに) | OHI最高12点(DI+CI各0〜3) |
| GIとの関係 | GIと併用が一般的 | 単独または他指数と組み合わせ |
| 評価着目部位 | 歯頸部1/3に限定 | 歯冠の1/3・2/3・2/3以上で分類 |
つまり、目的と評価範囲が根本的に異なります。 PLIは「歯肉辺縁のプラーク量」に焦点を当てた精密評価に向いており、OHI-Sは疫学調査などの集団スクリーニングに向いています。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s3/BK06885.pdf)
患者への説明に使う際は、PLIとPCR(PlaquControl Record)の違いも意識すると説得力が増します。
PLIとGI(Gingival Index)を1964年頃から用いた「実験的歯肉炎」の研究では、口腔清掃を停止するとPLIが上昇し、それに遅れて歯肉炎(GI上昇)が発症することが確認されました。 さらに、プラーク除去によってGIが改善することも示されており、プラーク管理の臨床的根拠はここに集約されています。 gakkenshoin.co(http://www.gakkenshoin.co.jp/book/ISBN978-4-7624-4146-2/058-059.pdf)
PLI値が上昇しても、GIが即座に変化するわけではありません。 炎症反応には数日〜数週間のタイムラグがあるためです。 gakkenshoin.co(http://www.gakkenshoin.co.jp/book/ISBN978-4-7624-4146-2/058-059.pdf)
これは臨床的に重要なポイントです。患者がPLIの改善を示していても、GIの値が遅れて低下するケースがあるため、「PLIが下がったのに歯肉が引き締まらない」という状況が一時的に生じます。患者への説明時に「プラーク除去と歯肉回復には時間差がある」と伝えることで、モチベーションの維持につながります。
🦷 PLIとGIはセットで記録するのが基本です。
近年ではPISA(Periodontal Inflamed Surface Area)という指標も注目されており、PLIとGIの組み合わせでは見えにくい「炎症の面積的な広がり」を数値化できます。 歯周炎患者では血中IL-6との有意な正の相関も報告されており、全身状態との関連を患者に説明する際の補助資料として活用できます。 perio(https://www.perio.jp/member/news/organization/organization/medical/6631.shtml)
日本歯周病学会:歯周炎の炎症を面積で表す「PISA」の解説ページ
PLIの目標値について、臨床現場では「PLI ≒ 0を目指す」という意識が持たれがちですが、現実的には個人差が大きく、患者ごとの改善幅で評価することが重要です。
プラークスコア全体の参考として、PCRでは20%以下が望ましい水準とされています。 初診患者では60〜70%程度のプラーク残存率が一般的とも言われており、50%以上の患者が多数を占めます。 note(https://note.com/net_dental_univ/n/ne55e40ebeefc)
PLI値についても同様のアプローチが必要です。
プラークスコアが30%以上になると歯肉に腫れが出やすい状態になるとの報告もあります。 これを患者へのフィードバックに活用すると、数字が「自分ごと」として響きやすくなります。 note(https://note.com/net_dental_univ/n/ne55e40ebeefc)
改善しない場合の対策として、自己流ブラッシングの見直しと歯科衛生士による個別指導が有効です。 ブラッシング圧・角度・時間のどれが問題かを絞り込んでから再評価すると、次回のPLI変化が明確になります。 dent-hasegawa(https://dent-hasegawa.com/blog/1124/)
これが基本です。 PLI値の変化は「指導の成果を数値で見せる」手段にもなります。
PLIは単回の測定よりも、経時的な変化を追うことで初めて真の臨床価値を発揮します。これは意外と見落とされがちな視点です。
多くの現場では、PLI値を毎回記録していても「数字の羅列」として扱うだけで、患者との共有に使えていないケースが少なくありません。
改善策として、以下のような運用が効果的です。
継続記録が患者のモチベーション維持に直結します。 歯科衛生士が「あなたの苦手な面」を具体的に伝えることで、ブラッシング指導の精度が上がります。 dent-hasegawa(https://dent-hasegawa.com/blog/1124/)
インプラント症例では通常のPLIは適用できず、mPlI(改良型プラーク指数) を使用することが推奨されています。 mPlIはScore 0〜3で評価し、インプラント周囲炎のリスク管理に特化した指数です。インプラント患者を担当する際は、PLIとmPlIを使い分ける判断力が求められます。 dental-diamond.co(https://www.dental-diamond.co.jp/sinkan/peri-implant_disease/ebook/pageindices/index7.html)
💡 インプラントにはmPlIが必要です。
定期的なPLI記録の蓄積は、歯科衛生士の臨床技術の証明にもなります。カルテデータを振り返ったとき、特定のブラッシング指導法の前後でPLI値がどう変化したかを確認できれば、それ自体が実践的なエビデンスになります。自院のプロトコル改善や後輩指導にも活用できる、継続記録の習慣を今日から取り入れてみてください。
ネット歯科大:PCR・PLIの良好基準値と患者指導への応用についての解説記事
デンタルダイヤモンド:インプラント周囲疾患とmPlI(改良型プラーク指数)の評価基準

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