在宅歯科医療と介護保険の正しい算定で収益を守る方法

在宅歯科医療で介護保険をどう活用すれば算定漏れや返還リスクを防げるのか?居宅療養管理指導の仕組みから保険請求の基本まで、歯科医従事者が知るべきポイントを徹底解説します。

在宅歯科医療と介護保険の仕組みと算定の基本

要介護認定を受けていても、訪問先の種別によっては介護保険が使えず医療保険のみになるため、確認せずに請求すると返還命令が届きます。


🦷 この記事の3つのポイント
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医療保険と介護保険の使い分け

訪問先の施設区分によって算定する保険が変わります。居宅・居住系施設は介護保険、入院・入所中は医療保険が原則です。

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居宅療養管理指導の単位数と算定回数

歯科医師は月2回・最大516単位、歯科衛生士は月4回・最大361単位まで算定可能。ケアプランの支給限度額外なので調整不要です。

⚠️
算定ミスが起きやすい落とし穴

等しく要介護認定を受けていても、短期入所・病院への一時入院中は介護保険が適用外となるケースがあります。


在宅歯科医療で介護保険が適用される基本条件


在宅歯科医療で介護保険を使うには、患者が要支援または要介護認定を受けていることが大前提です。 しかしそれだけでは不十分で、「訪問先がどこか」という視点が算定の正誤を分けます。 sakura-houmonbu(https://sakura-houmonbu.jp/fee/insurance/)


居宅(自宅)や特定施設入居者生活介護・グループホームなど居住系施設に訪問した場合は介護保険が適用されます。 一方、病院に一時入院している患者や、医師が配置され医療が提供されている施設(介護老人保健施設など)では、介護保険ではなく医療保険で算定します。 「要介護認定 = 常に介護保険」という思い込みは危険です。 net-dental.co(https://net-dental.co.jp/dn_dental_post/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E8%A8%AA%E5%95%8F%E8%A8%BA%E7%99%82%E7%AE%97%E5%AE%9A%E6%96%B9%E6%B3%95%E7%90%86%E8%A7%A3-%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E3%81%9D%E3%81%AE1%EF%BC%88%E5%8C%BB%E7%99%82%E4%BF%9D%E9%99%BA%E3%81%AE/)


訪問先の種別 適用保険 主な算定項目
居宅(自宅)・居住系施設 🟢 介護保険優先 居宅療養管理指導費
介護老人保健施設・病院 🔴 医療保険のみ 歯科訪問診療料
介護保険未認定者(在宅) 🔵 医療保険のみ 歯科訪問診療料
40歳未満の障がい者(在宅) 🔵 医療保険のみ 歯科訪問診療料


確認の手順は1つだけです。まず「介護保険被保険者かどうか」を確認し、次に「訪問先の施設区分」を把握する、この2ステップを初診前に必ず行いましょう。 介護保険証と介護保険負担割合証の確認が条件です。 sakura-houmonbu(https://sakura-houmonbu.jp/fee/insurance/)


在宅歯科医療における居宅療養管理指導の算定単位数と回数制限

居宅療養管理指導は、診療行為本体(歯科訪問診療料)とは別に、介護保険から算定できる指導管理サービスです。 これが大きなメリットです。 sikaousin(https://sikaousin.com/kaigo.html)


算定上限は歯科医師が月2回まで、歯科衛生士が月4回までとなっています。 2024年度の介護報酬改定で単位数が1単位引き上げられており、2024年6月以降の単位数は以下の通りです。 kaigokeiei(https://kaigokeiei.com/news/82fr9m69e0/)


  • 🦷 歯科医師(単一建物1人):516単位/回
  • 🦷 歯科医師(単一建物2〜9人):486単位/回
  • 🦷 歯科医師(上記以外):440単位/回
  • 🦷 歯科衛生士(単一建物1人):361単位/回・20分以上の実施が必須
  • 🦷 歯科衛生士(単一建物2〜9人):325単位/回


1単位はおよそ10〜11円換算(地域差あり)です。歯科医師が1人の自宅患者に月2回訪問し居宅療養管理指導を算定した場合、介護保険から1か月に約11,000〜12,000円程度の費用が発生する計算になります。 患者の自己負担は1〜3割で、残りが保険者から事業所(歯科医院)に支払われます。 ortc(https://ortc.jp/movie/visitingdentistry/rd-home-care-reimbursement-rules)


重要なのは、居宅療養管理指導はケアプランの区分支給限度額の管理対象外である点です。 つまり、他の介護サービスをすでに上限まで使い切っている患者でも、歯科の居宅療養管理指導は別枠で算定できます。ケアプランを組み直す必要がないということです。 sikaousin(https://sikaousin.com/kaigo.html)


ケアマネージャーへは文書による情報提供が算定要件として求められているため、書面の準備を忘れないようにしましょう。 dental.funaisoken.co(https://dental.funaisoken.co.jp/%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E3%81%AE%E5%A7%8B%E3%82%81%E6%96%B9%EF%BC%81%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E7%9F%A5%E8%AD%98%EF%BC%90%E3%81%AE%E6%96%B9%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%81/)


在宅歯科医療の介護保険算定で見落としやすい「訪問衛生指導」の落とし穴

訪問口腔衛生指導料(訪衛指)の算定には、見落とされやすい重要なルールがあります。介護保険の要介護・要支援認定を受けた在宅患者に対しては、医療保険の訪衛指は算定不可です。 この点で誤りが生じやすいです。 hodanren.doc-net.or(https://hodanren.doc-net.or.jp/books/20kaitei/sig/211029sika_homon.pdf)


要介護者に対する口腔ケアや訪問口腔衛生指導は、介護保険の居宅療養管理指導(歯科衛生士算定分)で対応することになります。言い換えると、医療保険の訪衛指と介護保険の居宅療養管理指導は同一患者に重複算定できません。 つまり2重請求は厳禁です。 dental.funaisoken.co(https://dental.funaisoken.co.jp/%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E3%81%AE%E5%A7%8B%E3%82%81%E6%96%B9%EF%BC%81%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E7%9F%A5%E8%AD%98%EF%BC%90%E3%81%AE%E6%96%B9%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%81/)


また、歯科衛生士による居宅療養管理指導は「20分以上の実施」が必須要件となっています。 訪問時間が19分59秒では算定できないため、実施時間の記録を診療録に明記しておくことが求められます。加えて、初診日は算定不可という制限もあります。 初日から算定できると思い込んでいる場合は要注意です。 dental.funaisoken.co(https://dental.funaisoken.co.jp/%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E3%81%AE%E5%A7%8B%E3%82%81%E6%96%B9%EF%BC%81%E8%A8%AA%E5%95%8F%E6%AD%AF%E7%A7%91%E7%9F%A5%E8%AD%98%EF%BC%90%E3%81%AE%E6%96%B9%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%81/)


なお、末期の悪性腫瘍など緩和ケアを受けている患者については、歯科衛生士による居宅療養管理指導の算定上限が通常の月4回から月6回に拡大されています。 対象患者がいる場合は積極的に活用できる制度です。 sikaousin(https://sikaousin.com/kaigo.html)


在宅歯科医療における「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」の届出と算定上の優位性

在宅療養支援歯科診療所(通称:歯援診)は、厚生局への届出によって取得できる施設基準で、在宅歯科医療の算定点数に大きく関わります。 算定項目が増えます。 identali.or(https://www.identali.or.jp/registered/registered02.html)


歯援診の届出には、届出前1年間の歯科訪問診療実績が18回以上あることが基本要件です。 さらに以下の要件も求められます。 identali.or(https://www.identali.or.jp/registered/registered02.html)


  • 📋 地域ケア会議や多職種連携会議へ年1回以上の出席
  • 📋 病院・介護保険施設職員への口腔管理に関する技術的助言や研修の実績
  • 📋 在宅医療に係る経験を有する歯科医師の配置
  • 📋 必要な機器の整備(施設基準に規定された機器一覧の準備)


歯援診を取得すると算定できる加算が増え、診療報酬上の評価が高くなります。 2024年度の診療報酬改定でも在宅歯科医療の推進を目的とした評価体系の整備が行われており、訪問診療件数が一定数以上ある医院にとっては届出のメリットが大きいです。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000127vk-att/2r98520000012829.pdf)


届出は地方厚生局に対して行い、届出月の末日までに審査が完了すれば、翌月1日から算定可能になります。 手続きに時間がかかることを見越して、余裕をもって準備するのが賢明です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001293315.pdf)


参考:在宅療養支援歯科診療所の施設基準届出については厚生局の様式を確認してください。


中国四国厚生局:在宅療養支援歯科診療所1の施設基準に係る届出様式(PDF)


在宅歯科医療で介護保険を正しく請求するための訪問先確認フローと実務ポイント

請求ミスを防ぐ最大のコツは、初診前の「確認フロー」を院内で標準化することです。これが基本です。


  • ✅ ステップ1:患者の年齢と介護保険被保険者証を確認(65歳以上か、40〜64歳で特定疾病に該当するか)
  • ✅ ステップ2:訪問先の施設区分を特定(居宅か、施設系か、一時入所・入院中か)
  • ✅ ステップ3:介護保険か医療保険か、または両方の組み合わせかを判断
  • ✅ ステップ4:歯科訪問診療料(医療保険)と居宅療養管理指導(介護保険)のそれぞれの算定要件を確認
  • ✅ ステップ5:ケアマネージャーへの文書提供の準備(居宅療養管理指導算定時は必須)


歯科訪問診療の場合、歯科医院から半径16kmを超えた訪問は原則として保険給付の対象外となります。 遠方の患者への訪問は注意が必要です。 jm-academy(https://jm-academy.jp/contents/columns/3jinn_s6x54)


また、特別の関係にある保険医療機関等(同一法人の施設など)への訪問診療では、算定できる項目数に制限が設けられています。 自院と関連のある施設に訪問する際は、事前に算定可能な項目を確認してください。 houmonshika(https://www.houmonshika.org/dental/labo8/)


訪問歯科にこれから取り組む医院向けに、実務フローを体系的に学べるコンサルティングサービスや研修プログラムも存在します。 算定漏れや返還リスクを最小化するためにも、専門家への相談を検討する価値があります。 net-dental.co(https://net-dental.co.jp/dn_dental_post/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E8%A8%AA%E5%95%8F%E8%A8%BA%E7%99%82%E7%AE%97%E5%AE%9A%E6%96%B9%E6%B3%95%E7%90%86%E8%A7%A3-%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E3%81%9D%E3%81%AE1%EF%BC%88%E5%8C%BB%E7%99%82%E4%BF%9D%E9%99%BA%E3%81%AE/)


参考:訪問歯科の保険請求と算定方法の詳細は以下が参考になります。


訪問歯科診療コンサルタントが解説:歯科訪問診療算定方法の基礎(医療保険のみ請求)


参考:居宅療養管理指導の算定要件と単位数の最新情報(2024年改定対応)はこちら。


【2024年改定対応】居宅療養管理指導の基本報酬の単位数(点数)や加算一覧


以下が記事です。






小児在宅歯科医療の手引き 第2版 [ 公益社団法人日本障害者歯科学会 ]