初期費用が最も高いTRIOSが、6年間の総コストでは競合機種より最も安くなることが3Shape社の試算で明らかになっています。
TRIOSは、1秒間に最大2,400枚の画像を撮影・合成することで、口腔内の立体形状をリアルタイムに3Dデータ化する口腔内スキャナー(IOS)です。 デンマークの3Shape社が開発し、現在では世界中の歯科医院で導入が進んでいます。 3shape(https://www.3shape.com/ja/scanners/trios)
従来のアルジネートやシリコン印象材を使った型取りと根本的に異なる点は、「患者の口腔内に硬化材料を入れない」ことです。 粘土状の印象材を口に詰めて数分間待つ工程がなくなるため、嘔吐反射が強い患者や小児患者への対応がしやすくなります。これは大きな変化です。 cocoro-dental-clinic(https://cocoro-dental-clinic.com/trios3dscanner/)
デジタル印象の精度についても、複数の比較研究で従来法と同等かそれ以上であることが確認されています。 学術論文では、TRIOSが部分欠損モデルで真度20.6µmを記録し、iTero(31.7µm)、True Definitionを上回る結果が報告されています。 つまり精度面では従来法に引けを取りません。 hotetsu(https://www.hotetsu.com/files/202301_1501/010.pdf)
一方で注意すべき点もあります。フルアーチスキャン(全顎の型取り)では、スキャン範囲が広がるにつれてデータの誤差が蓄積しやすいという特性があります。 インプラントの複数歯欠損症例への適用は、現時点では単独歯欠損ほど精度が安定しないとする研究もあるため、症例選択には注意が必要です。 iwatemed.repo.nii.ac(https://iwatemed.repo.nii.ac.jp/record/8858/files/DK00325y.pdf)
「スキャン精度が高いほど補綴物の調整時間が短くなる」という効果は、臨床現場で広く実感されています。 患者の椅子上での調整時間が減れば、1日に対応できる患者数が増えるという実際のメリットにつながります。精度が臨床効率に直結するということです。 3tei(https://3tei.jp/news/TWqFFgAx)
この「初期費用が高い=コストが高い」という思い込みが、導入を踏みとどまる大きな原因の一つになっています。長期視点での投資判断が重要です。
3Shape公式:口腔内スキャナーの費用と6年間総コスト比較(日本語)
TRIOSシリーズには現在、「TRIOS Core」「TRIOS 3」「TRIOS 5」の3モデルが展開されています。 それぞれの位置づけと主なスペックを整理すると、以下のようになります。 3shape(https://www.3shape.com/ja/scanners/trios)
| モデル | 画像撮影数(毎秒) | 主な特徴 | 推奨用途 |
|---|---|---|---|
| TRIOS Core | 1,400以上 | USB-C接続、コンパクト、低コスト | デジタル導入初期・補綴メイン |
| TRIOS 3 | 1,875 | リアルカラー、患者説明アプリ搭載 | 矯正・補綴・患者コミュニケーション重視 |
| TRIOS 5 | 2,400 | ワイヤレス、超軽量・小型化、AIスキャン2.0 | 複数診療室・ハイボリューム医院 |
TRIOS 5の大きな特徴は「TRIOS Share」機能です。 Wi-Fi経由で1台のスキャナーを複数の診療室のPCから共有使用できるため、診療室ごとにスキャナーを購入する必要がありません。3診療室を持つ医院でも、スキャナー1台で全室をカバーできる設計になっています。 これは費用対効果を劇的に改善する可能性があります。 forest-one.co(https://www.forest-one.co.jp/trios/)
TRIOS 5はポッドが従来比10%小型化・30%軽量化されており、USB-C接続で電源ケーブルが不要になっています。 長時間の使用でも術者の手への負担が軽減されます。本体重量やグリップ感が操作精度に影響することは、現場では意外に見落とされがちです。 straumann(https://www.straumann.com/jp/ja/dental-professionals/digital/equipment/io-scanners/3shape-trios.html)
TRIOS 3は世界中で最も多くの歯科医師に選ばれてきたベストセラーモデルです。 実績と安定性、そして充実したサポート体制を重視するならTRIOS 3が依然として有力な選択肢になります。 3shape(https://www.3shape.com/ja/scanners/trios-3)
TRIOSを最大限に活用するためには、付属ワークフローエンジンである「3Shape Unite」の理解が欠かせません。 スキャンしたデータをそのまま補綴設計に使ったり、25,000以上のラボや100以上のパートナーに直接送信したりできる仕組みが整っています。 3shape(https://www.3shape.com/ja/scanners/trios)
また、デンツプライシロナのCAD/CAMデバイスとの連携により、院内での補綴物製作(インハウスミリング)にも対応しています。 インレー・クラウンのチェアサイドでの即日修復も、TRIOSと院内CAD/CAM機器の組み合わせで現実的な運用が可能です。 seminar.shofu.co(https://seminar.shofu.co.jp/item/167/detail)
3Shape Uniteのアプリストアには多様な連携オプションが用意されていますが、機能によっては追加ライセンス費用が発生します。 たとえばう蝕検知機能など付加的なソフトウェアは別途有料となるため、必要な機能を事前に整理してからライセンス構成を決めることが重要です。ライセンス費用まで含めた総コスト管理が原則です。 fordynet.fordy(https://fordynet.fordy.jp/storage/products/20230301121013.pdf)
松風・TRIOSオンラインセミナー:即日修復診療ワークフローの実際(歯科従事者向け)
デジタルスキャンの導入を「精度向上ツール」としか見ていないと、最も大きなビジネス的メリットを見落とします。これは意外な盲点です。
TRIOSには、スキャン直後にリアルカラーの3D口腔内データを患者に見せる「患者説明アプリ」が搭載されています。 従来の型取りでは患者自身が自分の歯の状態を視覚的に理解する機会は、ほぼありませんでした。しかしスキャンデータを使った説明では、患者が問題箇所を自分の目で確認できるため、治療の必要性を自分ごとで理解しやすくなります。 takara-dental(https://www.takara-dental.jp/product/929/)
さらに、嘔吐反射が強くて従来の型取りを受け入れられなかった患者が、スキャン方式であれば通院を続けられるというケースも報告されています。 こうした患者を取り込める医院と取り込めない医院では、長期的な患者数に差が生じてくる可能性があります。これは使えそうな視点です。 airi-dental(https://www.airi-dental.com/trios/)
患者体験の改善がそのまま医院の売上と口コミに反映されるという構造は、口腔内スキャナーを「臨床機器」としてだけではなく「患者満足度向上ツール」として評価する視点を持つことで、より明確に見えてきます。 デジタル印象の普及率が上がるほど、未導入医院との差別化要素としての価値も高まります。導入の是非は、患者満足度という軸でも検討する価値があります。 3shape(https://www.3shape.com/ja/start-scanning/treatment-quality)
3Shape公式:デジタル印象が治療品質と患者満足に与える影響(日本語)