シリコン印象材 歯科で精密印象を実現する使い分けと注意点

シリコン印象材は歯科診療で高精度な印象採得に欠かせない材料ですが、種類の使い分けやコスト、失敗を防ぐテクニックなど押さえるべきポイントが多数あります。保険診療での採算性や気泡対策、硬化阻害の原因まで、臨床で本当に役立つ知識を網羅的に解説していますが、あなたは正しく使いこなせていますか?

シリコン印象材 歯科における選択と運用

保険でシリコン印象材を使うと年間22万円の赤字になる


この記事の3ポイント要約
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保険診療でのコスト問題

シリコン印象材を保険診療で使用すると年間約22万円の赤字となり、採算性が大きな課題となります

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付加型と縮合型の違い

付加型シリコーンは寸法安定性に優れ、縮合型はアルコールを放出するため精度が劣ります

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硬化阻害の注意点

ラテックスグローブとの接触により硬化不良が発生するため、ニトリルグローブの使用が必須です


シリコン印象材の種類と基本特性


シリコン印象材は歯科臨床において最も精度の高い印象採得を可能にする材料として広く認識されています。この印象材は主に付加型(ビニルシリコーン)と縮合型の2種類に大別され、それぞれ異なる化学反応によって硬化します。


付加型シリコーン印象材は、硬化時に副産物をほとんど放出しないという特徴があります。これが何を意味するかというと、硬化後の寸法変化が極めて少なく、印象採得後1週間程度放置しても形状が安定しているということです。たとえば、通常の室温環境下で保管した場合、寸法変化率は0.1%以下に抑えられます。これは1cm幅の印象であれば10ミクロン(髪の毛の太さ程度)以下の変化しか起きないという意味です。


一方、縮合型シリコーン印象材は硬化時にアルコールを放出するため、経時的な寸法変化が避けられません。1日放置すると自由収縮率が0.4〜0.6%に達することもあり、精密補綴には不向きとされています。


つまり縮合型は不利です。


現在の歯科臨床では、ほとんどの医院が付加型シリコーン印象材を採用しています。付加型には永久ひずみが最小で、寸法安定性が高く、精密印象に最適という3つの大きなメリットがあるからです。


GC社の歯科材料ハンドブックには、付加型と縮合型の寸法安定性の違いが詳細に記載されています


シリコン印象材の稠度と使い分け

シリコン印象材は粘度(稠度)によって複数のタイプに分類され、症例や術式に応じて使い分けることが臨床成功の鍵となります。一般的にはJIS規格でType0からType3まで4段階に分類されており、数字が小さいほど硬く、大きいほど流動性が高くなります。


Type0のパテタイプは最も硬く、トレーに盛る材料として使用されます。このタイプは口腔内で十分な圧力をかけることができ、印象全体の骨格を形成します。




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