保険でシリコン印象材を使うと年間22万円の赤字になる
シリコン印象材は歯科臨床において最も精度の高い印象採得を可能にする材料として広く認識されています。この印象材は主に付加型(ビニルシリコーン)と縮合型の2種類に大別され、それぞれ異なる化学反応によって硬化します。
付加型シリコーン印象材は、硬化時に副産物をほとんど放出しないという特徴があります。これが何を意味するかというと、硬化後の寸法変化が極めて少なく、印象採得後1週間程度放置しても形状が安定しているということです。たとえば、通常の室温環境下で保管した場合、寸法変化率は0.1%以下に抑えられます。これは1cm幅の印象であれば10ミクロン(髪の毛の太さ程度)以下の変化しか起きないという意味です。
一方、縮合型シリコーン印象材は硬化時にアルコールを放出するため、経時的な寸法変化が避けられません。1日放置すると自由収縮率が0.4〜0.6%に達することもあり、精密補綴には不向きとされています。
つまり縮合型は不利です。
現在の歯科臨床では、ほとんどの医院が付加型シリコーン印象材を採用しています。付加型には永久ひずみが最小で、寸法安定性が高く、精密印象に最適という3つの大きなメリットがあるからです。
GC社の歯科材料ハンドブックには、付加型と縮合型の寸法安定性の違いが詳細に記載されています
シリコン印象材は粘度(稠度)によって複数のタイプに分類され、症例や術式に応じて使い分けることが臨床成功の鍵となります。一般的にはJIS規格でType0からType3まで4段階に分類されており、数字が小さいほど硬く、大きいほど流動性が高くなります。
Type0のパテタイプは最も硬く、トレーに盛る材料として使用されます。このタイプは口腔内で十分な圧力をかけることができ、印象全体の骨格を形成します。