喉の診察をしても異常なしと判断した患者が、実は淋菌を保有していて院内感染源になることがあります。
淋菌咽頭炎の最大の特徴は、約90%の感染者が無症状という点です。 風邪と思って放置しがちなのも当然で、症状が出る場合でものどの痛み・違和感・軽度の発熱・扁桃腺の腫れにとどまることがほとんどです。 ashiya-womens(https://ashiya-womens.com/blog/%E6%80%A7%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8/%E3%81%AE%E3%81%A9%E3%81%AE%E4%B8%8D%E8%AA%BF%E3%81%8C%E6%B2%BB%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%9F%E6%B7%8B%E8%8F%8C%E6%80%A7%E5%92%BD%E9%A0%AD%E7%82%8E%E3%81%8B%E3%82%82%E3%81%97%E3%82%8C%E3%81%BE/)
つまり、見た目も普通の患者が感染源になっています。
歯科の診療チェアに座った患者が「少しのどが痛い」と言っても、多くの歯科従事者は風邪由来の咽頭炎として処理するでしょう。しかし、のどの淋菌感染では外見上の粘膜異常が出ないことが多く、発赤・腫脹すら確認できないケースが報告されています。 見た目だけでは判断できない、という前提で動くことが基本です。 koku-naika(https://www.koku-naika.com/p2321oralmucosaldisease.html)
潜伏期間は感染から2〜7日とされています。 この期間中は症状が出ないまま他者への感染源となるため、問診だけで安全確認するのは困難です。無症状でも感染能力があるということですね。 sakura-medical-clinic(https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/)
参考:咽頭淋菌の詳細な症状と検査方法について(名古屋栄クリニック)
https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/
淋菌が咽頭に到達する主な経路は、オーラルセックスおよびディープキスです。 歯科とは一見無関係に見えますが、問題は処置前の感染状態の把握にあります。感染した咽頭粘膜に直接触れる歯科処置(印象採得・口腔内診査・スケーリングなど)では、術者への飛沫・直接接触リスクが発生します。 sakura-medical-clinic(https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/)
これは無視できないリスクです。
淋菌に感染した人の20〜30%は咽頭にも同時感染しています。 性器感染のない咽頭単独感染例も増加傾向にあり、「性感染症の既往なし」という問診回答だけでは咽頭感染を除外できません。歯科従事者がこの点を理解せずにいると、感染対策の穴が生まれます。 sakura-medical-clinic(https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/)
感染機会があった患者が自己申告するケースは少ないのが現実です。むしろ性感染症と認識していない場合が多く、「風邪が続いている」と受診するパターンが典型です。 問診票の設計と感染対策の徹底が条件です。 sakae-c-c(https://sakae-c-c.jp/news/9597/)
参考:性感染症の咽頭感染と歯科・医療機関でのリスクについて(予防会)
淋菌咽頭炎の確定診断には、咽頭粘膜の綿棒採取または含嗽液(うがい水)によるPCR検査・培養検査が必要です。 視診や症状だけでは診断できません。それが原則です。 koku-naika(https://www.koku-naika.com/p2321oralmucosaldisease.html)
歯科医院での検査実施は現状ほぼ行われていませんが、性感染症の可能性を念頭においた紹介状の作成・性病専門クリニックへの誘導ができる知識が歯科従事者にも求められます。厚生労働省の資料でも「症状の有無で検査の必要性を判断することはできない」と明示されています。 症状なし=感染なしという判断はダメということです。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001513221.pdf)
参考:性感染症患者の咽頭における淋菌検査に関する厚労省資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001513221.pdf
淋菌咽頭炎の標準治療は、セフトリアキソン(商品名:ロセフィン)の点滴静注です。 内服薬での治療が難しいことも特徴で、これは薬剤耐性淋菌(スーパー淋菌)の増加が背景にあります。意外ですね。 koku-naika(https://www.koku-naika.com/p2321oralmucosaldisease.html)
std-lab(https://www.std-lab.jp/stddatabase/neisseria-gonorrhoeae.php)
sakura-medical-clinic(https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/)
sakura-medical-clinic(https://www.sakura-medical-clinic.com/stdsite/gonorrhea-2/)
歯科従事者が直接治療にあたることはありませんが、患者への適切な紹介経路の知識は不可欠です。「抗生剤を飲んでいるのに咽頭炎が治らない」という患者の場合、薬剤耐性を持つ淋菌感染が鑑別診断に入ります。 一般的な感冒への抗菌薬では効果がないということですね。 sakae-c-c(https://sakae-c-c.jp/news/9597/)
参考:淋病の薬剤耐性と治療方針(STD研究所)
https://www.std-lab.jp/stddatabase/neisseria-gonorrhoeae.php
歯科診療は口腔内への直接介入が前提であり、他の医療分野と比べても咽頭粘膜との距離が最も近い職種の一つです。これが重要な点です。 oned(https://oned.jp/posts/12100)
性感染症の問診を歯科で実施することへの心理的ハードルは高いですが、間接的な確認方法として以下の工夫が有効です。
標準予防策(スタンダードプリコーション)の徹底が原則です。淋菌は乾燥に弱く、環境表面での生存時間は短いとされますが、新鮮な粘液・分泌物中では感染力を保持します。 器具消毒・手袋交換の徹底が感染リスクの低減に直結します。 seibyou(https://seibyou.net/qa_gonorrhea)
歯科医師・歯科衛生士が性感染症についての基本的な知識を持つことは、患者への適切な対応だけでなく、自分自身と同僚を守ることにもつながります。「性病は他科の問題」という認識を持ち続けることが、実は最大のリスクになりかねません。知っていると確実に得をする知識です。
参考:歯科口腔領域における淋菌感染症の解説(ひぐち歯科クリニック)
https://www.koku-naika.com/p2321oralmucosaldisease.html