ブラッシング指導だけに集中しているあなたは、患者のプラーク除去率を約60%止まりにさせている可能性があります。

歯科領域でOHIという言葉は、実は2つのまったく異なる意味で使われています。まず「Oral Hygiene Instruction(口腔衛生指導)」と、もうひとつが「Oral Hygiene Index(口腔衛生指数)」です。 shika-yogojiten(https://www.shika-yogojiten.jp/dictionary/1243/)
近年の臨床現場では、Oral Hygiene Instruction(指導)の意味で使われることが圧倒的に多くなっています。 つまり、口腔衛生指数としての意味を前提に話を進めてしまうと、上司や他の衛生士と話が噛み合わなくなるリスクがあります。これは意外ですね。 shika-yogojiten(https://www.shika-yogojiten.jp/dictionary/1243/)
quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/26008)
OHIとTBIの違いも整理しておく必要があります。TBI(Tooth Brushing Instruction)はあくまで歯磨き技術の指導に特化したものであるのに対し、OHIはそれよりも「守備範囲」が広い概念です。 食事の内容、間食の頻度、補助清掃用具の使い方、さらには患者の性格や生活リズムまで考慮に入れる点が大きな特徴です。 club-sunstar-pro(https://www.club-sunstar-pro.jp/medical/happysmileclub/22spring/)
「OHIは初診か歯周基本治療中にやるもの」と考えている歯科従事者は少なくありません。しかし実際には、治療のあらゆるフェーズで実施することが求められます。 dental-diamond.co(https://www.dental-diamond.co.jp/item/1136)
具体的に実施が推奨される場面は次のとおりです。
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メインテナンス期のOHIは「もう十分できているはず」と省略されがちです。これが落とし穴です。患者の生活環境や全身状態は時間とともに変化するため、指導内容を固定化せずに都度アップデートすることが再発率の低下に直結します。 club-sunstar-pro(https://www.club-sunstar-pro.jp/medical/happysmileclub/22spring/)
ハブラシだけでは歯間部プラークの除去率が約60%程度に留まることが明らかになっています。 東京ドームにたとえれば、スタジアムの4割近くが掃除されていない状態で患者を帰宅させているようなものです。デンタルフロスや歯間ブラシを組み合わせることで、除去率は約79〜85%まで引き上げられます。 club-sunstar-pro(https://www.club-sunstar-pro.jp/medical/happysmileclub/22spring/)
補助清掃用具のOHIで重要なのは「正しい使い方」の指導です。
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液体製剤(マウスウォッシュ)の活用もOHIの一環です。口腔内のすみずみまで薬用成分が届く液体製剤は、ブラシが届かない部位のプラーク抑制に有効です。 歯肉の炎症が強い患者には殺菌剤(CPC・IPMP・精油成分など)配合製品の使用を検討する価値があります。 club-sunstar-pro(https://www.club-sunstar-pro.jp/medical/happysmileclub/22spring/)
補助器具の種類と殺菌成分の特性について詳しくまとめた参考資料として、サンスターのプロ向け情報ページが役立ちます。
サンスタープロ:歯周病患者さんへのOHI 質の高いセルフケアを目指して(B・I・R予防3ステップ解説)
OHIが「指導(Instruction)」であるだけでなく「治療(Treatment)」でもある理由は、患者の行動が変わらなければ臨床的な意味をなさないからです。 技術的に正確な指導であっても、患者が自宅で実践しなければ治療効果はゼロに等しくなります。 dental-diamond.co(https://www.dental-diamond.co.jp/item/1136)
行動変容を引き出すために意識したいポイントは以下のとおりです。
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患者が「やってみよう」と思えるかどうかは、指導内容より伝え方の質に依存することが多いです。これは重要です。特に「毎食後3分磨く」という画一的なゴール設定ではなく、患者の日常動線に合った現実的な目標を一緒に設定することが行動定着のカギになります。 dental-diamond.co(https://www.dental-diamond.co.jp/item/1136)
OHIの伝え方を体系的に学びたい方には、実践的な技法をオールカラーで解説した専門書が参考になります。
デンタルダイヤモンド社:「最高のOHI」(上手な口腔衛生指導のコツを解説した歯科衛生士向け専門書)
多くの歯科医院では、OHIを実施しても「やった」という記録だけにとどまっているケースが少なくありません。しかしOHIの質を高め、患者の継続来院(再診率)につなげるには、指導内容・患者の反応・次回の目標を必ず記録・評価するサイクルが不可欠です。これが条件です。
OHIの記録・評価サイクルの例を以下に示します。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①評価(Before) | OHI(Oral Hygiene Index)でプラーク・歯石の付着量を数値化 | 客観的な数値で患者に現状を見せる |
| ②指導 | 患者の状態・生活習慣に合わせた個別指導 | 1回に1〜2点の改善に絞る |
| ③記録 | 指導内容・患者の反応・次回目標をカルテに記載 | 次回担当者が変わっても継続できる体制を作る |
| ④次回評価(After) | 再評価でスコア変化を患者と確認 | 「前回より改善した」という体験が行動定着の起点になる |
Oral Hygiene Indexの評価スコアを使い、前回と今回の数値を患者に提示することで「自分の口腔が改善している」という体験が生まれます。 この体験が患者の自己効力感を高め、次回のメインテナンスへの動機づけになります。OHIは一回完結の指導ではなく、継続する治療プロセスとして設計することが大切です。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/terminology_clinical/26008)
歯科衛生士が記録・評価まで担うことで、医院全体のメインテナンス継続率が向上し、患者の口腔健康改善と医院の経営安定の両方に貢献できます。つまりOHIは衛生士の専門性を高める最重要業務のひとつといえます。
| OHI-Sスコア | 評価 |
| --------- | -------- |
| 0.0 〜 1.2 | 良好(Good) |
| 1.3 〜 3.0 | 普通(Fair) |
| 3.1 〜 6.0 | 不良(Poor) |

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