歯槽骨整形術保険の算定基準と注意点

歯槽骨整形術の保険算定はJ006で定められているものの、算定単位・病名・同月算定など細かいルールで査定される現場が後を絶ちません。歯科医従事者が見落としがちな保険適用の実態とは?

歯槽骨整形術の保険算定ルール完全ガイド

保険算定で「通る」と思っていた歯槽骨整形術が、病名一つの書き方で査定対象になります。


🦷 歯槽骨整形術|保険算定の3つのポイント
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算定単位は「1歯単位」

J006は1歯に相当する範囲を1単位として算定します。複数部位にまたがる場合は部位ごとに加算できます。

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病名と術式の整合性

「歯槽骨鋭縁」「骨瘤」など術式に対応した病名が必須。Per→歯槽骨鋭縁の移行病名でも算定可能なケースがあります。

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抜歯と同月・日別算定

同月内でも日を異にして抜歯と歯槽骨整形術を行った場合は、それぞれ算定が認められます(支払基金事例17号)。


歯槽骨整形術(J006)の保険点数と算定単位の基本



歯槽骨整形手術・骨瘤除去手術はJ006として保険収載されており、点数は110点(歯槽骨整形手術)です。 takaokacity-dental(https://www.takaokacity-dental.jp/wp/wp-content/uploads/f944480aa7964f733b5b809aa71d1e2f.pdf)


算定の基本単位は「1歯に相当する範囲」とされています。 つまり、複数部位にわたって施術を行った場合は、該当部位の歯数分を算定できます。これが基本です。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa9/r06s29_sec1/r06s291_J006.html)


上顎臼後結節の頬側が隆起し、義歯装着に際して障害になるケースも対象です。 上顎臼後結節部の頬側隆起部を削除・整形した場合も本区分の所定点数で算定できます。意外と見落とされがちなポイントですね。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa9/r06s29_sec1/r06s291_J006.html)


また、I005(抜髄)やI006(感染根管処置)を行うにあたり根管側壁・髄室側壁・髄床底に穿孔があり、歯肉剥離によって封鎖を行った場合にも、本区分および保険医療材料料を算定できます。 この適用範囲を知らないと、算定機会を損失しますね。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa9/r06s29_sec1/r06s291_J006.html)





























術式区分 点数(3割負担での患者負担換算) 主な適応
歯槽骨整形手術 110点(約330円) 抜歯後の鋭縁、骨隆起
骨瘤除去手術 110点(約330円) 骨瘤(エキソストーシス)
腐骨除去手術(歯槽部限局) 600点(約1,800円) 骨髄炎後の腐骨
腐骨除去手術(顎骨・片側1/3未満) 1,300点(約3,900円) 広範囲の骨壊死・腐骨


点数はシンプルですが、適用条件の細部に注意が必要です。


歯槽骨整形術の保険算定で認められる病名の書き方

算定を通すうえで、病名の記載は算定の可否を左右する最重要ポイントです。


「Per(歯周炎)→歯槽骨鋭縁」という移行病名でも、日を異にして抜歯と歯槽骨整形術を行った場合は両方の算定が認められます。 支払基金の提供事例(第17号)で明確に示されています。これは知ってると得します。 ssk.or(https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/shika/shujutsu/s_jirei_17.html)


歯が残存している部位であっても算定が認められるケースがあります。 隣在歯の抜歯等に伴い歯槽骨が鋭縁または隆起している場合、歯槽骨整形術の実施は歯科医学的にあり得るものとして、欠損部位以外への算定も支払基金(第145号事例)で認められています。 ssk.or(https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/shika/shujutsu/s_jirei_145.html)


病名記載のポイントをまとめると。


- 「歯槽骨鋭縁」:抜歯後の残存鋭縁に対する整形に使用
- 「骨瘤」:エキソストーシスや隆起に対する除去術に使用
- 「上顎結節隆起」:義歯装着障害を伴う上顎臼後結節ケースに使用
- 「Per→歯槽骨鋭縁(移行)」:歯周炎由来で鋭縁が生じた場合


つまり、術式に対応した病名が条件です。病名と施術内容の不一致は査定の直接原因になります。


参考:社会保険診療報酬支払基金|歯槽骨整形手術の提供事例(第17号・第145号)

https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/shika/shujutsu/s_jirei_17.html


歯槽骨整形術と抜歯手術を同月算定する際の注意点

同月内に抜歯と歯槽骨整形術を行った場合、算定できるかどうかで迷う場面は多いです。


結論から言えば、同月内でも日を異にして行えば両方の算定が認められます。
抜歯後に日をおいて鋭縁が問題となり歯槽骨整形を行うことは、歯科医学的に十分あり得るからです。これが原則です。 ssk.or(https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/shika/shujutsu/s_jirei_17.html)


一方、同日に抜歯と歯槽骨整形術を行った場合は注意が必要です。同日算定は、抜歯の術中処置に含まれるとみなされ認められない場合があります。厳しいところですね。


実務上のチェックポイントを整理します。


- ✅ 同月・日別 → 原則として算定可(支払基金第17号)
- ❌ 同日 → 抜歯術の付随処置として包括される可能性が高い
- ✅ 抜歯と異なる部位の整形 → 別部位として算定可
- ⚠️ 同一部位・同日 → 査定リスクあり、カルテへの丁寧な記載が必要


カルテへの記録精度が算定の根拠になります。「術後に鋭縁が確認され日を改めて整形を実施」など、処置の医学的必要性が読み取れる記述を残しましょう。


歯槽骨整形術における混合診療の落とし穴

歯槽骨整形術自体は保険診療ですが、関連する他の処置が自費の場合、思わぬ落とし穴にはまることがあります。


日本では混合診療が原則禁止されています。 保険診療と自由診療を同一の治療行為の中で組み合わせることはできません。これが条件です。 meguro-aobadai(https://meguro-aobadai.jp/faqs/qalist/surgical_ortho_05/)


一方、インプラントとは無関係に、残存歯周囲の骨整形や義歯調整のための骨整形を行う場合は保険算定が可能です。意外ですね。


治療の目的と流れを明確に整理してカルテに記録することが、混合診療リスクの回避につながります。「義歯床適合のための骨整形」「隣在歯への悪影響回避のための骨鋭縁除去」など、保険診療の文脈で術式目的を明示することが実務上重要です。


参考:矯正・外科矯正治療における混合診療の禁止について(目黒区の歯科)

https://meguro-aobadai.jp/faqs/qalist/surgical_ortho_05/


歯科医従事者が見落としがちな歯槽骨整形術の保険算定・独自視点

多くの解説記事では「点数と病名」の話で終わりますが、実は算定漏れが最も起きやすいのは「穿孔封鎖時の歯肉剥離処置」です。


根管治療(I005抜髄・I006感染根管処置)中に、根管側壁・髄床底の穿孔を歯肉を剥離して封鎖した場合にも、J006と保険医療材料料が算定できます。 このケースを認識していない歯科医従事者は少なくありません。知らないと損します。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa9/r06s29_sec1/r06s291_J006.html)


具体的なシナリオで整理します。


1. 根管治療中に髄床底穿孔を発見
2. 根管充填までの治療期間内に封鎖を計画
3. 歯肉剥離によるアプローチで封鎖実施
4. → J006の算定が可能(+保険医療材料料)


根管治療の途中という日常的な処置の中に、J006の算定機会が潜んでいます。これは使えそうです。


また、カルテ記載においては、「術中所見:根管側壁に穿孔を認め、歯肉剥離によるアクセスで封鎖材を填入」のような具体的な記録を残すことで、審査での根拠が明確になります。算定できる処置を正確にカルテに記録するために、根管治療のワークフロー自体に確認ステップを組み込んでおくと漏れが減ります。


日常的にJ006の算定機会を正確に把握するためには、処置の種別ごとの算定チェックリストを院内で整備することが効果的です。レセプトコンピュータによっては、算定ガイド機能を持つものもあるため、導入済みのシステムの機能を一度確認してみる価値があります。


参考:しろぼんねっと|J006 歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術の算定詳細

https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06_ch2/r06s_ch2/r06s2_pa9/r06s29_sec1/r06s291_J006.html


参考:社会保険診療報酬支払基金|提供事例 第145号(欠損部位以外への算定)

https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/shika/shujutsu/s_jirei_145.html






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