顔面麻痺が改善と悪化を繰り返しているのに、ベル麻痺として処置し続けると、患者が手術のタイミングを逃します。

顔面神経鞘腫は、顔面神経を包むシュワン細胞から発生する良性腫瘍です。 側頭骨内の顔面神経のあらゆる部位に発生し、聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)よりも発生頻度が極めて稀とされています。 trc-rad(https://trc-rad.jp/case/361/361_1_2.html)
腫瘍は脳幹部を出た直後から耳下腺内まで、顔面神経の走行全体にわたり発生します。 どこに発生したかによって、症状も手術の難易度もまったく変わってきます。つまり「顔面神経鞘腫」とひとくちに言っても、同じ病気ではないのです。 plaza.umin.ac(https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/facial-schwannoma/)
主な症状は以下のとおりです。
歯科でとくに注意すべきは、顔面麻痺の繰り返しです。 ベル麻痺やハント症候群と誤診されやすいため、何度も同側で麻痺が出現している患者には必ず画像検査を勧める姿勢が求められます。 medicalnote(https://medicalnote.jp/diseases/%E8%81%B4%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%85%AB%E7%98%8D/contents/151126-000031-JJXEJA)
参考リンク(顔面神経鞘腫の症状・診断・専門的解説):
脳外科医 澤村豊のホームページ:顔面神経鞘腫 facial schwannoma
診断の中心はMRIとCTの使い分けです。 腫瘍が中耳内に限局している場合は側頭骨高分解能CTが推奨され、内耳道・脳槽・耳下腺内へ進展した症例では造影MRIが有効とされています。それが原則です。 jmedj.co(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_25506)
近年は診断技術の進歩により、顔面麻痺の既往がない段階でも側頭骨内顔面神経鞘腫が発見されるケースが増えています。 片側性難聴の精査で偶然発見される例も多く、歯科でのスクリーニング的な気づきが患者の早期診断につながる場面があります。 jmedj.co(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_25506)
臨床的な診断フローを整理すると次のようになります。
歯科領域では耳下腺部腫瘤として発見される場合があります。 耳下腺から腫瘤を疑った際、顔面神経鞘腫の可能性を念頭においた紹介を行うことが患者にとって大きなメリットになります。これは使えそうです。 trc-rad(https://trc-rad.jp/case/361/361_1_2.html)
参考リンク(側頭骨内顔面神経鞘腫のフォローアップと治療方針、東海大学・濵田昌史先生の解説):
日本医事新報社:側頭骨内顔面神経鞘腫のフォローアップと治療について
治療の柱は経過観察(Wait & Scan)・定位放射線治療・手術摘出の3択です。 どれが正解かは、顔面麻痺の程度と腫瘍の局在で変わります。 hashiguchi-cl(https://hashiguchi-cl.com/page/brainpedia/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9E%98%E8%85%AB/)
① 経過観察(Wait & Scan)
顔面麻痺を伴わない場合、または麻痺が完全回復している場合は、原則として経過観察方針が選択されます。 6か月〜1年ごとの画像フォローアップが推奨されています。治療侵襲を加えないことが患者利益になる、という逆説的な判断です。意外ですね。 jmedj.co(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_25506)
② 定位放射線治療(ガンマナイフなど)
麻痺が軽度〜中等度のうちに放射線治療を行う方が、手術より安全とされています。 腫瘍が小さく、麻痺が進行する前の段階での施行が最も効果的です。顔面麻痺はとてもつらい後遺症です。 plaza.umin.ac(https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/facial-schwannoma/)
③ 手術摘出(顔面神経再建を含む)
HBグレード4程度の重度麻痺まで進行した場合に手術適応となります。 手術では腫瘍摘出と同時に顔面神経の再建(バイパス手術)が必要になるため、頭蓋底外科の経験豊富な術者のいる施設が条件です。 plaza.umin.ac(https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/facial-schwannoma/)
| 治療法 | 適応の目安 | 顔面麻痺リスク | 主な施設 |
|---|---|---|---|
| 経過観察 | 麻痺なし・腫瘍小 | なし | 一般病院でも可 |
| 定位放射線 | 麻痺軽度〜中等度 | 低〜中 | ガンマナイフ設置施設 |
| 手術摘出+神経再建 | 麻痺高度(HBグレード4〜) | 高(再建が前提) | 頭蓋底外科専門センター |
歯科従事者にとって重要なのは、治療後に顔面麻痺が残存するケースです。術後の患者が歯科受診した際には、麻痺側の口腔衛生管理・咬合調整・義歯製作において細心の配慮が必要になります。これが原則です。
参考リンク(手術・定位放射線外科の併用療法による顔面神経温存の実例):
医書.jp:顔面神経鞘腫に対する手術・定位放射線外科の併用療法
顔面神経鞘腫の治療には、脳神経外科と耳鼻咽喉科(頭頸部外科)の両方の専門性が必要です。 単独の科ではカバーできない領域であるため、頭蓋底手術チームを擁する施設が適切です。 plaza.umin.ac(https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/facial-schwannoma/)
慶應義塾大学病院や大阪市立総合医療センター、東海大学などが臨床経験の豊富な施設として文献に登場します。 実際の名医探しでは「症例数の多さ」が最大の指標です。文献では70例超の手術経験をもとにした治療戦略の論文も報告されています。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.030126030530040738)
名医・専門施設を選ぶ際のチェックポイントは以下のとおりです。
なお、世界的な脳外科権威として知られる福島孝徳教授の系譜を持つ医師も神経鞘腫手術の豊富な実績を持つとされており、2,000例を超える手術経験が報告されています。 腫瘍の希少性を考えると、セカンドオピニオンを積極的に活用することが患者本人にとっての大きなメリットになります。 dr-nemoto(https://www.dr-nemoto.com/%E8%84%B3%E8%85%AB%E7%98%8D-%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9E%98%E8%85%AB/)
歯科は顔面神経鞘腫の早期発見に貢献できる数少ない医療職種のひとつです。理由は単純で、患者が顔の不調を最初に相談しやすい場所だからです。
歯科外来で遭遇しやすい見逃しパターンは以下の3つです。
これらを見落とさないための実践的な対応を示します。 medicalnote(https://medicalnote.jp/diseases/%E8%81%B4%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%85%AB%E7%98%8D/contents/151126-000031-JJXEJA)
まず、同側で2回以上顔面麻痺が起きている患者には、必ず「脳神経外科または耳鼻咽喉科で画像検査を」と勧めることが必須です。次に、顔面麻痺が3か月以上改善しない場合も同様です。典型的なベル麻痺であれば約8割は3か月以内に回復するため、それ以上遷延する麻痺は精査対象と覚えておけばOKです。
治療後に顔面麻痺が残存した患者が歯科を受診する機会は少なくありません。麻痺側の頬粘膜は食片停滞が起きやすく、カリエスや歯肉炎のリスクが上昇します。麻痺の程度に応じたブラッシング指導・補綴治療計画が患者の口腔健康に直結します。厳しいところですね。
参考リンク(神経鞘腫 全般の症状・検査・治療について):
慶應義塾大学病院 KOMPAS:神経鞘腫(シュワン細胞腫)
参考リンク(顔面神経鞘腫の手術戦略・術中モニタリングに関する最新の知見):
医書.jp:顔面神経鞘腫(脳神経外科 53巻4号)

【Amazon.co.jp限定】【大容量】NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ クリアハーブミント 詰め替え 1300ml [医薬部外品] 洗口液 口臭原因菌を殺菌 アルコール配合 パウチ