基準値内でも治療効果が出ていない患者がいます。
p1npの基準値は性別と閉経状態によって大きく異なります。男性(30~83歳)では18.1~74.1 ng/mL、閉経前女性(30~44歳)では16.8~70.1 ng/mL、閉経後女性(45~79歳)では26.4~98.2 ng/mLと設定されています。 uwb01.bml.co(https://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3804154)
閉経後女性の基準値が最も広い範囲を示すのは、骨代謝が活発化するためです。20歳代から徐々に低下し、未閉経の40代前半で最も低値となり、閉経後50代で再上昇する傾向があります。つまり閉経後は骨形成と骨吸収の両方が活発になるということですね。 jsog-oj(http://www.jsog-oj.jp/detailAM.php?-DB=jsog&-LAYOUT=am&-recid=7417&-action=browse)
血液透析患者ではさらに高値を示すことがあります。透析患者の血清total p1np値は311.1±171.9 ng/mLと、閉経後女性基準値(26.4~98.2 ng/mL)の約3倍以上にもなります。透析患者では骨代謝が大きく亢進しているため、一般的な基準値をそのまま適用できません。 niigatashi-ishikai.or(https://www.niigatashi-ishikai.or.jp/newsletter/academic/2025073110471.html)
ビスフォスフォネート製剤を服用している患者では、p1np濃度が低下します。破骨細胞の活動を抑制する骨吸収抑制剤によってp1np濃度は低下するため、治療効果のモニタリングに有用です。この変化は鋭敏です。 data.medience.co(https://data.medience.co.jp/guide/guide-03030021.html)
歯科治療において重要なのは、顎骨壊死のリスク評価です。ビスフォスフォネート製剤を服用している患者さんの中には、歯科治療後に重大な合併症を起こすケースが報告されています。特に抜歯や歯周外科手術、インプラント手術などの外科的な処置を受ける際に、顎の骨が壊死するリスクが高まります。 sugadent-neyagawa(https://sugadent-neyagawa.com/2023/10/15/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%88bp%E8%A3%BD%E5%89%A4%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84/)
そのため歯科治療前には、患者の服用歴を詳しく聴取することが必須です。ビスフォスフォネート製剤の影響により血行が悪化し、顎の骨が適切に癒えないことが顎骨壊死の原因となります。p1np値だけでなく、服用期間や投与経路(経口か静注か)、過去の歯科治療歴なども総合的に評価する必要があります。 sugadent-neyagawa(https://sugadent-neyagawa.com/2023/10/15/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%88bp%E8%A3%BD%E5%89%A4%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84/)
日本歯科医師会の骨粗鬆症治療薬と歯科治療に関する指針には、ビスフォスフォネート系製剤や抗RANKL抗体などの服用患者への対応が詳しく記載されています。 jda.or(https://www.jda.or.jp/park/relation/medicine_disease.html)
PTH製剤(テリパラチド)による治療では、投与開始1~3ヶ月後にp1np値が上昇すれば治療は有効とされています。骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版では、この時期の上昇が治療効果の重要な指標となります。 congress.jamt.or(http://congress.jamt.or.jp/j66/pdf/general/0101.pdf)
p1npはフォルテオ投与開始早期から上昇します。平均70歳以上の骨折の危険性が高い日本人原発性骨粗鬆症患者207例を対象にした研究では、フォルテオ20μg/日を12ヵ月間投与した結果、投与期52週時の血清p1np変化率は269.75±258.35%にも達しました。約2.7倍という大幅な上昇です。 med.mochida.co(https://med.mochida.co.jp/biosimilar/teriparatide/clinicalstudy/exam1_3.html)
測定タイミングは前治療歴によって変えるべきです。過去に骨吸収抑制剤による治療歴のない場合は1か月後、治療歴のある場合はより確実に3か月後にp1npを測定するのが良いでしょう。治療歴のある患者では骨代謝の反応が遅れるためですね。 labo.city.hiroshima.med.or(http://www.labo.city.hiroshima.med.or.jp/wp-01/wp-content/uploads/2016/01/center201601-04.pdf)
上昇幅が10μg/L未満の場合は要注意です。もし1~3か月後にp1npを測定して上昇幅が10μg/L に満たなかった場合は、患者のコンプライアンス等に問題がないかどうか確認する必要があります。薬を正しく飲んでいない、または体が薬に反応していない可能性があります。 labo.city.hiroshima.med.or(http://www.labo.city.hiroshima.med.or.jp/wp-01/wp-content/uploads/2016/01/center201601-04.pdf)
p1npの測定方法はECLIA法(電気化学発光免疫測定法)が標準です。検体量は血清0.3mLで、保存条件は冷蔵です。所要日数は検査機関によって異なりますが、1~3日または2~3日が一般的です。 falco.co(https://www.falco.co.jp/rinsyo/detail/067277.html)
検査料金は160点で、判断料は生化学的検査(Ⅱ)の144点が加算されます。保険診療で測定できるため、骨粗鬆症治療を受けている患者の定期的なモニタリングに活用できます。包括160点として算定されます。 data.medience.co(https://data.medience.co.jp/guide/guide-03030021.html)
検体の取り扱いには注意が必要です。血清0.3mLを確保し、冷蔵保存する必要があります。採血後は速やかに検査機関に提出することで、正確な測定結果が得られます。 hc-labo.co(https://www.hc-labo.co.jp/wp-content/uploads/2014/11/14-19.pdf)
肝機能障害がある患者では高値を示す場合があります。p1npは骨形成マーカーですが、肝臓でも代謝されるため、肝機能が低下している患者では見かけ上高値になることがあります。そのため肝機能検査の結果も併せて評価することが重要です。 labo.city.hiroshima.med.or(http://www.labo.city.hiroshima.med.or.jp/wp-01/wp-content/uploads/2016/01/center201601-04.pdf)
p1npは骨芽細胞分化の初期から産生されるため、BAP等の骨形成マーカーよりも早期の骨形成を鋭敏に反映します。骨粗鬆症治療、特に骨形成促進剤であるPTH製剤(テリパラチド)による治療効果の判定やモニタリング、診断補助に有用と考えられています。 test-directory.srl(https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/065190200)
骨吸収マーカーとの組み合わせで骨代謝の全体像を把握できます。未治療患者(Native group)での骨密度およびtotal p1npの増加が大きかったことから、未治療の重症骨粗鬆症患者に対する薬剤選択において、骨形成促進薬の処方が効果的であることが示唆されました。p1npと骨密度を併せて評価するということですね。 huf.co(https://huf.co.jp/bookshelf/pdf/534.pdf)
透析患者ではi-PTH、BAP、OCなどの複数のマーカーを総合的に評価します。血液透析患者における血清total p1np値は311.1±171.9 ng/mL、i-PTHは211.6±116.0 pg/mL、BAPは23.2±18.6 μg/L、OCは76.0±46.7 ng/mLと、いずれも基準値を大きく超える値を示します。 niigatashi-ishikai.or(https://www.niigatashi-ishikai.or.jp/newsletter/academic/2025073110471.html)
歯科矯正治療とビスフォスフォネートの関係性においても、p1np測定は有用な可能性があります。ビスフォスフォネートは投与量によって歯の移動および歯根吸収に同様な影響を与えることがわかっており、投与量により歯の動きを抑制・コントロールし歯根吸収を予防する可能性が示唆されています。 kaken.nii.ac(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22932009/)
矯正治療を予定している骨粗鬆症患者では、p1np値のモニタリングが治療計画の立案に役立ちます。ビスフォスフォネート2μg投与群において、歯の移動距離はPBSのみ投与群と比較して有意に減少し、また歯根吸収もPBSのみ投与群と比較して有意に減少しました。治療効果と矯正治療への影響を両立させるためには、p1np値を参考にビスフォスフォネートの投与量を調整する必要があります。 kaken.nii.ac(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22932009/)
インプラント治療前のリスク評価にもp1np測定が活用できます。ビスフォスフォネート系製剤を服用している患者にインプラント治療を行うと、顎骨壊死を起こす可能性があるため、術前のp1np測定により骨代謝状態を把握し、治療の適否や時期を判断することが重要です。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/products/1920)
ビスフォスフォネートと抗血栓薬投与患者への対応に関する専門書には、抜歯、歯周外科、インプラント治療などの外科的な歯科治療を行う際の詳細な対応方法が記載されています。歯科医従事者がp1np値を含めた総合的な評価を行うための参考資料として活用できます。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/products/1920)
訪問歯科診療においても、骨粗鬆症治療薬を服用している高齢患者が増えているため、p1np値の理解は必須です。歯科疾患在宅療養管理料を算定した患者に対して、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が専門的な口腔清掃を行う際にも、患者の服薬情報とp1np値を把握しておくことで、より安全な歯科治療が提供できます。 gerodontology.dental-plaza(https://gerodontology.dental-plaza.com/start/guide/01-3/)