口呼吸の患者さんは免疫機能が極度に低下しています。
ワルダイエル咽頭輪(Waldeyer's ring)とは、咽頭にある扁桃の輪状構成のことを指します。この名称は、19世紀のドイツ人解剖学者ハインリッヒ・ウィルヘルム・ワルダイエルが発見したことに由来しています。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E5%92%BD%E9%A0%AD%E8%BC%AA)
咽頭リンパ組織環やリンパ咽頭輪とも呼ばれるこの構造は、消化器と呼吸器の入り口を守る関所として機能しています。つまり生体防御の最初の砦です。 anatomy(https://www.anatomy.tokyo/%E3%80%90%E4%B8%80%E5%95%8F%E4%B8%80%E7%AD%94%E3%80%914-1-3-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB-%E5%92%BD%E9%A0%AD%E3%83%BB%E9%A3%9F%E9%81%93/)
歯科医療従事者にとっては隣接医学として極めて重要な知識であり、歯学部のカリキュラムでもワルダイエル咽頭輪の解剖と生理を説明できることが求められています。 dent.nihon-u.ac(https://www.dent.nihon-u.ac.jp/faculty/pdf/education/syllabus/2020/05/oral-cavity/2668.pdf)
ワルダイエル咽頭輪は、以下の4種類のリンパ性組織から構成されています。 yashima-shika(https://yashima-shika.com/tongue-tonsils/)
これらは口腔と鼻腔の裏門を取り囲むように配列しており、食物や空気の入り口を守る位置関係になっています。配置が輪状です。 anatomy(https://www.anatomy.tokyo/%E3%80%90%E4%B8%80%E5%95%8F%E4%B8%80%E7%AD%94%E3%80%914-1-3-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB-%E5%92%BD%E9%A0%AD%E3%83%BB%E9%A3%9F%E9%81%93/)
各扁桃はリンパ組織で構成され、扁桃陰窩や扁桃小窩といった特殊な構造を持ち、侵入してきた異物と免疫システムが触れ合う場所として機能します。 anatomy1(https://anatomy1.net/?%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%92%BD%E9%A0%AD%E8%BC%AA)
咽頭輪は外部から侵入してきた病原体から体を守るための免疫システムとして働きます。鼻や口から侵入する細菌やウイルスが消化管や気管、肺に入っていくのをチェックする関所だと考えられています。 morinagamilk.co(https://www.morinagamilk.co.jp/lactoferrin/column/nodo/throat_care_001.html)
具体的には、病原体を認識すると免疫物質や個別の抗体をつくり、のどの粘膜への感染を防ぎます。これが免疫の最前線です。 morinagamilk.co(https://www.morinagamilk.co.jp/lactoferrin/column/nodo/throat_care_001.html)
ただし、この防御機能が働くのは正常な環境下でのみです。後述する口呼吸などで咽頭輪が乾燥にさらされると、免疫機能は極度に低下したり過敏反応になったりします。生体防御の最初の砦としての機能を維持するには、適切な湿度環境が不可欠なのです。 kondo-d.or(https://www.kondo-d.or.jp/2020/03/31/313/)
咽頭輪は口や鼻からの感染に際して炎症を起こしやすいため、臨床上極めて重要です。細菌やウイルスの刺激によって扁桃組織が炎症を起こすと、しばしば赤くなったり腫れたりする症状が現れます。 koku-geka(https://koku-geka.com/p2959-2.html)
歯科臨床においては、咽喉頭の違和感を訴える患者さんに対して、この咽頭輪の状態を評価する視点が求められます。炎症ですね。
小児では特に咽頭輪のリンパ組織が発達しており、5〜6歳頃に最も大きくなります。そのため、扁桃肥大による呼吸障害や睡眠時無呼吸などの症状が出やすく、歯科矯正治療を開始する前に耳鼻咽喉科での評価が必要となる場合もあります。 viva-dc(https://www.viva-dc.com/2023/01/23/10942/)
鼻呼吸では鼻粘膜によって空気が加湿されますが、口呼吸では空気がほとんど加湿されません。その結果、口が呼吸器になってしまうことにより、ワルダイエル咽頭輪が乾燥にさらされ、免疫機能が極度に低下したり過敏反応になったりしていきます。 kondo-d.or(https://www.kondo-d.or.jp/2020/03/31/313/)
具体的には、乾燥によって咽頭輪の粘膜バリア機能が低下し、細菌やウイルスに対する防御力が弱まります。どういうことでしょうか?
通常は鼻毛によってゴミが取り除かれ、体温に温められた後、鼻汁で適度な湿り気を与えられた空気が咽頭輪に到達しますが、口呼吸ではこのプロセスが省略されてしまうのです。 kondo-d.or(https://www.kondo-d.or.jp/2020/03/31/313/)
歯科診療において口呼吸の患者さんを発見した場合、単なる習慣の問題ではなく、生体防御システム全体に関わるリスクとして捉え、耳鼻咽喉科との連携や呼吸法の改善指導を検討する必要があります。口呼吸は免疫の大敵です。 kosuke-dc(http://www.kosuke-dc.com/blog/post-795/)
扁桃肥大は口蓋扁桃の大きさをブロードスキー分類(0度〜4度)で評価され、数字が大きいほど重症です。左右の扁桃が真ん中で接するくらい大きいと、いびきが大きい、睡眠時に呼吸が止まっているなどの症状が出ます。 viva-dc(https://www.viva-dc.com/2023/01/23/10942/)
歯科矯正治療を希望して来院した小児患者でも、レントゲン撮影により口蓋扁桃肥大や咽頭扁桃肥大(アデノイド)によって気道が塞がれている状態が発見されることがあります。本来空気の通り道である気道がレントゲンで白く映る場合、まずは正しい呼吸ができるように扁桃の治療を優先すべきです。 viva-dc(https://www.viva-dc.com/2023/01/23/10942/)
扁桃肥大により長期的な口呼吸が続くと、顎の正常な成長が阻害され、上顎の劣成長、下顎の過成長につながります。結論は不正咬合のリスクです。 sendai-cure(https://sendai-cure.jp/blog/%E6%89%81%E6%A1%83%E8%85%BA%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%A7%E5%8F%97%E3%81%91%E5%8F%A3%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AA%E3%81%AE%EF%BC%9F/)
また、口蓋扁桃摘出手術を受けた患者では、代償性に舌扁桃が肥大することがあり、咽喉頭異常感症やイビキの原因になることもあります。舌扁桃肥大が疑われる場合は、口腔外科での精査が推奨されます。 linkclub.or(https://www.linkclub.or.jp/~entkasai/zetu-1.html)
口呼吸により口の中が乾燥すると、唾液の自浄作用が弱まって細菌が増殖しやすくなります。これは口臭の原因となるだけでなく、歯周病やう蝕のリスクも高めます。 dc-torii(https://dc-torii.com/blog/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E5%A4%A7%E4%B8%88%E5%A4%AB%EF%BC%9F%E5%91%BC%E5%90%B8%E3%81%AE%E4%BB%95%E6%96%B9%E3%81%8C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%AB%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%99/)
咽頭輪の免疫機能低下と口腔内細菌叢の悪化は相互に関連しており、のど奥の扁桃組織が炎症を起こしやすい状態では、口腔内の健康状態も悪化しやすいのです。つまり悪循環ですね。 kondo-d.or(https://www.kondo-d.or.jp/2020/03/31/313/)
歯科医療従事者は、患者の口臭や口腔乾燥の訴えに対して、単に口腔内の問題としてだけでなく、呼吸法や咽頭輪の状態も含めた総合的な評価を行う視点が求められます。厳しいところですね。
鼻呼吸への改善指導や、必要に応じた耳鼻咽喉科への紹介は、患者の全身的な健康維持に貢献する重要な役割です。口腔は全身の入り口であり、ワルダイエル咽頭輪はその最前線で機能する免疫の輪なのです。 ki-dentaloffice(https://ki-dentaloffice.com/blog/1394/)
ほんだ歯科による口呼吸と咽頭輪の詳細解説(子供の口臭と口呼吸の関係性)