杭基礎なら「支持力」、直接基礎なら「地耐力」と呼ぶのが原則です。
支持力とは、地盤が支えることのできる力の大きさを指します。建築基準法施行令第93条では、地盤調査を行い、その結果に基づいて地盤の許容応力度および基礎ぐいの許容支持力を定めなければならないと規定されています。 kentiku-kouzou(http://kentiku-kouzou.jp/kisokouzou-siziryoku.html)
つまり、支持力は主に杭基礎に対して使われる用語です。杭基礎は、地表近くの弱い地盤を貫通し、深い位置にある固い地盤(支持層)まで杭を打ち込んで建物を支える構造です。地耐力が20kN/m²以下(約2トン相当)の軟弱地盤では、杭基礎を用いた構造としなければなりません。 iny(https://www.iny.jp/regulation/standard_rule/p1.html)
支持力は地盤のN値(地盤の固さを示す指標)が大きいほど大きくなります。固い地盤ほど、より大きな荷重を支えられるということですね。 kentiku-kouzou(http://kentiku-kouzou.jp/kisokouzou-tihanryokusiziryokutigai.html)
地耐力は、直接基礎の接地圧に対応するものとして使われます。直接基礎とは、べた基礎や布基礎など、建物の荷重を直接地盤に伝える基礎形式を指します。 bcj.or(https://www.bcj.or.jp/publication/html/bcj_upload/product_file/99_04_kiso-mi.pdf)
地耐力が20~30kN/m²の場合は、基礎ぐいまたはべた基礎を採用します。地耐力が30kN/m²以上(約3トン以上相当)になると、べた基礎だけでなく布基礎も選択できるようになります。布基礎の場合、地耐力に応じてベース幅が細かく規定されており、例えば2階建てで地耐力30~50kN/m²なら45cm、70kN/m²以上なら24cmのベース幅が必要です。 iny(https://www.iny.jp/regulation/standard_rule/p1.html)
実務では「地耐力」という言葉が広く使われていますが、厳密には「地盤の許容応力度」または「許容支持力度」のことを指しています。これは有害な変形が生じない範囲での地盤の強さを表します。 note(https://note.com/tortuga/n/nd323d7dc258c)
支持力と地耐力は、基本的に同じ意味を持ちます。どちらも「地盤が支えることのできる力の大きさ」を表す用語です。 kentiku-kouzou(http://kentiku-kouzou.jp/kisokouzou-siziryoku.html)
違いは使用する基礎の種類にあります。支持力は杭基礎に対して使い、地耐力は直接基礎(べた基礎・布基礎)に対して使うのが原則です。 kentiku-kouzou(http://kentiku-kouzou.jp/kisokouzou-siziryoku.html)
ただし、専門家の間でも混同されることがあり、「地耐力・地盤の許容応力度・地盤の許容支持力度は同じ意味」として扱われることも多いです。本来の「地耐力」は、支持力(qa)に加えて圧密沈下などの沈下挙動を含んだ地盤の総合的な強さを指しますが、建築設計の現場では単純に「支持力」と同義で使われることが一般的です。 ray-ms(https://ray-ms.com/soil_and_foundation_design/)
設計図書や構造計算書を見る際は、文脈から杭基礎か直接基礎かを判断し、適切に理解することが大切ですね。
歯科医院を開業する際、建物の基礎設計で支持力や地耐力を確認することは法的義務です。地盤調査を行わずに建築すると、建築基準法違反となり、最悪の場合は建築許可が下りません。 chiko.co(https://www.chiko.co.jp/hyosiki/faq/pdf/4002.pdf)
特に歯科医院では、レントゲン室やCT室など重量のある医療機器を設置するため、一般的な事務所よりも床荷重が大きくなります。診療チェア1台あたりの重量も、患者を含めると200kg以上になることがあり、複数台設置する場合は相応の支持力が必要です。地盤調査を怠ると、開業後に床の沈下や傾斜が発生し、高額な医療機器の故障や診療停止につながるリスクがあります。
地盤調査費用は一般的に5万~15万円程度ですが、後から基礎補強工事を行うと数百万円かかることもあります。開業準備の段階で、信頼できる建築士に地盤調査を依頼し、適切な基礎設計を行うことが、長期的なコスト削減につながります。 iny(https://www.iny.jp/regulation/standard_rule/p1.html)
建築基準法における地盤に関する規定(日本建築センター)
こちらのPDFには、地耐力と地盤の許容応力度に関する詳細な解説があり、基礎設計の参考になります。
興味深いことに、歯科治療でも「支持力」という用語が使われます。入れ歯(義歯)やインプラントにおいて、咬む力を支える機能を「支持力」と呼びます。 hikari(https://hikari.dental/stability-of-telescope-denture/)
入れ歯の安定には、支持力(噛む力を支える縦方向の力)、維持力(入れ歯が外れないようにする脱離への抵抗力)、把持力(入れ歯がズレないようにする横揺れの抵抗力)の3つの要素が必要です。テレスコープ義歯では、これらの力を残存歯や粘膜、筋肉が分担して負担します。 arayashikishika(https://arayashikishika.com/blog/20180114-522/)
インプラントの場合、適切な咬合力はインプラントと骨の結合を促進し、インプラントの支持力を高めます。チタン製インプラントは「オッセオインテグレーション」という生体現象により顎の骨と強固に結合し、高い支持力を実現します。 seniordental-shinkobe(https://seniordental-shinkobe.com/170/)
建築でも歯科でも、「支持力」は荷重を安全に支える能力を意味するという点で共通していますね。歯科医師にとっては、この概念的な類似性が理解を深める助けになるでしょう。