楔状欠損 原因は咬合力にある

歯医者が診る楔状欠損の原因は、強い歯磨きだけでなく歯ぎしりや噛み合わせの問題が関わっています。なぜ同じ磨き方なのに一本だけ欠損が進むのか、その意外なメカニズムと治療法について知りたくありませんか?

楔状欠損と原因の関係性

楔状欠損の3つの主要原因
過度なブラッシング圧

強い力での歯磨きにより、歯頸部(歯と歯ぐきの境目)のエナメル質が摩耗し削られていく状態です。硬い歯ブラシと研磨剤入り歯磨き粉の組み合わせはリスクを高めます。

😴
歯ぎしり・食いしばり

睡眠中の無意識の歯ぎしりや日中の食いしばりにより、歯根元に異常な応力が集中して微細なひび割れが生じ、そこから欠損が進行していく現象です。

🍋
酸性飲食物による化学侵食

柑橘類やスポーツドリンク、炭酸飲料などの酸性物質がエナメル質を脱灰させ、歯質をもろくして機械的ストレスに弱い状態にします。


楔状欠損 強い歯磨きだけでない理由


歯科医療の現場では、長年「楔状欠損は歯磨きの力が強すぎることが原因」と考えられてきました。


しかし実際の臨床では矛盾が生じています。


同じ力で同じように磨いている患者さんでも、前歯の中央一本だけに欠損が見られ、隣の歯は正常なままというケースが多く存在するのです。弱いブラッシング圧なのに歯が磨り減っていく患者さんもいます。このような現象は、ブラッシング以外の原因が存在することを強く示唆しています。


つまり、楔状欠損は単純な機械的摩耗だけでは説明がつかないのです。


楔状欠損 アブフラクションのメカニズム

1991年に歯科医学で注目されるようになった「アブフラクション」という理論があります。これは、歯ぎしりや食いしばりによる強い咬合力が、歯の根元に異常な応力を集中させ、歯質が剥がれてくさび状の欠損が生じるという現象を説明しています。


歯の構造上、噛み合わせが接触する最適な場所で噛む場合には、応力は比較的均等に分散されます。ところが、習慣的な歯ぎしりや強い食いしばりなどで許容範囲を超えた力がかかると、歯の根元付近に引張応力が集中します。このとき歯はたわんで微細なひび割れ(マイクロクラック)が生じます。驚くべきことに、このマイクロクラックは唾液の力で自動修復されていますが、繰り返し発生と修復を何度も経験すると、やがて目に見える欠損へと進行していくのです。


特に就寝中の歯ぎしりの場合、体重の2倍以上の力が無意識に歯にかかることがあり、非常に危険です。年齢とともに顎関節の磨耗が進むと、顎の動きが変化して、さらに歯に負担がかかりやすい状態になります。だからこそ中高年に楔状欠損が多く見られるのです。


楔状欠損 知覚過敏につながる象牙質の露出

楔状欠損が深く進行すると、欠損部分が象牙質まで達します。象牙質は歯の最表層のエナメル質と異なり、微小な管(象牙細管)が神経へ向かって走行しており、その先端は神経に接続しています。象牙質が露出すると、冷たい水、甘い食べ物、酸っぱい食べ物などの刺激が直接これらの管を通じて神経に伝わり、鋭い痛みを感じるようになります。


これが知覚過敏です。


象牙質は、エナメル質よりも柔らかく摩耗しやすいため、欠損が象牙質に到達するとその後の進行速度が加速する傾向があります。そのため、初期段階での早期発見と対応が非常に重要になるのです。知覚過敏を感じたら、単なる症状緩和ではなく、根本的な原因である楔状欠損そのものに取り組む必要があります。


楔状欠損 歯周病と歯肉退縮の関連性

歯周病の進行とともに歯肉が下がる現象(歯肉退縮)が起こると、本来は歯肉で覆われていた歯根が露出します。歯の根元はセメント質という組織で覆われており、これはエナメル質より格段に軟らかく、容易に摩耗する特性があります。露出したセメント質は、咬合力やブラッシング圧、酸などの刺激に対して非常に脆弱になり、楔状欠損が急速に進行するリスクが高まります。


また、歯周病によって歯を支える骨が吸収されると、歯の根元がさらに露出しやすくなり、悪循環に陥ります。楔状欠損と歯周病は相互に関連しており、一方の進行が他方を悪化させる傾向があるため、両者の予防と治療に同時に取り組むことが重要です。定期的な歯科検診で歯周病の早期発見と治療を行うことが、楔状欠損の予防にも直結するのです。


楔状欠損 治療法と保険適用費用

楔状欠損の治療方法は、欠損の深さや進行度によって異なります。軽度から中等度の欠損の場合、最も一般的な治療法はコンポジットレジン充填です。これはペースト状の白い合成樹脂を欠損部分に直接盛りつけ、特殊な光を当てて硬化させる方法で、保険適用の場合で1歯あたり約1,000~2,000円程度の費用で治療できます。通常は1回の通院で完了し、治療時間も30分以内です。


保険適用のコンポジットレジンは経済的に優れていますが、デメリットとしては年数とともに劣化や変色が進むため、3~5年程度で再治療が必要になることがあります。自費診療のレジンは変色しにくく強度も高い材質を使用しますが、費用は1歯あたり1万~3万円程度と高額です。


重度の欠損で歯の大部分が失われている場合は、セラミッククラウンをかぶせる治療が行われます。セラミックは10~15年程度使用可能で審美性に優れていますが、健康な歯を多く削る必要があり、費用も10万円以上かかることが一般的です。


楔状欠損 ナイトガード導入による原因改善

楔状欠損の根本的な原因が歯ぎしりや食いしばりにある場合、その習慣を改善することが最優先課題です。日中の食いしばりであれば、作業中や集中時に意識的にあごの力を抜く習慣をつけることが効果的です。しかし、睡眠中の歯ぎしりは自分でコントロール不可能なため、ナイトガード(マウスピース)の装着が重要な対策となります。


ナイトガードは、上あごまたは下あごに装着し、歯ぎしり時の直接的なダメージから歯を守る装置です。保険適用の場合で約5,000円前後で製作できます。また、歯科医院で噛み合わせの調整(咬合調整)を受けることで、特定の歯への力の集中を軽減できます。不正な噛み合わせによる早期接触や干渉を解消することで、楔状欠損のさらなる進行を防ぐことができるのです。


楔状欠損 予防のための正しい歯磨き方法

楔状欠損の予防には、正しい歯磨き方法の実践が不可欠です。歯磨きの際の適切なブラッシング圧は、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力、つまり100~200グラム程度とされています。この圧力の目安は、爪が白くならないレベルです。自分がどの程度の力で磨いているかは、実際には自覚しにくいため、歯科衛生士に指導してもらうことが推奨されます。


歯ブラシの選択も重要です。硬めのブラシは研磨作用が強く、特に歯頸部では削り取ってしまうリスクがあるため、やわらかめまたはふつうの硬さを選びましょう。また、研磨剤が少ない歯磨き粉を使用し、毛先に少量だけ付けるようにします。酸性の飲食物を摂った直後は、すぐに歯磨きをするとエナメル質を傷めやすいため、30分程度時間を置いてから磨くというルールも大切です。


フッ素入りの歯磨き粉はエナメル質の強化に役立つため、毎日の使用が効果的です。さらに、歯科医院で定期的にプロフェッショナルフッ素塗布を受けることで、歯の耐酸性を高め、楔状欠損の予防に直結します。


定期的な歯科検診により、楔状欠損の初期段階での発見が可能です。 3~6ヶ月に一度のクリーニングとチェックを受けることで、もし欠損が見つかった場合でも早期に対応でき、治療の負担を最小限に抑えることができます。


熊本県のひがし歯科医院による楔状欠損の原因と治療法の詳細解説


All About掲載の楔状欠損(けつじょうけっそん)とは~知覚過敏の症状も含めた医学的解説


スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原による予防と治療法の実践的ガイド






【送料無料】Ci 歯ブラシ ペングリップナビ 超先細+フラット毛 ラウンド加工【25本】