クラスBの袋詰め器具でも、滅菌前に乾燥させないと滅菌が完了しません。
歯科医院で使われる滅菌器には、ヨーロッパ規格EN13060によって定められた3つのクラスが存在します。クラスN・クラスS・クラスBです。この違いを正確に理解していないと、「滅菌している」と思い込んでいても、実際には内部まで蒸気が届いていないケースが起きてしまいます。
クラスN(Naked) は、未包装の固形器具のみを対象とした最もベーシックなタイプです。包装した器具や中空の器具には対応できず、滅菌後はすぐに使用しなければなりません。多くの日本の歯科医院で現在も使われているのがこのクラスNです。
クラスS(Special) は、メーカーが指定した特定の器具に対応できるタイプです。滅菌前に1回だけ真空状態を作り、ハンドピースのような特定の中空器具を滅菌できます。クラスNより性能は上がりますが、対応できる器具の種類に制限があります。
クラスB(Big/Best) は、3クラスの中で唯一、すべての形状の被滅菌物に対応できるタイプです。固形・中空物・多孔体・一重包装・二重包装のいずれもクリアします。これが原則です。クラスbオートクレーブ リサは、このクラスBの基準をクリアしたW&H社製の滅菌器であり、白水貿易株式会社が国内で取り扱っています。
| クラス | 対応器具 | 真空工程 | 包装滅菌 |
|---|---|---|---|
| クラスN | 未包装固形のみ | なし | ❌ |
| クラスS | メーカー指定器具 | 1回 | △(限定的) |
| クラスB | あらゆる形状・包装 | 複数回(パルス真空) | ✅ |
「うちの滅菌器はオートクレーブだから大丈夫」と思いがちですね。しかし、クラスNでは袋に入れた器具の滅菌は保証されていません。クラスBが条件です。
参考:クラスBオートクレーブ リサの製品詳細(白水貿易株式会社)
https://www.hakusui-trading.co.jp/products/07801300/
クラスbオートクレーブ リサの最大の特徴は、パルス真空工程にあります。通常のオートクレーブが「蒸気を入れるだけ」であるのに対し、リサはバキュームと蒸気注入を交互に繰り返すことで、チャンバー内・滅菌パック内・被滅菌物の内部から99.9%以上の空気を除去します。
空気が残ったまま蒸気をかけても、蒸気は器具の奥まで届きません。これは重要です。特に歯科用ハンドピースのような複雑な管構造を持つ器具では、クラスB以外の滅菌器ではタービン内部まで確実に滅菌できないという問題が実際に報告されています。
滅菌サイクルの流れは以下のようになっています。
乾燥工程の温度が80℃程度に抑えられているのも、意外なポイントです。高温での乾燥をかけると、耐熱温度が135℃のハンドピースには負荷がかかりますが、リサでは80℃での真空乾燥のため、器具の傷みが少なく済みます。これは使えそうです。
また、乾燥工程はエコドライ機能によって被滅菌物の量に応じて自動調整されます。2kgの被滅菌物であれば約28分(A4コピー用紙の束約800枚分=約2kgのイメージ)で全工程が完了します。
参考:滅菌器の「クラスB」って、何がすごいの?(かわい歯科クリニック)
https://www.kawai-dent.net/news/2021/12/28/
クラスbオートクレーブ リサには、日常業務を大幅に効率化する2つの機能が搭載されています。ファストサイクルとトレーサビリティです。
ファストサイクルは、緊急時に活躍する「お急ぎモード」です。未包装のハンドピース等(最大2.0kgまで)を13〜21分で処理できます。通常のクラスBサイクル(約28分)より大幅に短縮できるため、患者が連続して来院する繁忙時間帯に威力を発揮します。ただし、ファストサイクル使用時はクラスS相当の滅菌サイクルとなる点に注意が必要です。つまりクラスB規格での滅菌完了とはなりません。用途に応じた使い分けが条件です。
トレーサビリティ機能は、近年の院内感染対策において特に重要性を増している機能です。リサでは全ての滅菌サイクルのレポートが8GB標準搭載USBメモリに自動保存されます。保存される情報は以下のとおりです。
万が一、滅菌が完了していない器具を患者に使用してしまった場合、このデータがあれば原因の特定と報告に役立ちます。また、院内感染が疑われるトラブルが発生した際、トレーサビリティデータは法的・医療倫理的な証拠にもなりえます。
LEDインジケーターの「Elisense Technology」も特徴的です。サイクルの状況やエラー警告をLEDの色で一目で確認でき、ドアを開けたときに被滅菌物がまだ熱い場合もLEDで警告してくれます。スタッフへの安全配慮という面でも優れています。
参考:W&H Lisa クラスBオートクレーブ製品ページ
https://www.wh.com/jp_japan/dental-products/sterilization-hygienic-maintenance/sterilizers/lisa-autoclave
高性能なクラスbオートクレーブ リサも、使い方を誤ると本来の性能を発揮できません。日常の運用でつまずきやすいポイントを整理します。
滅菌前の乾燥は必須です。 被滅菌物が濡れたまま滅菌をスタートすると、濡れた部分が滅菌条件を満たす温度まで上昇しません。これは白水貿易の公式FAQでも明記されており、洗浄・消毒を行った後、必ず被滅菌物を乾燥させてから滅菌を開始する必要があります。
滅菌バッグの置き方にもルールがあります。 可能であれば滅菌バッグは立てた状態で置くのが正しい方法です。横置きの場合は紙面を上にして置き、袋同士が重ならないよう、蒸気の通り道を確保することが重要です。また、滅菌バッグに日付を書く際は、紙面へのペン書きはNGです。油性インクが溶けて器具に付着するリスクがあるため、端のビニール面に書くのが正解です。
ワッテ缶(穴あきタイプ)は直接入れてはいけません。 ワッテ缶をそのままチャンバーに入れると、真空工程でワッテの繊維が吸い込まれ、機械故障の原因になります。必ず滅菌バッグで包装してから入れることが条件です。
給水に使う水の種類にも注意が必要です。 リサの手動給水では、精製水または蒸留水を使用します。水道水には不純物が含まれており、機器の内部に水垢などが堆積する原因になります。フィルター(カートリッジ)の寿命は使用する水量と地域の水質によって異なりますが、約800〜1,000回の使用が目安とされています。
参考:リサ・ララ よくある質問(白水貿易株式会社公式)
https://www.hakusui-trading.co.jp/Lisalala_faq/
クラスbオートクレーブ リサの性能が高いことは広く知られています。しかし、多くの歯科医院がリサを選ぶ理由は「性能だけ」ではありません。この点はあまり語られていないポイントです。
滅菌前の洗浄プロセスとの相性が、実はリサ導入の大きな決め手になっています。滅菌器がいかに高性能でも、器具に血液や唾液などのタンパク質汚れが残った状態では、そのタンパク質が蒸気の浸透を妨げます。そのため、リサを導入している歯科医院の多くが、ドイツMiele(ミーレ)社製の「ジェットウォッシャー(全自動器具洗浄機)」をセットで運用しています。ジェットウォッシャーはISO15883(国際規格)に準拠した機器で、洗浄から消毒まで自動で行います。
この「洗浄→消毒(ジェットウォッシャー)→滅菌(リサ)」という一連のフローは、ヨーロッパでは標準的な感染対策プロセスとして確立されており、日本でも感染管理意識の高い医院を中心に普及が進んでいます。
価格面でも見えにくいコストメリットがあります。 リサの販売価格は1,180,000円(税別)です。決して安い買い物ではありません。しかし、エコドライ機能による乾燥時間の自動調整で熱への露出が抑えられ、器具の劣化が減ることで器具の交換コストが長期的に下がる可能性があります。ハンドピース1本の修理・交換コストは数万円〜十数万円に及ぶことも珍しくないため、器具の長寿命化は無視できないメリットです。
患者への説明・信頼づくりにも活用されています。 一部の歯科医院では、待合室やホームページでリサの導入を積極的に告知し、感染対策への取り組みを患者にアピールしています。「袋に入った器具が取り出される様子」を患者が目にすることで、安心感が生まれます。リサが選ばれる背景には、こうした患者コミュニケーションとしての価値もあります。
参考:STOP院内感染!クラスBオートクレーブ「リサ」(大滝歯科医院)
https://www.ohtaki-shika.com/column/post-10/

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