歯周ポケットが深い患者でもtd菌がゼロのケースがあります
td菌(トレポネーマ・デンティコーラ)は、歯周病を重症化させる「レッドコンプレックス」と呼ばれる3大悪玉菌の一つです。レッドコンプレックスには、P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)、T.f菌(タンネレラ・フォーサイシア)、td菌の3種類が含まれ、これらが揃うと歯周病が急速に進行しやすくなります。 period(https://www.period.tokyo/column/4125/)
td菌の最大の特徴は、らせん状の形状でコルク抜きのようにクルクルと回転しながら移動する点です。この運動性により、歯茎の奥深くまで入り込むことが可能で、通常のブラッシングでは除去が極めて困難です。酸素を嫌う性質があるため、酸素の届かない歯周ポケットの深い部分に棲みつきます。 fukuda-dent(https://fukuda-dent.net/periodontopathic-bacteria/)
強力なタンパク質分解酵素「デンティリシン」を産生し、歯茎の組織や血管を破壊するのがtd菌の攻撃方法です。歯を支える骨が溶かされ、最終的に歯が抜け落ちる原因になります。さらに恐ろしいのは、td菌が歯肉から血管内へ侵入し、免疫機能を低下させながら歯周組織を内側から破壊していく点です。 seiwakai-minami(https://seiwakai-minami.com/cause_of_perio)
td菌は小中高生の頃までに感染し定着することがわかっており、感染経路は唾液感染と考えられています。感染を拡大させる性質があることも特徴です。 oonishi-dc(https://oonishi-dc.jp/cause-of-perio/)
td菌が検出される歯周病は再発率も高いことが分かっています。慢性的で重症、破壊的な歯周病患者の病巣から検出されることが多く、歯周病の重症度の目安になっています。 fragrance-medicine(https://fragrance-medicine.tv/archives/4680)
td菌の検査には、主にPCR検査と位相差顕微鏡検査の2つの方法があります。PCR検査は遺伝子レベルで歯周病原細菌を検査できるため、位相差顕微鏡より正確な診断が可能です。 tsujinaka118(https://tsujinaka118.com/dental/2120/)
PCR検査には院内で迅速に結果が出る装置「Orcoa」があり、45分で検査が完了します。専用のブラシを歯間に通してプラークを採取し、希釈液に浸透させた後、1μL取り出して検出容器に入れます。P.g菌、T.d菌、T.f菌のレッドコンプレックス3種類と、F.n菌などの菌数を測定できます。 hnd-aile(https://www.hnd-aile.com/shinryo/perio/)
結果は数値で示され、基準値以下かどうかが判定されます。治療後の検査では、例えばPg菌が15、Td菌が391、Tf菌が266といった数値で、いずれも基準値以下まで減少したことを確認できます。つまり除菌の成功が定量的に判定可能です。 nakagaki-dental-clinic(https://www.nakagaki-dental-clinic.com/topics/20/)
位相差顕微鏡検査は、歯周ポケット(3mm以上の深い部分)から採取された汚れを顕微鏡で観察する方法です。口腔内に存在する各種菌を映像や画像として直接見ることができますが、らせん状菌(Td菌)の一部しか確認できないという限界があります。 hiraidc(https://hiraidc.net/blog087/)
舌から採取する簡易検査「アドチェック」もあり、レッドコンプレックス3種類の菌に特異的な酵素活性を測定します。綿棒で舌全体を10回以上ぬぐって採取し、専用液に浸けて検査します。 hamieru.co(https://hamieru.co.jp/solutions/pelicheck/)
td菌を含むレッドコンプレックスが検出された場合、歯科的治療と内科的治療を組み合わせた徹底的な除菌が必要です。中〜重度の歯周病では、まず抗生物質で感染を抑える内科的治療を行います。 nakagaki-dental-clinic(https://www.nakagaki-dental-clinic.jp/20inspection/2015periodontitis/post_61.html)
抗生物質が効いているうちに2〜3回程度来院していただき、歯と歯茎の間の歯垢と歯石をすべてきれいに取り除いて除菌します。この方法を「フルマウスディスインフェクション(FMD)」と呼び、1日で歯石除去や根面清掃を済ませることが可能です。 hnd-aile(https://www.hnd-aile.com/shinryo/perio/)
重度の歯周病を引き起こす可能性のある歯周病原菌保菌者には、抗菌療法とフルマウスディスインフェクションの併用がおすすめされています。除菌後は再感染を防ぐため、定期的なメンテナンスと検査が欠かせません。 hnd-aile(https://www.hnd-aile.com/shinryo/perio/)
治療効果の確認には再検査が重要です。治療後2ヶ月で歯周ポケットの深さが3mm未満76.3%、4〜6mmが16.7%、7mm以上7%と改善し、BOP(出血指数)も2.6%まで減少した症例があります。これは機械的除去と抗菌療法の組み合わせが効果的であることを示しています。 nakagaki-dental-clinic(https://www.nakagaki-dental-clinic.com/topics/20/)
歯周組織再生治療としてエムドゲインを用いた方法もあり、重度歯周病でも約2年の治療期間で改善が見られます。費用は保険診療の基本治療に加え、再生療法が165,000円程度です。 hikifune-dc(https://www.hikifune-dc.jp/treatment/)
td菌のPCR検査結果は、患者様への説明ツールとして非常に有効です。数値で菌数を示すことで、目に見えない歯周病の深刻さを理解していただけます。
検査前と検査後の数値を比較することで、治療効果を視覚的に示せます。「Td菌が1500から391に減少しました」といった具体的な数値変化は、患者様のモチベーション向上につながりますね。
位相差顕微鏡を併用すれば、らせん状に動くtd菌の映像を実際に見せることができます。患者様自身の口腔内に潜む菌の動きを目の当たりにすることで、治療の必要性が腹落ちしやすくなります。 hiraidc(https://hiraidc.net/blog087/)
レッドコンプレックス3種類が揃っている場合は、特に注意が必要であることを強調してください。「3大悪玉菌が全部揃っていますので、早急な治療が必要です」と伝えることで、緊急性が伝わります。 period(https://www.period.tokyo/column/4125/)
検査結果をもとに、抗菌療法やフルマウスディスインフェクションの提案を行うと、自費診療への移行もスムーズです。PCR検査フルコースを提供している医院では、徹底的に調べたい患者様向けのメニューとして位置づけています。 tsujinaka118(https://tsujinaka118.com/dental/2120/)
td菌を含む歯周病菌は、歯周ポケットの深い部分に生息するだけでなく、全身疾患との関連が明らかになっています。糖尿病、動脈硬化、早産などのリスク要因となることが報告されており、口臭の原因にもなります。 ohta-dent(https://ohta-dent.com/perio.html)
td菌は歯周ポケットの上皮細胞をきりもみ運動で突き抜け、歯茎に感染した後、体の血管へも入り込みます。このとき、自分だけでなく仲間のP.g菌やT.f菌も一緒に血管に侵入させます。免疫細胞マクロファージをだまして食べられないようにやりすごし、細胞内にスルリと侵入するための毒素を持っているのが特徴です。 matsushitashika(https://www.matsushitashika.com/column/detail-1457/)
血管内に侵入したtd菌は、ベタベタの血管内壁プラークを作ります。これが動脈硬化の一因となり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。歯周病治療は口腔内だけでなく、全身の健康を守るために重要です。 matsushitashika(https://www.matsushitashika.com/column/detail-1457/)
糖尿病患者では歯周病が悪化しやすく、逆に歯周病があると血糖コントロールが困難になる双方向の関係があります。td菌の除菌は、糖尿病管理の観点からも意味があります。
妊娠中の女性では、歯周病菌が早産や低体重児出産のリスクを高めることが知られています。妊娠前または妊娠初期にtd菌を含む歯周病菌の検査と除菌を行うことが、母子の健康維持に役立ちますね。
歯周病の原因となる歯周病菌の種類と全身への影響|東京都の歯周病専門医による詳細解説