n95マスク付け方クロス 歯科医療従事者の装着ガイド

N95マスクのゴムひもをクロスさせる装着法は実は間違い?歯科医療従事者が知っておくべき正しい付け方とフィットテストの重要性、エアロゾル対策の実践方法を解説します。あなたの装着法は本当に安全ですか?

n95マスク付け方とクロス装着の正しい理解

ゴムひもをクロスさせると感染リスクが上がります。


この記事の3ポイント要約
クロス装着は誤り

N95マスクのゴムひもをクロスさせる装着法は推奨されていません。上部のゴムは頭頂部、下部のゴムは後頸部に正しくかけることで密着性が保たれます。

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フィットテストの重要性

歯科医療現場では1回目の装着で漏れ率が安全域となるのは85%程度。定量的フィットテストで漏れ率1%以下を確認することが医療従事者の安全を守ります。

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エアロゾル発生手技での必須装備

歯科治療は高頻度でエアロゾルが発生する処置です。スケーリングや超音波スケーラー使用時にはN95マスクの正しい装着が職業感染予防の鍵となります。


n95マスクのゴムひもクロス装着が推奨されない理由


多くの歯科医療従事者が誤解しているN95マスクの装着方法があります。それは「ゴムひもをクロスさせる」という方法です。


実は、この方法は医療用N95マスクでは推奨されていません。国立感染症研究所や東京都の個人防護具着脱マニュアルでも明記されていますが、「ゴムはクロスさせない」ことが基本原則です。


その理由は密着性の問題にあります。N95マスクのゴムをクロスさせると、患者ケアの際にマスクが顔面上で移動する可能性が高まります。これは装着位置のズレを引き起こし、マスクと顔面の間に隙間を作る原因となるのです。


正しい装着方法はシンプルです。上部のゴムバンドは頭頂部に、下部のゴムバンドは後頸部(首の後ろ)にかけます。この時、2本のゴムバンドの角度が90度になるように調整することで、マスクが顔面に適切に密着します。


順天堂大学医療看護学部の研究論文「感染性の高い疾患に対する個人防護具着脱技術に関する文献レビュー」では、N95マスク装着時のゴムをクロスさせない理由として、ストラップが交差すると顔面への圧力分布が不均等になり、密着不良が生じやすいことが指摘されています。


歯科診療では長時間の装着が求められる場面も多いため、正しい装着法を身につけることが重要です。耳掛けタイプのN95マスクも市販されていますが、頭掛けタイプと比較するとフィット性が劣ることがあります。密着性を最優先するなら、頭掛け式を選択し、クロスさせずに装着しましょう。


つまり正しい装着が感染予防の基本です。


n95マスク装着時のフィットテストと漏れ率の実態

歯科医療従事者にとって、N95マスクが正しく装着できているかを確認する「フィットテスト」は命を守る重要な検査です。しかし、日本の医療現場でのフィットテスト実施率は驚くほど低いのが現状です。


2011年に実施された感染管理認定看護師595名を対象としたアンケート調査によると、1年に1回以上フィットテストを実施している施設はわずか25.7%でした。さらに、実施したことのない施設が32.8%も存在していたのです。


では、フィットテストで何が分かるのでしょうか?


定量的フィットテストでは「漏れ率」と「フィットファクター(FF)」が数値で示されます。フィットファクターとは、マスク外側の粒子数をマスク内側の粒子数で割った値です。例えばFFが100であれば、マスク内側は外側に比べて100倍きれいな状態、つまり漏れ率は1%ということになります。


米国労働安全衛生庁(OSHA)の基準では、FFが100以上(漏れ率1%以下)が合格ラインです。これは言い換えれば、99%以上の粒子が正しくフィルタリングされている状態を意味します。


興研株式会社の調査データによると、1回目の装着で漏れ率が安全域となった割合は採用品のN95マスクで85%と最も高く、従来品(くちばし型)が78%、従来品(カップ型)が42%という結果でした。つまり、カップ型マスクでは半数以上の医療従事者が初回装着で適切な密着性を得られていないのです。


歯科医療現場では、タービン超音波スケーラーの使用により0.1~0.3μmサイズのエアロゾルが大量に発生します。このサイズの微粒子はN95マスクのフィルター性能(0.3μm粒子を95%以上捕集)で対応できますが、前提として正しい装着が必須です。


漏れ率が高い状態での診療は危険です。


フィットテストは入職時だけでなく、体重の増減で顔貌が変わった時や、新しいマスク製品を導入した時にも実施すべきです。米国では年1回の実施が義務付けられていますが、日本には法的義務がありません。しかし、自分の身を守るため、また患者さんへの二次感染リスクを下げるためにも、積極的にフィットテストを受けることをお勧めします。


職業感染制御研究会が発行する「医療従事者のためのN95マスク適正使用ガイド」には、定量的フィットテストの具体的な実施手順とプロトコルが詳細に記載されています。


n95マスク装着時のユーザーシールチェック実践法

フィットテストは年に数回の実施ですが、N95マスクを装着する「毎回」実施すべきなのがユーザーシールチェックです。このチェックは、マスクと顔面の密着性を自分自身で確認する簡易的な方法です。


ユーザーシールチェックの手順は以下の通りです。


まず、N95マスクを装着し、両手でマスク全体を覆います。


次に、息を大きく吸い込んでみてください。


この時、マスクが顔に引き寄せられる感覚があり、マスクの脇や鼻周辺から空気が漏れ入る感じがなければ陰圧チェックは合格です。


続いて、息を強く吐き出します。マスクが顔から浮き上がる感覚があり、マスクの端から空気が漏れる感じがなければ陽圧チェックも合格です。


このチェックで最も漏れやすいのは鼻とあごの周囲です。特に鼻の両脇とあごの先端部分は、顔の凹凸により隙間ができやすい箇所となります。


もし空気の漏れを感じたら、どうすればいいんでしょう?


まずノーズワイヤ(鼻あて部分の金属部分)の調整を行いましょう。両手の指で鼻あてを軽く押さえ、鼻の形に沿わせるようにゆるやかなカーブをつけます。この際、ノーズワイヤを鋭角に曲げると頂点に隙間ができてしまうため注意が必要です。


ゴムバンドの位置調整も重要です。上部のゴムが耳の上ではなく頭頂部近くに、下部のゴムが首の後ろにしっかりかかっているかを確認します。ゴムがねじれていたり、耳たぶに重なっていると、マスク本体が正しい位置からズレてしまいます。


歯科診療中は会話や顔の動きが頻繁にあります。診療開始前だけでなく、休憩後にマスクを付け直した際にも必ずユーザーシールチェックを実施してください。特にマスクを一時的に外して再装着する場合、最初の装着位置と異なる位置に着けてしまうことがよくあります。


チェックは30秒もかかりません。


3M日本のヘルスケア製品情報サイト「N95マスクの適切な装着・フィットテスト」では、ユーザーシールチェックの具体的な手順を動画付きで解説しています。


装着のたびに毎回確認する習慣をつけることで、エアロゾル曝露リスクを大幅に低減できます。


歯科医療におけるn95マスクの必要性とエアロゾル対策

歯科診療は、医療行為の中でも特にエアロゾル発生リスクが高い処置として知られています。エアロゾルとは、空気中に浮遊する微小な液体または固体の粒子のことで、粒子径は一般的に0.001~100μm程度です。


厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症への対応について」では、エアロゾル産生手技を実施する場合や激しい咳のある患者に対応する場合にN95マスクの装着が明記されています。


歯科診療における主なエアロゾル発生手技には以下のようなものがあります。


📌 高速タービンによる歯牙切削
📌 超音波スケーラーによる歯石除去
📌 エアアブレーションによる研磨
📌 3wayシリンジからのエアー・水噴射
📌 口腔内バキューム使用時の飛散


これらの処置では、患者の唾液や血液を含むエアロゾルが診療室内に広範囲に拡散します。昭和大学歯学部の研究によると、歯科用タービン使用時には半径2メートル以内にエアロゾルが飛散することが確認されています。


エアロゾル粒子のサイズは空気感染を考える上で重要です。5μm以上の大きな粒子は「飛沫」と呼ばれ、重力により比較的早く落下します。一方、5μm未満の微小粒子は「エアロゾル」として長時間空中を浮遊し、換気が不十分な環境では数時間も漂い続けます。


サージカルマスクの限界も知っておくべきです。


サージカルマスクは主に着用者から排出される飛沫を防ぐ目的で設計されており、外部からの微小粒子の吸入を防ぐ機能は限定的です。フィルター性能としてBFE(細菌ろ過効率)やPFE(微粒子ろ過効率)が表示されていますが、顔面との密着性が保証されていないため、隙間から粒子が侵入します。


N95マスクとサージカルマスクの最大の違いは「顔面への密着性」と「微粒子捕集効率」です。N95マスクは0.3μmの微粒子を95%以上捕集でき、かつ顔面に密着する設計となっています。


日本口腔外科学会の「新型コロナウイルス感染症流行下における口腔外科手術に関する指針」では、エアロゾルを伴う医療行為を行う医療従事者に対して、N95マスクを含む感染防御策の重要性が強調されています。


日本歯科医師会が発行する「歯科医療機関における新型コロナウイルス感染症の5類移行後の対応」には、歯科特有のエアロゾル対策と個人防護具の選択基準が詳しく記載されています。


口腔外バキュームの併用も効果的な対策です。エアロゾルの発生源である患者の口元近くで強力に吸引することで、診療室内への飛散を大幅に減らせます。ただし、口腔外バキュームを使用していても、医療従事者本人の呼吸器防護としてN95マスクは必須です。


n95マスク選びと歯科医療現場での独自の活用ポイント

N95マスクには複数の形状タイプがあり、歯科医療従事者が選ぶ際には自分の顔型に合ったものを見つけることが最優先です。


主な形状は3種類あります。カップ型は既に立体形状が決まっているため型崩れしにくく、長時間の装着に向いています。二つ折りたたみ式(プリーツ型)は縦型と横型があり、コンパクトに保管できる利点があります。三つ折りたたみ式は3つのパネル構造で顔の動きに追従しやすく、フィット性が高いのが特徴です。


歯科診療では顔を動かす機会が多いため、動作時の密着性維持が重要です。


選ぶ際の重要なチェックポイントは、まず自分の顔のサイズに合ったものを選ぶことです。N95マスクにはレギュラーサイズとスモールサイズがあり、女性や顔の小さい方はスモールサイズの方がフィットしやすい傾向があります。


ゴムバンドのタイプも考慮すべき要素です。ゴムバンドの長さが調整できるタイプは、個人の頭のサイズに合わせて最適な締め付け具合に調整できます。一方、調整できないタイプは装着が簡単ですが、人によってはきつすぎたり緩すぎたりする場合があります。


ノーズワイヤの柔軟性も見逃せないポイントです。硬すぎるワイヤは鼻への圧迫感が強く、柔らかすぎるワイヤは密着性を保ちにくくなります。適度な柔軟性があり、一度曲げた形状を保持できるものが理想的です。


歯科医院で複数の製品を試着してみることをお勧めします。同じN95規格でもメーカーや製品によって顔へのフィット感は大きく異なります。可能であれば、試着時に簡易的なユーザーシールチェックを行い、漏れがないかを確認しましょう。


再使用に関する注意点も押さえておきましょう。


N95マスクは本来使い捨て製品ですが、供給不足時には例外的な再使用が認められる場合があります。厚生労働省の「N95マスクの例外的取扱いについて」では、名前を記載した紙袋に保管し、1日1回の交換を基本とする方法が示されています。ただし、マスク表面が湿潤した場合や、明らかな汚染がある場合は即座に交換が必要です。


保管時はマスク表面に触れないよう、ゴムバンド部分のみを持って袋に入れます。紙袋は通気性があり、湿気がこもりにくいため推奨されています。ビニール袋やジップロックは湿気で細菌が繁殖しやすいため避けるべきです。


滅菌器での再処理は推奨されていません。高温や化学薬品による滅菌処理はフィルター性能やゴムバンドの伸縮性を劣化させる可能性があるためです。


医療機関でフィットテストを年1回実施することを院内ルール化している歯科医院も増えています。定量的フィットテスターは柴田科学株式会社のマスクフィッティングテスターMT-11Dなどが入手可能で、複数スタッフのテストを効率的に実施できます。


柴田科学株式会社のマスクフィッティングテスター製品情報では、装置の仕様や測定原理について詳細な情報が提供されています。


自分に合ったN95マスクを見つけ、正しい装着法を習得することが、歯科医療従事者としての長期的な健康維持につながります。日々の診療で「装着のたびに毎回ユーザーシールチェック」を習慣化し、年1回のフィットテストで客観的な検証を行う。この2つの実践が、エアロゾル曝露から身を守る最も確実な方法です。




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