メス歯科種類と使い分けの選択基準

歯科医療で使用するメスの種類は多岐にわたり、それぞれ異なる特性と用途があります。番号別の使い分けや材質の違い、安全性を考慮した選択方法を知っていますか?

メス歯科種類と基本

替刃メスの使い回しは院内感染の原因です


この記事の3つのポイント
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歯科メスの番号別特徴

No.15は円刃刀で安定した切開、No.11は尖刃刀で細かい切開、No.12は彎刃刀で困難部位へのアクセスに使用する

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材質による使い分け

ステンレス製とカーボン製の2種類があり、切れ味と耐久性のバランスで選択する

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安全メスの導入効果

リトラクタブルタイプの安全メスは従来型より事故リスクを最大5倍低減できる


歯科メスの基本構造と番号体系


歯科治療で使用されるメスは、主に替刃メスとして知られる2ピース構造が一般的です。この構造は、1915年にMorgan Parkerが特許を取得したデザインを基礎としており、ハンドル部分と刃の部分が分離可能になっています。ハンドルは再利用が可能ですが、刃は使い捨てが原則です。


歯科用メスの刃には番号が振られており、それぞれ異なる形状と用途を持っています。番号体系は世界共通の規格となっており、歯科医療従事者であれば世界中どこでも同じ番号で同じ形状の刃を指定できる仕組みです。日本では主にフェザー安全剃刀と貝印の2社が製造しており、どちらも岐阜県関市に本社を置く刃物メーカーです。


メスの刃の形状は大きく分けて3つのカテゴリーがあります。円刃刀は刃の腹で切る構造になっており、切開の方向や深さの安定性に優れています。尖刃刀は先端が鋭く尖っており、細かい切開に向いています。彎刃刀は湾曲したカギ状の形状で、アクセスが困難な部位での切開に使用されます。


ハンドルにも番号があり、No.3ハンドルは10番台の刃に対応し、No.4ハンドルは20番台の刃に対応しています。No.7ハンドルは長いペン型の形状をしており、微細な手術に適しています。ハンドルの長さはNo.3が約13cmで、No.4はそれより大きい形態です。


歯科医院では患者ごとに新しい刃を使用することが基本です。刃の交換は替刃メス着脱鉗子を使用して行い、絶対に持針器を使用してはいけません。これは安全管理上の重要なルールとなっています。


歯科メスNo.15の円刃刀の特性と用途

No.15メスは歯科外科で最も頻繁に使用される円刃刀です。刃の形状は緩やかな曲線を描いており、刃の腹で組織を切る構造になっています。刃の長さは約2cm程度で、これは500円玉の直径とほぼ同じサイズです。


円刃刀の最大の特徴は切開の方向と深さをコントロールしやすいことにあります。刃の腹を使って切るため、組織に対して均一な圧力をかけることができ、切開線が滑らかになります。これにより術後の治癒が良好になる傾向があります。


歯周外科手術では、歯肉の剥離や歯肉弁の形成にNo.15メスが使用されます。特に歯肉縁の切開や歯間乳頭部の切開において、その安定性が高く評価されています。切開の深さが一定に保たれるため、骨膜を傷つけるリスクが低くなります。


インプラント手術においてもNo.15メスは重要な役割を果たします。歯肉の切開から剥離までの一連の操作で使用され、視野の確保に貢献します。切開線の設計次第で術後の審美性が大きく変わるため、メスの選択と使用技術が重要になります。


No.15よりも小さいNo.15cというバリエーションも存在します。これは歯周形成外科や歯周再生手術など、より微細な手術に適しています。刃の幅が狭く、細かい操作がしやすい設計です。マイクロスコープを使用した手術では、このNo.15cが選択されることが多くなっています。


歯科メスNo.11の尖刃刀とNo.12の彎刃刀の使い方

No.11メスは三角形の鋭い先端を持つ尖刃刀です。この形状により、ピンポイントでの切開や穿刺が可能になります。刃の先端部分は非常に鋭利で、軟組織への侵入が容易です。


尖刃刀の主な用途は膿瘍の切開や排膿処置です。膿が溜まった部位に対して、最小限の侵襲で切開を加えることができます。また、縫合糸の除去や細かい粘膜切開にも使用されます。押す力で切るタイプのメスなので、引く動作ではなく押す動作で使用します。


No.12メスは内側に曲線を持つ三日月形の彎刃刀です。カギ状に湾曲しているため、解剖学的にアクセスが困難な箇所での切開に威力を発揮します。特に上顎埋伏智歯を抜歯する際の延長切開や、臼歯部の歯間乳頭部の切開に適しています。


臼歯部での手術では、口腔内の空間が狭く、直線的なメスでは届きにくい部位が多く存在します。No.12メスの湾曲した形状は、こうした制約のある環境下で正確な切開を可能にします。歯冠遠心部や上顎結節部の切開にも頻繁に使用されます。


これら2種類のメスを使い分けることで、手術の効率性と安全性が向上します。例えば前歯部ではNo.11を使用し、臼歯部ではNo.12に持ち替えるといった使い分けが一般的です。メスの特性を理解して適切に選択することが、手術の成否を左右します。


メス材質の違いとステンレス製とカーボン製の選択

歯科用替刃メスの材質には、ステンレス鋼とカーボン鋼の2種類があります。どちらも同じ刃先形状ですが、材質の違いにより切れ味と耐久性に差が生じます。フェザー安全剃刀はこの2種類を提供しており、術者の好みや手術内容に応じて選択できます。


ステンレス製メスは錆びにくく、保管が容易な特徴があります。湿度の高い環境でも劣化しにくいため、在庫管理がしやすいメリットがあります。切れ味はカーボン製に比べるとやや劣りますが、歯科外科で使用する分には十分な性能を持っています。


カーボン製メスは非常に鋭い切れ味を持ちます。初期の切れ味はステンレス製を上回り、組織への侵襲が最小限に抑えられます。ただし錆びやすい性質があり、保管には注意が必要です。高価な材質であるため、ステンレス製よりも価格が高くなる傾向があります。


実際の使用場面では、ステンレス製の方が圧倒的に普及しています。コストパフォーマンスに優れ、使い捨てという使用形態にも適しているためです。一方、カーボン製は特に繊細な手術や長時間の手術で、切れ味の持続性が求められる場合に選択されます。


最近では窒化ジルコニウムでコーティングされたエッジを備えたメスも登場しています。このコーティングにより、脂肪の付着が低減され、優れた切れ味が持続します。低摩擦コーティング技術により、組織の損傷を最小限に抑えながら正確な切開が可能になります。


歯科メスの安全管理と針刺し事故防止対策

医療現場における針刺し事故は深刻な問題です。研究によると、再使用可能なメスよりも替え刃メスの方が4倍多くの事故が発生しているというデータがあります。これは刃の取り付けや取り外しの際に事故が起こりやすいためです。


安全メスの導入は事故リスクを大幅に削減します。リトラクタブルタイプの安全メスには、引込み式ブレードと引込み式シースの2種類があります。引込み式ブレードは標準的なボックスカッターと類似した構造で、使用後にブレードを本体内に収納できます。引込み式シースタイプは、刃をシースで覆う方式です。


片手刃除去器具の使用も事故防止に効果的です。医療分野の報告では、片手状のメス刃除去器具は一体型メスよりも最大5倍安全であるとされています。ブレードリムーバーを使用することで、指や鉗子を危険に晒すことなく、安全にハンドルから刃を取り外すことができます。


ディスポーザブルメスの適切な管理も重要です。使用済みのメスは専用の廃棄容器に直ちに廃棄し、絶対に再利用してはいけません。医薬品医療機器等法により、使い捨て医療機器には「再使用禁止」の表示が義務付けられており、これに違反すると法的責任を問われる可能性があります。


ハンズフリー技術の導入も推奨されています。これは器具の受け渡しを専用トレイを介して行う方法で、直接の手渡しを避けることで事故リスクを低減します。歯科医師と歯科助手の間でメスを受け渡す際、声に出して確認しながらトレイを使用することが基本です。


滅菌管理の徹底も忘れてはなりません。メスの刃は個別の滅菌パックに詰められた状態で供給されますが、開封後は速やかに使用し、開封したまま放置しないことが原則です。滅菌バッグは単回使用であり、再利用はできません。


最新の歯科専用メスと歯周外科用新規開発メス

歯周外科手術に特化した新規開発メスが登場しています。朝日大学歯学部とフェザー安全剃刀の産学共同研究により、従来のメスでは対応しきれなかった課題を解決する新しい形状のメスが開発されました。


円形替刃メスNo.370は、歯肉部分層弁の作成に特化した設計です。円形の刃の特徴は、切開が必要な部位に最小の接触で切開できることです。ポイントでの切開が可能なため、上皮への侵襲を最小限に抑えられます。臨床研修医を対象にした研究では、従来のNo.15メスと比較して歯肉部分層弁形成の成功率が有意に高い結果が示されました。


No.390とNo.390Cは両刃設計の短いブレードを持ちます。ブレードが短いため、目的の歯肉以外を損傷するリスクが少なくなっています。さらに頚部を10度程度屈曲させることが可能で、臼歯の豊隆に対応できる柔軟性があります。この屈曲機能により、解剖学的に複雑な部位でも正確な切開が可能になります。


マイクロメスの普及も進んでいます。通常の小さい刃のメスよりもさらに幅が狭く、約2~3mm程度の極細の刃を持っています。この幅の狭さにより、歯茎を切る際に非常に細かい操作が可能になり、術後の傷跡が目立ちにくくなります。マイクロスコープを用いた微細手術では、このマイクロメスが標準的な選択肢となっています。


ディスポーザブルではない高価な専門メスも存在しますが、最近の開発では衛生面、安全面、経済性を同時に考慮したディスポーザブルタイプが主流です。これにより感染リスクを最小限に抑えながら、コストも抑えられる環境が整いつつあります。


歯周形成外科や歯周再生手術においては、こうした専門メスの選択が治療成績を左右します。非熟練歯科医でも成功率を向上させる可能性が示唆されており、教育面でも有効なツールとなっています。新しいメスの登場により、より確実で安全な歯周外科が期待できる時代になっています。


歯周外科用ディスポーザブルメスの最新研究 - 日本歯周病学会誌




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