骨腫は緻密骨あるいは海綿骨の増殖からなる良性腫瘍です。組織学的には、種々の割合で線維脂肪髄を持つ成熟層板骨組織から構成されています。通常は単発性で、口腔領域ではしばしば遭遇する疾患です。
特に重要なのは、骨腫が必ずしも患者の自覚症状を伴わないことです。多くの場合、ルーチンの歯科X線検査で偶然に発見されます。患者本人は全く症状がないまま、画像検査によってのみ病変が明らかになるケースが大多数です。
骨腫は緩慢に発育することが特徴です。
つまり急速に悪化する心配はほぼありません。
歯が動いたり、歯並びに影響を与えることはありますが、これらの変化は極めて徐々に進行します。
骨腫には中心性と周辺性の2つの型があり、レントゲン画像で明確に区別できます。中心性骨腫は骨内部に生じ、やや境界不明瞭なX線不透過像と周囲の骨の膨隆を示します。一方、周辺性骨腫は皮質骨から隆起した境界明瞭で均一な不透過像を呈します。
特に中心性骨腫は、パノラマX線撮影で偶然に発見されることが極めて多いです。患者が定期健診のために来院したときに初めて発見される場合がほとんどです。このため、歯科医師が日常的に撮影するX線検査が、重要なスクリーニングツールになります。
組織学的には両者とも同じ成熟層板骨組織からなります。つまり、組織所見だけでは完全な鑑別が困難なのです。
この点が臨床診断の際に重要になってきます。
骨増殖性疾患の中で最も混同しやすいのが外骨症です。歯科医師国家試験でも頻出のテーマで、臨床実務では正確な鑑別が求められます。骨の増殖する疾患を骨腫と総称しますが、厳密には骨増殖性の真の腫瘍は少なく、外部に向かって膨隆したものは外骨症または骨隆起と呼んで区別するのが原則です。
外骨症は骨軟骨腫とも呼ばれ、四肢の長管骨に好発する疾患とは異なります。実は多くの歯科医師が外骨症と骨腫の組織学的違いについて明確に理解していません。実務では臨床所見やX線所見から判定せざるを得ないという実態があります。
外骨症は、軟骨冠をかぶった骨の増殖です。これに対し骨腫は軟骨成分を含まない純粋な骨組織です。この違いが長期的な成長パターンに影響を与えます。
ガードナー症候群は家族性大腸ポリポーシス(FAP)と同義語で扱われることがあり、大腸ポリポーシス、多発性骨腫、軟部腫瘍を伴う遺伝性疾患です。口腔・顎顔面症状としては埋伏歯が50%、過剰歯が23.68%、欠損歯が18.42%の頻度で見られます。
最も驚くべき統計は、放射線学的に骨腫が84.21%の患者に認められるという事実です。つまり、Gardner症候群患者のほぼ全員に骨腫が存在するのです。通常の患者集団では1~2%の発症率ですが、FAP患者では30~75%に達します。
歯科医が下顎舌側や口蓋部分にX線不透過像を発見した場合、それが Gardner症候群の初期兆候かもしれないという視点を持つことが極めて重要です。この認識が欠けると、全身的な悪性腫瘍スクリーニングの開始が遅れる可能性があります。
歯科医院は多くの患者が定期的に訪れる医療施設です。特にパノラマX線撮影は、ルーチン検査として実施されます。このため、顎骨領域の病変を発見する最初の機会は、ほぼ全例で歯科医師にあります。
骨腫が単発性であることを前提に診断している医師が多いのが現実です。しかし複数の骨腫を認めた場合、あるいは過剰歯や埋伏歯などの歯の異常を伴っている場合は、Gardner症候群の可能性を念頭に置く必要があります。
患者の健康保険診療報酬改定では、口腔内スクリーニングの重要性が増していますが、骨病変の発見も同じ枠組みで評価されるべき機能です。一つの骨腫を診断して終わりではなく、その背景にある全身疾患の有無を検討することが、歯科医の職責です。
患者がもし知らないうちに大腸がんの リスク状態にあったなら、早期診断と予防的措置が生死を分けます。骨腫の発見が、その分岐点になる可能性があるのです。
矯正歯科情報サイトでは、FAP/Gardner症候群における口腔症状の比較として、骨腫の30~75%発症率という数値が解説されており、通常の1~2%との対比が明確に示されています。
日本口腔病理学会による口腔病理基本画像アトラスは、医学生や歯科医師向けの標準教材として、中心性骨腫と周辺性骨腫の画像診断法を詳細に解説しており、臨床実務での鑑別診断の参考になります。
骨腫という一見単純な病変から、全身疾患へのアプローチが始まります。歯科医の診断眼が患者の人生を変える可能性を、日々の診療の中で自覚することの重要性は計り知れません。

女性用足裏パッド8枚セット、ソフト中足骨フットベッドインソール、ゲル中足骨パッドインソール、サポーター 、足裏保護パッド