A3のシェードでホワイトニングを始めたら、最終ゴールまでに平均8回以上の施術が必要になるケースがあります。
シェードガイドとは、歯の色味と明るさを一覧化した「歯の色見本」のことです 。ホワイトニング施術だけでなく、補綴物(詰め物・被せ物)の色合わせにも必須のツールであり、歯科臨床において最も基本的なカラーコミュニケーションツールと言えます 。 shirokane-smile(https://shirokane-smile.com/whitening/3300)
歯科業界で最も広く使われているのが、ドイツのVITA社が製造した VITAシェードガイド です 。このガイドは歯の色を 16段階 に分類しており、色調の系統を次の4つのアルファベットで表します : nobu-dental(https://nobu-dental.com/archives/593/)
- 🔴 A系:赤茶系(オレンジがかった色)
- 🟡 B系:黄色系(黄色っぽい色)
- ⚫ C系:グレー系(灰色がかった色)
- 🟤 D系:赤灰系(赤みを帯びたグレー)
各系統の後ろの数字(1〜4)が「明るさ」を表し、数字が小さいほど明るくなります 。つまり赤系であれば、明るい順にA1→A2→A3→A3.5→A4 となります。 nobu-dental(https://nobu-dental.com/archives/593/)
A、B、C、Dすべての色を明るい順に並べると以下のようになります : shirokane-smile(https://shirokane-smile.com/whitening/3300)
| 明るい ← 順番 → 暗い |
|---|
| B1 → A1 → B2 → D2 → A2 → C1 → C2 → D4 → A3 → D3 → B3 → A3.5 → B4 → C3 → A4 → C4 |
これが原則です。この並びは直感とずれることがあるため、現場での確認習慣が大切です。
特筆すべき点として、A3は16段階中9番目の明るさ、A3.5は12番目にあたります 。日本人の平均的な歯の色がこのA3〜A3.5であることを考えると、多くの患者の歯は「明るさの序列ではやや暗い位置」にあることになります 。これは意外ですね。 tajima-do(https://tajima-do.com/blog/45895)
参考:VITAシェードガイドの詳細な色分類とホワイトニングのシェード変化について
シェードガイド(歯の色見本)とホワイトニングのシェード変化 – ホワイトニング歯医者
VITAシェードガイドとは別に、ホワイトニング専用の指標として Sシェードガイド(S2〜S40) が使われる場面もあります 。この数値は小さいほど白く、大きいほど黄色みが強い色調を示します。 whiteningnet(https://whiteningnet.com/oral-news/?p=2753)
日本人の平均的な歯の白さは、このSシェードで S30〜S32程度 とされています 。これが一つの基準です。Sシェードの目安は以下のとおりです : yobou-shika(https://yobou-shika.net/column/195)
| シェード値 | 白さの印象 |
|---|---|
| ✅ S12以下 | 白い印象を与える |
| 🟡 S14〜S30 | 歯の色に違和感がない(自然な範囲) |
| 🔴 S32以上 | 歯が黄色いという印象を与える |
ホワイトニングで一般的に目指す白さは S12〜S14程度 の自然な白さです 。芸能人のような極端な白さ(S2〜S4)は、歯科的には「不自然な白さ」として区分されます 。つまりS12が条件です。 whiteningcafe(https://whiteningcafe.jp/column/whitening-limit/)
ここで歯科従事者として注意したいのは、患者が「芸能人みたいに白くしたい」と希望した場合でも、天然歯へのホワイトニングの到達限界はおおむね S10前後 が現実的な上限とされている点です 。その差を患者が理解しているかどうかを確認する必要があります。これは使えそうです。 whiteningcafe(https://whiteningcafe.jp/column/whitening-limit/)
参考:Sシェードガイドと日本人平均の白さについての詳細解説
平均的な歯の白さはどれくらい?不自然な白さにならないために – ホワイトニングカフェ
ホワイトニングの効果は「シェードガイドで何段階明るくなったか」で表現します 。一般的に1回の施術で期待できる段階数は、2〜4段階程度 とされています 。 rinku-hohoemi(https://www.rinku-hohoemi.com/content/815/)
現在の歯の白さによって改善の見込みは異なります : nihonshika.co(https://nihonshika.co.jp/column/p11829/)
| 施術前のシェードレベル | 期待される改善幅 |
|---|---|
| A4〜A3.5(かなり黄色み) | 3〜5段階の改善が可能 |
| A3〜A2(やや黄色み) | 2〜4段階の改善が可能 |
| A1〜B1(比較的明るい) | 1〜2段階の改善が可能 |
たとえば日本人平均のA3からB1(最も明るいレベルのひとつ)を目指す場合、B1はシェードの並びでA3から8段階 明るい位置にあります 。1回あたり2〜4段階の改善とすると、最低でも 2〜4回の施術 が必要になる計算です。 shirokane-smile(https://shirokane-smile.com/whitening/3300)
これは患者への説明で非常に重要な数字です。「1回やれば芸能人みたいになれる」という誤解を事前に解消できます。段階数だけ覚えておけばOKです。
なお、ホームホワイトニングでは通常 2〜8段階 の色調改善が期待できますが、多くの患者が満足するのは 3〜5段階程度 の明るさアップとされています 。オフィスとホームを組み合わせるデュアルホワイトニングを提案する際にも、この段階数の根拠として活用できます。 nihonshika.co(https://nihonshika.co.jp/column/p11829/)
参考:ホームホワイトニングのシェード変化と改善段階の解説
最上級の白さを安全に実現するホームホワイトニング – 日本歯科コラム
「シェードガイドで高い数値の患者にホワイトニングをすれば必ず白くなる」と思い込んでいる歯科従事者は少なくありません。厳しいところですね。
実際には、以下のような症例では通常のホワイトニングでは白さに限界があります。
- 🦷 テトラサイクリン歯:内部に薬剤が沈着しており、過酸化水素系薬剤での改善が難しい。重篤な例ではラミネートべニアや補綴治療が現実的な選択肢になる。
- 🦷 失活歯(神経を取った歯):内部から変色しているため、ウォーキングブリーチなど専用の処置が必要。通常のオフィスホワイトニングでは効果が出にくい。
- 🦷 フッ素症(斑状歯):白濁や茶褐色の斑紋が生じている場合、ホワイトニングでは逆に白濁を強調してしまうことがある。
- 🦷 加齢による象牙質の透過性変化:エナメル質が薄くなることで、象牙質の黄色みが増す。薬剤を使っても構造的に改善しにくい。
これらの症例に対して、シェードガイドだけを見て「A4だからホワイトニングで改善できる」と判断するのは危険です。問診・X線検査・歯肉の状態確認と合わせた総合的な評価が原則です。
患者のシェードがA4以上の暗い色調であっても、原因が「着色」なのか「内因性変色」なのかを見極めた上で、適切な処置を提案することが歯科従事者としての責務です。シェードガイドはあくまで「状態の可視化ツール」であり、治療方針の決定は臨床判断が条件です。
一般的なホワイトニングの解説記事では触れられていないポイントがあります。それは「シェードガイドを患者との合意形成ツールとして使う」という視点です。これは意外ですね。
多くの歯科医院では、シェードガイドは術者が「現状を把握する」ための道具として使っています。しかし、患者自身に色を見せてゴールを決めさせるという使い方は、クレーム防止と満足度向上の両面で非常に有効です。
具体的な手順は以下のとおりです。
1. 📋 初診時のシェード計測:VITAシェードガイドで現状のシェードを患者と一緒に確認する。「今はA3.5ですね」と数値で共有する。
2. 🎯 ゴールシェードの合意:「A1〜B1を目指しますか、それとも自然なA2程度でよいですか?」と選択肢を提示する。
3. 📝 施術回数の見積もり提示:ゴールまでに必要な回数を段階数から逆算して説明する。
4. 🔄 施術後の比較記録:毎回同じシェードガイドで測定し、「2段階改善しました」と数値で進捗を伝える。
この手法のメリットは明確です。患者が「思ったより白くならなかった」と感じるリスクを大幅に低減できます。実際、ホワイトニングのクレームの多くは「思っていた白さと違う」という期待値のズレから生じています。シェードガイドを合意書代わりに使うことで、施術前後のギャップを数値として管理できます。
また、経過記録をカルテに残すことで、次回来院時に「前回A3だったのが今回A2になりました」という具体的な報告が可能になります。患者のリピート率向上にもつながる取り組みです。
参考:ホワイトニングの白さの基準とシェードガイドの臨床的活用法
歯の白さの基準ってあるの?ホワイトニングの白さについて – タジマ歯科