自院新製6ヶ月以内の修理は点数が半額に減算されます
有床義歯修理の基本点数は260点です。
装着料も含まれています。
ただし、自院で新たに製作した有床義歯を装着した日から起算して6ヶ月以内に修理を行った場合は、所定点数の50%、つまり130点で算定することになります。
この減算ルールは非常に重要です。
新製した義歯は通常6ヶ月程度は問題なく使用できるという前提があるためです。装着直後の短期間で修理が必要になった場合、製作時の問題や調整不足の可能性が考慮され、診療報酬が半額に設定されています。
実際の医療現場では、患者が義歯を落として破損させたり、硬いものを噛んで割れたりするケースもあります。こうした場合でも6ヶ月以内であれば50%の点数での算定です。
計算すると、通常260点×10円=2,600円のところ、130点×10円=1,300円となります。患者の3割負担で言えば、780円が390円になる計算ですね。
医療機関の収入も半分になるということです。
この減算ルールを適用する際は、カルテに義歯装着日を正確に記録しておく必要があります。電子カルテであれば装着日から自動的に6ヶ月以内かどうか判定する機能を持つシステムもありますが、手動でチェックする場合は見落としに注意しましょう。
なお、他院で製作した義歯の修理については、この減算ルールは適用されません。
通常点数で算定できます。
6ヶ月以内の修理でも歯科技工加算は減算されないため、該当する場合は忘れずに加算してください。
人工歯料についても別途算定可能です。
M029 有床義歯修理の詳細な算定ルールは、歯科診療報酬点数表のこちらのページで確認できます。
人工歯料は義歯修理の基本点数に含まれていません。
別途算定が必要です。
人工歯が脱落した際や抜歯後に旧義歯の増歯を行う際に、新たに人工歯を用いて有床義歯の修理を行った場合には、人工歯料を別に算定できます。この算定忘れが非常に多いので注意が必要です。
レジン歯の場合、前歯は片側12点・両側24点、臼歯も片側12点・両側24点で、最大48点まで算定できます。硬質レジン歯やポーセレン歯を使用した場合は、それぞれの材料に応じた点数を算定します。
例えば増歯修理で前歯と臼歯の両側にレジン歯を使用した場合、24点+24点=48点が人工歯料として加算されます。260点(修理)+48点(人工歯料)=308点となり、患者の3割負担で924円です。
人工歯料を算定し忘れると、48点×10円=480円の減収になります。年間で考えると、月に5件の増歯修理があれば480円×5件×12ヶ月=28,800円の損失です。
算定漏れを防ぐには、レセプトコンピュータに増歯修理のセット登録をしておくことが有効です。修理の算定と同時に人工歯料も自動的に入力されるよう設定しておけば、算定忘れを防げます。
また、カルテ記載も重要です。「増歯修理 使用人工歯:レジン歯前歯両側・臼歯両側」のように具体的に記録しておくと、後から確認する際に明確です。
保険医療材料料のうち人工歯料だけは別算定という点が、義歯修理の特徴的なルールですね。
同一義歯を同月内に複数回修理した場合でも算定できます。
摘要欄への記載が必要です。
月初に義歯が破損して修理を行い、同じ義歯を同月内に再度破損して修理するケースがあります。このような場合、2回目の修理も算定可能です。
ただし、レセプトの摘要欄に「同義歯○回修理」と記載する必要があります。例えば同月に2回修理した場合は「同義歯2回修理」と記載します。この記載がないと審査で疑義が生じる可能性があります。
同月複数回の修理を認める理由は、患者の使用状況や偶発的な事故による破損など、やむを得ない事情があるためです。
ただし、頻度には注意が必要です。同一義歯を6ヶ月で3回以上修理するような場合、計画性が認められないとして返戻や査定の対象になる可能性があります。一般的には6ヶ月で2回程度が妥当な頻度とされています。
複数回の修理が必要になる背景として、患者の咬合力が強い、義歯の材質に問題がある、患者が義歯の取り扱いに慣れていない、などの要因が考えられます。
こうした状況では、修理だけでなく新製を検討することも選択肢です。ただし6ヶ月ルールがあるため、頻繁な修理が必要な場合でも、印象採得から6ヶ月経過するまでは保険での新製はできません。
同月複数回修理のポイントは「摘要記載を忘れない」ことです。
咬合面レジン添加と床縁全周の床延長は1回限りの算定です。
対象義歯にも制限があります。
総義歯または9歯以上の局部義歯において、咬合高径を調整する目的で人工歯の咬合面にレジンを添加し咬合の再形成を行った場合、有床義歯修理として算定できます。同様に、床縁形態を修正する目的で義歯の床縁全周にわたりレジンを追加し床延長する場合も算定可能です。
重要なのは「1回に限り」という制限です。同一義歯に対して咬合面レジン添加を2回行っても、2回目は算定できません。
また、対象が「総義歯または9歯以上の局部義歯」に限定されている点も見落としやすいポイントです。1歯から8歯までの少数歯欠損の局部義歯では、この方法による修理は算定できません。
咬合面レジン添加は、長期使用により人工歯が咬耗して咬合高径が低下した症例に有効です。床裏装ではなく修理として算定できるようになったのは、2016年の診療報酬改定からです。
床縁全周の床延長は、義歯の安定性や維持力を改善する目的で行われます。部分的な床延長は通常の義歯修理として算定しますが、全周にわたる場合は同様に1回限りの制限があります。
この処置を行う際は、カルテに「総義歯 咬合面レジン添加 咬合高径調整目的」または「9歯以上局部義歯 床縁全周床延長 床縁形態修正目的」などと記載しておくと、算定根拠が明確になります。
1回限りということですね。
院内歯科技工士がいる施設では即日・翌日修理で加算算定できます。
届出が必要です。
歯科技工加算には2つの区分があります。歯科技工加算1は、破損した有床義歯を預かった当日に修理を行い装着した場合に1床につき55点を加算します。歯科技工加算2は、預かった翌日に装着した場合に35点を加算します。
この加算を算定するには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出ていることが必要です。施設基準の主な内容は、保険医療機関内に歯科技工士が配置されていることです。
算定の条件として、患者の求めに応じて行うことが明記されています。つまり、患者が急いで修理を希望し、それに応えて当日または翌日に装着した場合に限定されます。
預かった日から起算して2日以内に装着することが要件です。当日なら預かった日=装着日で0日、翌日なら1日後の装着となります。休診日等のため3日以上かかった場合は算定できません。
具体例を挙げると、月曜日に義歯を預かり当日中に修理して装着すれば歯科技工加算1の55点が算定できます。月曜日に預かり火曜日に装着すれば歯科技工加算2の35点です。
水曜日以降の装着では加算は算定できません。
新たに生じた欠損部位に対する増歯も、この加算の対象に含まれます。増歯修理を当日または翌日に行った場合も同様に算定可能です。
算定に際しては、預かり日と修理の内容を診療録に記載する必要があります。「○月○日義歯預かり 同日修理・装着 歯科技工加算1算定」といった記録を残しましょう。
55点は550円、3割負担で165円の追加です。
増歯を行う場合は補綴時診断料70点を算定できます。
通常の修理では算定できません。
補綴時診断料は、義歯新製の場合は90点、床裏装または増歯の場合は70点を算定します。義歯修理のうち、増歯に限って補綴時診断料の算定が認められているのがポイントです。
クラスプの修理、床の破損修理、人工歯の脱落による単純な修理などでは、補綴時診断料は算定できません。
増歯のみが対象です。
増歯の場合は新たな欠損部位が生じており、その部位の診査・診断が必要になるため、補綴時診断料の算定が認められています。
算定は1装置につき1回です。増歯に伴い補診70点を算定した後、同一義歯に対して3ヶ月以内に再度増歯を行う場合は、補診を算定できません。前回の補診算定日から3ヶ月経過していれば再算定可能です。
ただし、対顎の義歯など、前回増歯した義歯と異なる義歯を増歯した場合は、3ヶ月以内でも算定できます。
レセプト請求時の記載としては、摘要欄に初回の場合「補診(増歯)初回」、2回目以降は「補診(増歯)」と記載します。
具体的な金額を見ると、260点(修理)+70点(補診)+48点(人工歯料最大)=378点となり、10円換算で3,780円、患者3割負担で1,134円です。補診を算定し忘れると700円の減収になります。
増歯なら補診が算定できます。

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