あなたが何気なく請求しているcad/camクラウンが、知らないうちに不正請求扱いになることがあります。
2014年度の診療報酬改定で導入されたcad/camクラウン保険適用は、当初は上顎・下顎の小臼歯に限定されていました。ところが、2018年度改定で下顎の第一大臼歯まで対象が拡大され、さらに2022年には条件付きで上顎第一大臼歯にも適用可能になりました。つまり、現在では「大臼歯も条件次第で保険適用可能」ということです。
ただし、咬合力や歯列欠損の状態が適正診断されていない場合、保険適用の算定は無効になる恐れがあります。現場では審査支払機関による返戻が増加しており、2024年度だけで全国で約3,800件の返戻が報告されています。
結論は「算定条件の確認が必須です。」
保険適用対象となる材料は「ハイブリッドレジン(CAD/CAM用レジンブロック)」のみです。ジルコニアやe.maxなどのセラミック材料を使用した場合は自費診療扱いになります。意外ですが、「保険の範囲で強度を上げよう」としてレジンブロックにガラス成分を混ぜた材料(例:GC社のCERASMART270など)を使用すると、審査で保険外と判断されるケースがあります。
また、義歯やブリッジの支台として使用したcad/camクラウンは、たとえ対象歯であっても保険適用外です。つまり「単独クラウンのみが保険対象」ということです。
つまり「材料選択ミスは致命的です。」
保険点数は基本的に「クラウン製作料(1,350点前後)」+「形成料」「印象採得料」を合算して請求されます。ですが、レセプト上では「CAD/CAM冠(1歯)」として明記しなければなりません。誤って「硬質レジン前装冠」と記載すると自動的に保険外扱いになります。
また、算定条件の中に「上下顎の残存歯列における複数歯欠損がないこと」があります。例えば、欠損歯が3本あるケースでは保険算定不可になるのです。現場ではこの誤認による差額返還が2023年度に全国約1,200万円分発生しました。
つまり「算定項目の記載精度が条件です。」
メリットとして、患者の自己負担額が3割負担で済む点が挙げられます。平均費用は約8,000円~9,500円と従来のメタルクラウンよりも審美的・経済的に有利です。
一方で、医院側は製作コストや材料管理のリスクを負います。特に「保険点数の上限に対して材料原価が高い」という問題があり、歯科技工所によっては1本あたりの納入単価が約3,000円高くなることも。結果的に、医院の利益率が5%以上低下するケースが報告されています。
つまり「採算性と正確な請求管理のバランスが原則です。」
2024年度改定の議論では、「フルジルコニアクラウンの部分的保険導入」も検討されています。もし実現すれば前歯部へのセラミック対応の可能性が広がるでしょう。一方で、審査基準の厳格化も進んでおり、適応範囲外の請求は不正請求と判断されるリスクが高まっています。
将来、AI審査システムが導入されると、歯冠修復部位の自動照合が行われる予定です。そのため、カルテ記載ミスが即時検出される時代が到来します。つまり「保険算定に対する透明性の向上が進行中」ということです。
つまり「診療報酬システムの進化に備える必要があります。」
参考リンク(厚生労働省の令和6年度診療報酬改定情報)
このリンクは「保険適用範囲と点数改定」部分の参考になります。
厚生労働省:令和6年度診療報酬改定情報