SPT同月内にSCを算定すると、360点以上の取り損になることがあります。
SPT(歯周病安定期治療)の保険点数は、「残存歯の総数」によって3段階に区分されています。 shirobon(https://shirobon.net/qabbs_detail.php?bbs_id=35128)
| 残存歯数 | SPTⅠ(通常) | SPTⅡ(旧:か強診) |
|---|---|---|
| 1〜9歯 | 200点 | 380点 |
| 10〜19歯 | 250点 | 550点 |
| 20歯以上 | 350点 | 830点 |
ここで多くのスタッフが間違えやすいのが、「4mm以上のポケットのある歯の本数」で区分を判断してしまう点です。 正しくは残存歯の合計本数で判断します。これが基本です。 shirobon(https://shirobon.net/qabbs_detail.php?bbs_id=35128)
インプラントは残存歯の本数に含まれません。 さし歯や金属冠をかぶせた歯は自身の歯として数えるため、実際の口腔内を確認する際はこの点に注意が必要です。 gc(https://www.gc.dental/japan/sites/japan.gc.dental/files/documents/2024-09/no190_1.pdf)
点数の請求誤りは返戻・減点の原因になります。算定前に残存歯数を必ずカルテに明記する習慣をつけておくと、後のトラブルを防げます。
口腔管理体制強化加算(口管強)の届出をしている医院では、SPTに120点の加算が認められています。 これは使えそうです。 dental.funaisoken.co(https://dental.funaisoken.co.jp/%EF%BC%9C%E9%80%9F%E5%A0%B1%EF%BC%9Espt%E3%81%8C%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%81%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AE%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E9%99%A2%E3%81%A7%E6%B8%9B%E7%AE%97/)
令和6年度改定以降、口管強の届出医院ではSPTを毎月算定できるというメリットもあります。 通常のSPTは前回実施月の翌月初日から2か月経過後でなければ再算定できませんが、口管強があればこの制限が外れます。 inoue-teeth(https://inoue-teeth.com/news/koukukanritaisei/)
精密検査を実施していない場合と比較すると、最大で360点以上の差が生じます。 口管強の届出がまだの医院にとっては、収益面で大きな機会損失になっているといえます。 dental.funaisoken.co(https://dental.funaisoken.co.jp/%EF%BC%9C%E9%80%9F%E5%A0%B1%EF%BC%9Espt%E3%81%8C%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%81%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AE%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E9%99%A2%E3%81%A7%E6%B8%9B%E7%AE%97/)
口管強の施設基準を満たすにはSPT・P重防の算定実績が30回以上必要といった要件があります。 届出を検討する際は、東京都歯科医師会などが公開しているチェックリストを活用すると整理しやすいです。 tokyo-sk(https://www.tokyo-sk.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/1ef3b72cb8f1c23fe310b9a12321dce6.pdf)
SPTは「包括点数」です。 つまり、SPTを算定した月に別途スケーリング(SC)やスケーリング・ルートプレーニング(SRP)を請求することはできません。 3tei(https://3tei.jp/news/FnEqYcsz)
これが原則です。
包括の対象となる処置を同月に算定すると、審査で査定・返戻の対象になります。具体的には以下の処置がSPT算定月には算定不可です。 gerodontology.dental-plaza(https://gerodontology.dental-plaza.com/start/guide/01-3/)
「歯清(歯科衛生実地指導)68点」については、SPT算定患者でも歯科診療特別対応加算を算定した患者または妊婦は月1回算定可能という例外があります。 これだけは例外です。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s3/BK07101.pdf)
知らずに算定を続けると複数月にわたる返戻が発生し、事務負担も膨大になります。レセコンのチェック機能を確認するか、月次の算定ルールをスタッフ全員で共有するだけで防げます。
令和6年度(2024年度)の診療報酬改定で、糖尿病患者に対するSPTには「歯周病ハイリスク患者加算80点」が新設されました。 意外ですね。 hhk(https://www.hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2024/0325/100002.php)
この加算を算定するには、医科の主治医から文書提供を受けることが必要です。 「糖尿病の状態により歯周病が重症化するおそれがある場合」と認められると、通常は3か月ごとのSPT算定が2回目以降でも2か月未満での再算定が可能になります。 hhk(https://www.hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2024/0325/100002.php)
加算80点は1点10円換算で800円。患者数が多い医院では年間の収益に大きく影響します。糖尿病を有する患者のフラグ管理を電子カルテ上でできているかどうかを、一度確認しておく価値があります。
この情報を得た医院では、医科歯科連携を積極的に活用することで加算の算定機会が増えます。 地域の内科・内分泌科への挨拶状や連携依頼書の整備が、実務的な第一歩になります。 hhk(https://www.hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2024/0325/100002.php)
SPTを開始した後に病状が悪化し、歯周外科手術が必要になるケースがあります。この場合の点数は所定点数の50/100(半額)での算定となります。 厳しいところですね。 kuma8020(https://www.kuma8020.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/nazenaze_55.pdf)
手順は次のとおりです。 hhk(http://www.hhk.jp/member/hoken-seikyu-qa/shika/190915-100000.php)
「中止→手術→再評価→再開」という流れが原則です。
この手順を踏まずに、SPT算定中に歯周外科手術を通常点数で請求してしまうと査定対象になります。カルテには「SPT中断・歯周外科手術開始」の記載と日付を明確に残すことが重要です。
再開時には再び歯周精密検査の結果をもとに管理計画を策定し、患者への文書提供も必要です。 書類が不足していると算定要件を満たさないと判断されるリスクがあるため、チェックリストを院内で作成しておくと安心です。 shien.co(https://www.shien.co.jp/media/sample/s3/BK07101.pdf)
参考:歯周病安定期治療(SPT)の算定要件について(厚生労働省)
歯周病安定期治療(SPT)算定要件(厚生労働省)
参考:令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】(厚生労働省)における糖尿病患者加算・口管強の詳細
2024年度診療報酬改定の要点〈歯科〉(兵庫県保険医協会)
参考:SPTとP重防の算定上の違いと移行手順
P重防からSPTへの移行はどうする?(3tei.jp)