舌圧子使い方看護で口腔観察を安全に

舌圧子の使い方を看護の視点から詳しく解説。口腔観察の手順、嘔吐反射を防ぐコツ、感染予防のポイント、誤嚥リスクの管理など実践的な技術を網羅しています。あなたの看護ケアは患者に負担をかけていませんか?

舌圧子使い方看護の基本と観察手順

ディスポーザブルの舌圧子を再使用すると院内感染のリスクが急激に高まります。


📋 この記事の3つのポイント
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舌圧子の正しい使用技術

水で濡らす理由、挿入位置、舌の圧迫方法など基本的な使い方から嘔吐反射を防ぐコツまで

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感染予防と安全管理

ディスポーザブル製品の再使用禁止、誤嚥リスクの評価、患者の体位設定などの注意点

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口腔観察の実践ポイント

軟口蓋・咽頭・舌の観察方法、口腔ケア時の応用、下顎骨骨折の診察法まで


舌圧子の使い方における基本的な目的と観察部位


舌圧子は口腔内および咽頭の観察を容易にするための重要な医療器具です。主に舌を下方へ固定または移動させることで、通常では見えにくい軟口蓋、口蓋垂、咽頭後壁、口蓋扁桃といった部位を明瞭に観察できるようにします。


看護において舌圧子を使用する場面は多岐にわたります。口腔ケア時の口腔内状態の観察、咽頭の発赤や腫脹の確認、嚥下機能の評価における咽頭反射のチェックなどが代表的です。特に口腔ケアでは、舌苔の状態や粘膜の乾燥度、出血の有無などを詳細に観察する際に舌圧子が活躍します。


観察時には舌圧子を舌の中央部に軽く押し当て、舌を下方へ圧迫します。この際、患者に「アー」と発声してもらうことで軟口蓋が挙上し、咽頭の奥まで視野が広がります。


つまり舌圧子と発声の組み合わせが効果的です。


舌圧子には木製のディスポーザブルタイプと金属製の再使用可能なタイプがあります。現在の医療現場では感染管理の観点から木製ディスポーザブルタイプが主流となっており、患者一人につき一回限りの使用が原則です。


日本がんサポーティブケア学会の口腔観察テクニックでは、舌圧子を用いた軟口蓋から咽頭後壁にかけての観察方法が詳しく解説されています。


舌圧子の使い方で嘔吐反射を最小限にする実践テクニック

舌圧子の使用で多くの患者が経験するのが嘔吐反射(咽頭反射)です。これは舌の根元や咽頭後壁などに器具が触れることで生理的に起こる防御反応であり、完全に防ぐことは困難ですが、適切な技術によって軽減することが可能です。


嘔吐反射を軽減する最も効果的な方法は、舌圧子を水で濡らしてから使用することです。木製の舌圧子は特有の木の味や触感があり、これが患者の不快感を増大させます。水で濡らすことでこの嫌な味が消え、患者の緊張も和らぎます。


これは簡単ですが効果的です。


挿入時のテクニックも重要です。いきなり舌圧子を奥に挿入するのではなく、まず舌の先端に軽く当てて患者に慣れてもらいます。その後、ゆっくりと舌の中央部へ移動させながら下方へ圧迫することで、急激な刺激を避けられます。


舌を中央で押すのが基本です。


患者に鼻呼吸を促すことも有効な対策です。口呼吸では喉の奥が乾燥し、刺激に対して過敏になりやすくなります。鼻からゆっくりと息を吸い、口から静かに吐く腹式呼吸を指導することで、患者の緊張がほぐれ嘔吐反射が起こりにくくなります。


食後すぐの口腔ケアや観察は避けるべきです。胃内容物が残っている状態で咽頭を刺激すると、嘔吐を誘発しやすくなります。食後30分程度経過してから実施するのが安全です。


舌圧子を挿入する前に、患者に処置の手順を丁寧に説明することも大切です。何をされるか分からない不安が身体の緊張を生み、嘔吐反射を強めます。「舌を少し押さえて喉の奥を見せていただきますね」といった具体的な声かけが効果的です。


日本訪問歯科協会の舌の掃除と嘔吐反射では、舌に触れるタイミングで息を吐くことで嘔吐反応が起こりにくくなる具体的な方法が紹介されています。


舌圧子の使い方における感染予防と使い捨ての重要性

舌圧子の感染管理において最も重要なのは、ディスポーザブル製品の再使用を絶対に行わないことです。添付文書には「再使用禁止」と明記されており、これを無視すると患者間での交差感染のリスクが極めて高くなります。


木製のディスポーザブル舌圧子は未滅菌品として供給されることもあれば、EOGガス滅菌済み製品として提供されることもあります。いずれの場合も、使用は一回限りとされており、洗浄や再滅菌を行っての再使用は禁忌です。使用後は感染性廃棄物として適切に廃棄します。


金属製の舌圧子を使用する場合には、使用前に必ず洗浄・滅菌を行う必要があります。使用後は付着している血液、体液、組織、薬品などが乾燥しないよう、直ちに洗浄液に浸漬します。乾燥すると汚染物質の除去が困難になり、滅菌の効果も低下するためです。


舌圧子を使用する際には、スタンダードプリコーション(標準予防策)を徹底します。手袋の着用は必須であり、飛沫が予想される場合にはマスクやフェイスシールドの装着も検討します。患者の口腔内には多数の常在菌が存在し、観察時に唾液や痰が飛散する可能性があるためです。


使用前には舌圧子本体に変形、傷、ささくれなどの異常がないか必ず点検します。破損した舌圧子を使用すると、口腔粘膜や舌を傷つけるリスクがあります。包装が開封または破損している滅菌製品は使用してはなりません。


厚生労働省も医療機器の添付文書に「再使用禁止」と記載された製品の再使用について繰り返し注意喚起を行っています。


これは医療安全の基本原則です。


厚生労働省の医療機器再使用禁止に関する通知では、添付文書の遵守が医療機関に求められることが明記されています。


舌圧子の使い方における口腔ケア時の体位と誤嚥予防

舌圧子を用いた口腔観察や口腔ケアでは、患者の体位設定が誤嚥予防の鍵となります。適切な体位を取ることで、唾液や洗浄水の気道への流入を防ぎ、安全にケアを実施できます。


基本となる体位は、ベッドの頭部を30~45度程度挙上し、顎を軽く引いた姿勢です。この姿勢では気管の入り口が前方に位置し、食道が後方になるため、液体が気管に流れ込みにくくなります。


顎を引くことが大切です。


嚥下機能が低下している患者や意識レベルが低い患者では、さらに慎重な体位管理が必要です。完全側臥位または顔を横に向けた姿勢をとることで、口腔内の液体が口角から自然に流出し、咽頭への流れ込みを防ぎます。


口腔ケア中は常に患者の呼吸状態を観察します。SpO2の低下、咳嗽の出現、呼吸パターンの変化などが見られた場合は直ちにケアを中断し、吸引の準備を整えます。


誤嚥のリスクに注意すれば大丈夫です。


舌圧子で舌を圧迫する際には、圧迫の強さと時間にも配慮が必要です。強く押しすぎると舌根部が咽頭に押し込まれ、気道を狭窄させる可能性があります。必要最小限の力で短時間に観察を完了させることが原則です。


気管挿管中の患者や人工呼吸器装着患者の口腔ケアでは、2名体制で行うことが推奨されます。1名が舌圧子やペンライトを用いて口腔内を観察しながらケアを行い、もう1名が患者の呼吸状態をモニタリングし、必要に応じて吸引を実施します。


口腔内を湿潤させる際には、一度に大量の水分を注入しないよう注意します。少量ずつスポンジブラシに含ませて湿らせる方法が安全です。乾燥が強い場合には保湿ジェルを使用することで、誤嚥リスクを軽減できます。


日本クリティカルケア看護学会の気管挿管患者の口腔ケア実践ガイドでは、誤嚥予防のための体位管理と2名体制での実施方法が詳しく解説されています。


舌圧子の使い方における特殊な診察法と応用技術

舌圧子は口腔観察だけでなく、特殊な診察法にも応用されます。その代表的なものが「tongue blade bite test(舌圧子咬合試験)」で、下顎骨骨折の診断に用いられる簡便で有用な身体診察法です。


この検査では、患者に両側の大臼歯で舌圧子をしっかりと噛んでもらいます。その状態で検者が舌圧子を捻るように力を加えます。下顎骨に骨折がない場合、患者は痛みに耐えられ、舌圧子が折れます。これを「tongue blade bite test陰性」と呼び、骨折は否定的です。


一方、骨折がある場合には、咬合時や捻る力を加えた際に骨折部位に痛みが走り、患者は舌圧子を噛み続けることができません。この場合を「陽性」とし、画像検査の適応となります。


高い感度と特異度を持ちます。


この検査は顔面外傷の初期評価において、レントゲン検査を行う前のスクリーニングとして活用されます。外来やERなどで迅速に実施でき、特別な機器を必要としないため、コスト効率も優れています。


舌圧子は嚥下機能評価における咽頭反射(絞扼反射)のチェックにも使用されます。舌圧子で咽頭後壁や舌根部を軽く刺激し、反射的な咽頭の収縮が起こるかを確認します。この反射が減弱または消失している場合、誤嚥のリスクが高いと判断されます。


摂食嚥下リハビリテーションでは、舌圧子を用いたアイスマッサージ(冷圧刺激法)が実施されることがあります。氷で冷やした舌圧子で前口蓋弓や軟口蓋を刺激することで、嚥下反射の惹起性を改善する効果が報告されています。


軟膏の塗布や局所処置にも舌圧子が活用されます。小児の皮膚科診療では、軟膏を舌圧子に取って患部に塗布することで、子どもの恐怖心を和らげながら処置を行うことができます。


痛くないということを示せます。


湘南鎌倉総合病院のtongue blade bite test解説動画では、下顎骨骨折診察における舌圧子の具体的な使用方法が実演されています。




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