ペリオフィール歯科の効果と使用法

ペリオフィール歯科用軟膏は歯周病治療に使われる抗生物質製剤ですが、その正しい使い方や保険適用の条件をご存知ですか?

ペリオフィール歯科の使用法と効果

スケーリング前の投与は効果半減します


この記事の3つのポイント
💊
ペリオフィールの基本

ミノサイクリン塩酸塩を含む歯周ポケット内注入用の抗生物質軟膏で、1週間効果が持続する徐放性製剤です

⚠️
使い捨て必須の理由

1シリンジは1患者1回限りの使用が厳守事項で、院内感染防止と耐性菌対策のため再使用は禁止されています

📋
保険適用の条件

歯周疾患の急性症状緩解を目的とした歯周ポケット内への特定薬剤注入時のみ算定可能です


ペリオフィールの基本的な成分と作用機序


ペリオフィール歯科用軟膏は、ミノサイクリン塩酸塩2%を有効成分とする歯周病治療用の局所投与型抗生物質製剤です。ミノサイクリン塩酸塩はテトラサイクリン系抗生物質に分類され、歯周病原性菌であるPorphyromonas gingivalis(P.g.菌)やAggregati bacteracter actinomycetemcomitans(A.a.菌)に対して優れた抗菌作用を発揮します。


この製剤の最大の特徴は徐放性にあります。歯周ポケット内に注入された軟膏は、時間をかけてゆっくりと有効成分を放出し続けるため、1週間という長期間にわたって抗菌作用が持続します。従来の経口投与型抗生物質と比較して、局所に高濃度の薬剤を届けられるため、全身への影響を最小限に抑えながら効果的な治療が可能です。


作用機序は細菌のタンパク質合成を阻害することで、歯周病菌の増殖を抑制します。


つまり静菌作用が基本です。


加えて、ミノサイクリンには抗炎症作用もあることが報告されており、歯肉の発赤や腫脹といった炎症症状の緩解にも寄与します。


ペリオフィールの詳細な薬剤情報(日経メディカル)


歯周病原因菌に直接作用するため、排膿や腫脹などの急性症状に対して特に有効性が高いとされています。1シリンジには10mg(0.5g)のミノサイクリン塩酸塩が含まれており、歯周ポケット内に充満する量を注入する設計になっています。薬価は1シリンジあたり約388円で、保険適用時には患者負担が発生します。


ペリオフィールの正しい使用方法と注意点

ペリオフィールの投与は週に1回のペースで行われます。どういうことでしょうか?この頻度設定には明確な理由があります。薬剤の徐放性により、1回の投与で約7日間にわたって有効濃度が歯周ポケット内に維持されるためです。日本歯周病学会のガイドライン2020によれば、計4回の投与で有効性が確認されています。


使用手順は以下の通りです。まず、患部を十分に清拭し乾燥させることが重要です。これは軟膏の歯周ポケット内への定着を良好にするために必須の工程です。次に、シリンジの先端部を歯周ポケット底まで十分な深さに挿入し、ポケット内に充満する量をゆっくりと注入します。少し溢れ出るくらいまで注入するのが適切とされています。


注入直後の注意事項として、激しい洗口や飲食は避ける必要があります。軟膏が定着する前に洗い流されてしまうと、十分な効果が得られないためです。通常、注入後30分から1時間程度は飲食を控えるよう患者に指導します。


最も重要な使用上の注意点は、1シリンジは1患者1回限りの使用という原則です。


これは使い捨て必須です。


同じ患者であっても、一度開封したシリンジを次回の治療に持ち越すことは禁止されています。この理由は院内感染防止と薬剤の品質保持にあります。開封後の軟膏は細菌汚染のリスクがあり、また薬剤の安定性も保証されません。


日本歯周病学会「歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン2020」


使用にあたっては、患部に一時的な疼痛や刺激が現れることがあるため、患者への事前説明が必要です。また、テトラサイクリン系抗生物質に対して過敏症の既往歴がある患者には投与できません。


禁忌事項の確認は必須です。


妊婦への投与も原則として避けるべきとされています。


ペリオフィールの保険適用条件と算定要件

ペリオフィールの保険適用には明確な条件が設定されています。歯科診療報酬点数表の区分「010」歯周疾患処置として算定されますが、これは歯周疾患の急性症状の緩解を目的として、歯周ポケット内へ特定薬剤を注入した場合に限られます。特定薬剤とはペリオクリンまたはペリオフィール歯科用軟膏2%を指します。


算定の具体的な条件として、まずブラッシング等の歯肉縁上プラークコントロールが行われていることが前提となります。つまり患者自身のセルフケアが実施されている状況での使用です。また、投与前にスケーリングを実施しておくことが望ましいとされています。歯石が残存したままの状態では、薬剤の効果が十分に発揮されないためです。


歯周疾患処置を算定した月は、同一患者に対して歯周基本治療(スケーリング、ルートプレーニング)や咬合調整、歯清などとの同時算定はできません。


これは重複算定を避けるための規定です。


ただし、歯周疾患の急性症状が発現した場合の薬剤注入は、歯周基本治療後であっても算定可能とされています。


保険適用の条件は明確です。用法用量に従い使用した場合に限り、特定薬剤料として算定できます。診療録には投与部位、使用量、患者の症状などを詳細に記載することが求められます。また、症状の改善が見られない場合は、漫然と使用を続けてはいけません。感受性の確認を行い、必要に応じて他の治療法への変更を検討する必要があります。


ペリオフィール使用における耐性菌リスクと対策

抗生物質の使用において、耐性菌の出現は世界的な医療課題となっています。ペリオフィールの使用においても、耐性菌対策は極めて重要な考慮事項です。日本では2016年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020」が策定され、医療における抗菌薬の適正使用が強く求められています。


ペリオフィールの使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが添付文書に明記されています。どういうことなのか?つまり、効果が認められない場合に漫然と投与を続けることは避けるべきということです。


局所投与型抗生物質の利点は、全身投与と比較して使用量が少量であり、耐性菌の出現や副作用のリスクが小さいと考えられることです。ただし、頻繁な使用や不適切な適応での使用は、局所的な耐性菌の出現につながる可能性があります。日本歯周病学会のガイドラインでも、比較的軽度の歯周炎においては、プラークコントロールとスケーリング・ルートプレーニング(SRP)が適切に行われることで臨床症状は改善されるので、抗菌薬の併用は控えるべきとされています。


耐性菌対策として重要なのは適正使用です。具体的には、歯周膿瘍が局所に限局し、ドレナージによる排膿が困難な場合など、明確な適応がある場合にのみ使用することが推奨されています。また、抗菌薬の経口投与後に歯周炎の再発(進行)が認められた場合、繰り返し投与することについては慎重な判断が必要です。ガイドラインでは、繰り返し投与する場合は細菌検査を行い、感受性を確認することが望ましいとされています。


局所にミノサイクリン耐性菌または非感性菌による感染症があらわれた場合には、投与を直ちに中止することが使用上の注意として記載されています。


これは厳守すべき事項です。


耐性菌の拡大を防ぐためには、歯科医師一人ひとりが抗生物質の適正使用を実践することが不可欠です。


ペリオクリンとペリオフィールの違いと選択基準

歯周病治療で使用される局所投与型抗生物質製剤には、ペリオクリンとペリオフィールの2種類があります。両者とも有効成分はミノサイクリン塩酸塩2%で、基本的な作用機序は同じです。それでは何が違うのでしょうか?


最も大きな違いは製造販売元です。ペリオクリンはサンスター株式会社が製造販売しており、ペリオフィールは昭和薬品化工株式会社(現在はジーシー昭和薬品)が製造販売していました。実は、ペリオフィールは現在「ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%『昭和』」に販売名が変更されています。


両製剤の効果や使用方法に大きな差はありません。1シリンジあたりの含有量(0.5g中にミノサイクリン塩酸塩10mg)、投与頻度(週1回)、徐放性の特徴などは共通しています。保険適用の条件も同じで、どちらも歯周疾患処置の特定薬剤として認められています。


選択基準としては、医療機関の採用品目や在庫状況、薬価の若干の差異などが考慮されることが一般的です。ペリオクリンは先発医薬品として位置づけられ、ペリオフィール(ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏2%『昭和』)は後発医薬品として扱われています。薬価は後発品の方が若干安く設定されているため、医療費抑制の観点から後発品を選択する医療機関も増えています。


臨床的な有効性に関しては、両製剤とも歯周病原性菌に対する抗菌作用、炎症症状の緩解効果が確認されています。日本歯周病学会のガイドラインでも、両製剤を区別せず「2%ミノサイクリン塩酸塩歯科用軟膏」として記載されており、臨床効果に差はないと考えられています。


使用上の注意点も両製剤で共通です。1シリンジ1患者1回限りの使用、テトラサイクリン系抗生物質過敏症患者への禁忌、妊婦への慎重投与などは両製剤とも同じです。したがって、どちらを選択するかは医療機関の方針や供給状況によって判断されることになります。


患者への説明としては、どちらの製剤を使用しても治療効果は同等であることを伝え、安心して治療を受けてもらうことが大切です。また、両製剤とも保険適用される治療であることも説明すると良いでしょう。




無臭研 銀イオン歯磨き粉 高濃度銀イオン配合 イオン歯磨き 300ppm Ag+ 口臭 虫歯 口内細菌 ハミガキ 歯磨き粉 フッ素未配合 国内生産品 ペースト 銀イオン歯磨き 50g