蛍光灯の下で行ったシェードテイキングは、患者さんが鏡を見た瞬間に「色が違う」とクレームになることがあります。

クロマスコープ シェードガイドは、イボクラール ビバデント社が開発した補綴用カラーシステムです。全部で20シェードが用意されており、それらが5つのグループ(100番台・200番台・300番台・400番台・500番台)に分類されています。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
各グループは色相(ヒュー)ごとに整理されています。つまり最初にグループ=色の系統を絞り込み、次にグループ内で個別シェードを選ぶという2段階構造になっています。これが「論理的に並べられている」と評価される理由です。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
さらに別売のブリーチシェードとして、非常に明度の高いシェードが4種類用意されています。ホワイトニング後の歯や、天然歯よりも白い修復を希望する患者さんへの対応に使います。つまりベーシック20種+ブリーチ4種が実質的なラインアップです。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
| グループ番号 | 色系統のイメージ | 主なシェード例 |
|---|---|---|
| 100番台 | 明るい・高明度 | 110、140など |
| 200番台 | 黄色系・中明度 | 210、230など |
| 300番台 | 赤黄色系・中明度 | 310、320、340など |
| 400番台 | 赤茶色系・低明度 | 410、440など |
| 500番台 | 灰色系・暗め | 510、520、530など |
各シェードタブは解剖学的な歯の形状と表面性状を模しており、裏側が平坦になっています。これにより、形成したダイやシェード付きセメント材と直接並べてシェードを比較する使い方ができます。 これは意外に知られていない使い方ですね。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
シェードテイキングで一番多いミスは、診療室の蛍光灯・照明下でシェードを決めてしまうことです。歯科用ライトの色温度は診療院ごとに異なるため、同じ歯でも照明によって色の見え方が大きく変わります。 基本は自然光か間接照明のもとで行うことが原則です。 tokyo-doctors(https://tokyo-doctors.com/webdoctor/6911)
正確な手順は次のとおりです。
このシステムの利点は、他の細かい効果(サービカル部・インサイザル部・デンチンの変色など)を一旦気にせず、ベースシェードに集中できる点にあります。 細部の色味は後から対応できるので、まずベーシックシェードを確実に決定することが重要です。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
また、タブを歯に当てる時間は5秒以内が推奨されています。長時間見続けると視細胞が疲弊し、色の判断精度が落ちるためです。時間をかけるほど正確になるわけではありません。これが条件です。
歯科現場でよく問題になるのが、クロマスコープ番号とビタA-Dシェードの混在です。 例えばSRビボデントS PEなどの製品では、クロマスコープとビタA-Dの変換早見表が同梱されており、「110→A1」「340→B3」というように対応が確認できます。 tokyo-dentalshow(https://www.tokyo-dentalshow.com/showdata/2024/1916/i17300197011.pdf)
以下に主な変換例を示します。
| クロマスコープ番号 | ビタA-D相当シェード |
|---|---|
| 110 | 01(A1相当) |
| 210 | A3 |
| 230 | A3.5 |
| 310 | B3 |
| 410 | D3 |
| 440 | D4 |
| 510 | C3 |
| 520 | C4 |
この変換表が役立つのは、院内ではクロマスコープを使い、委託先の技工所がビタシェード対応の材料を使う場合です。 変換なしに番号だけ伝えると、材料選択のズレが生じ、試適時に色が合わないという問題が起きやすくなります。これは時間とコストの両方に影響します。 tokyo-dentalshow(https://www.tokyo-dentalshow.com/showdata/2024/1916/i17300197011.pdf)
参考資料:SRビボデントS PEシェードガイドとの変換早見表(イボクラール ビバデント公式PDF)
SRビボデントS PE × クロマスコープ変換早見表(東京デンタルショー資料)
クロマスコープ シェードガイドは、イボクラール ビバデント社の複数製品と直接対応しています。院内で使う材料がクロマスコープ対応かどうかを把握していれば、シェード選択から修復物製作までの流れがスムーズになります。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
以下の製品群が主に対応しています。
e-ireba(https://www.e-ireba.biz/bps.html)
これだけ多くの製品に対応していることが、クロマスコープが「共通言語」として機能している理由です。 院内でどの材料を使うにせよ、クロマスコープでシェードを決めておけば、他の製品への横展開がしやすくなります。これは使えそうです。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
特にBPS(バイオ ファンクショナル プロステティックス)デンチャーでは、クロマスコープ シェードガイドが4つの主力製品の一つとして位置づけられており、義歯製作における色選択の標準ツールになっています。 e-ireba(https://www.e-ireba.biz/bps.html)
参考資料:IPS e.maxのシェードシステム詳細とクロマスコープ対応について
IPS e.max シェードガイドの解説(横浜デントセラミック)
現場でシェードテイキングに失敗する場面は、実は手順の問題より「環境の問題」であることが多いです。意外ですね。診療室の照明・患者さんの服の色・術者の疲労度がすべて結果に影響します。 tokyo-doctors(https://tokyo-doctors.com/webdoctor/6911)
よくある失敗パターンと対策を以下にまとめます。
ndo-kyoto(https://ndo-kyoto.jp/seminar/detail.html?id=172)
また、見落とされがちな点として「シェードタブ自体の劣化」があります。クロマスコープのタブはIPS e.maxと同じ材料から焼成されていますが、長期使用や汚染によって色が変化します。 使用年数が古いシェードガイドを継続して使用していると、実際の修復物との差が生じやすくなります。定期的な更新が推奨されます。 yokohama-dent(https://www.yokohama-dent.com/e-max/)
シェードガイドの取り扱いは慎重に行いましょう。タブ表面に指紋や汚れがつくと色の見え方に影響するため、ハンドル部のみを持ち、タブ面には触れないことが基本です。清潔な状態を維持することが条件です。
参考資料:シェードガイドの見方・使用上の注意点まとめ
シェードガイドとは|京都の歯医者(NDO京都)
| 系統 | 色の特徴 | 代表シェード |
| --- | ------------- | ------------------------ |
| A系統 | 赤茶色ベース(最も一般的) | A1 / A2 / A3 / A3.5 / A4 |
| B系統 | 黄みが強い | B1 / B2 / B3 / B4 |
| C系統 | 灰色みがある | C1 / C2 / C3 / C4 |
| D系統 | 赤灰色系 | D2 / D3 / D4 |
| 系統 | 色の特徴 | 日本人との関係 |
| ------ | --------- | ---------------- |
| A(赤茶系) | 赤みを帯びた黄色 | 最も多い。A3〜A3.5が標準 |
| B(赤黄系) | 黄色みが強い | ホワイトニング効果が出やすい |
| C(灰色系) | グレーがかった色 | 最もホワイトニング効果が出にくい |
| D(赤灰系) | 赤みを帯びたグレー | 比較的まれな色調 |