高圧酸素療法の適応をゴロで覚える歯科従事者向け完全ガイド

高圧酸素療法の適応疾患をゴロ合わせで効率よく覚えたい歯科従事者のために、保険算定回数や禁忌まで徹底解説。国試対策にも使える「ともがゲイ」の暗記法と歯科特有の適応を知っていますか?

高圧酸素療法の適応をゴロで覚える完全まとめ

突発性難聴の患者に高圧酸素療法を行っても、歯科保険では一切算定できません。


🫁 高圧酸素療法 適応 ゴロ — 3つのポイント
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ゴロ「ともがゲイ」で5疾患を一発暗記

と=突発性難聴/も=網膜動脈閉塞症/が=ガス壊疽/ゲ=減圧症/イ=一酸化炭素中毒。国試・認定試験で頻出の5疾患をこの1フレーズで覚えられます。

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歯科の算定は「慢性難治性骨髄炎」限定・上限30回

歯科診療報酬(I026)では口腔・顎・顔面領域の慢性難治性骨髄炎のみが対象。2絶対気圧以上・1時間以上が算定条件で、それ未満は酸素吸入扱いになります。

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絶対的禁忌は「緊張性気胸」のみ

緊張性気胸は唯一の絶対的禁忌。閉所恐怖症・妊娠・眼科ガス注入後などは相対的禁忌で、状況判断が必要です。歯科処置後の適応判断でも確認必須の項目です。


高圧酸素療法の適応ゴロ「ともがゲイ」の覚え方と5疾患

高圧酸素療法(HBO:Hyperbaric Oxygen Therapy)の適応疾患は、国家試験や認定試験で繰り返し出題されます。最も広く使われているゴロが「ともがゲイ」です。 iazuma.hatenablog(https://iazuma.hatenablog.com/entry/20180829/1535493600)


ゴロの文字 対応疾患 保険算定上限
突発性難聴 30回
網膜中心動脈閉塞症 30回
ガス壊疽(重症軟部組織感染症) 10回
減圧症・空気塞栓 7回(発症1か月以内)
一酸化炭素中毒(急性・間歇型) 10回


保険算定の上限回数は疾患ごとに7回・10回・30回の3段階に分かれています。この回数は「一連につき」の上限であり、急性期疾患ほど回数が少ない点が特徴です。意外ですね。 www2.hosp.med.tottori-u.ac(https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/dispensary/hyperbaric-oxygen-therapy/11486.html)


減圧症・空気塞栓はわずか7回で、しかも「発症後1か月以内」という時間制限まで設けられています。ゴロを覚えるだけでなく、回数とセットで押さえておくことが実務では必要です。これが基本です。 www2.hosp.med.tottori-u.ac(https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/dispensary/hyperbaric-oxygen-therapy/11486.html)


「トモエがゲイ」というバリエーションも存在し、「ト=突発性難聴、モ=網膜、エ=壊疽…」と展開する覚え方もあります。自分が最も定着しやすいゴロを1つ選んで繰り返すのが、記憶の近道です。 input.medilink-study(https://input.medilink-study.com/detail.php?index=17009)


高圧酸素療法の適応疾患の全リストと回数区分(保険診療)

保険適応の全リストを把握しておくと、現場での算定判断や患者への説明に役立ちます。一連につき10回を上限とする疾患群には以下が含まれます。 tokyonishi-hp.or(https://www.tokyonishi-hp.or.jp/section/engineering/hbo)


- 🫁 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
- 🦠 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)または頭蓋内膿瘍
- 🩸 急性末梢血管障害(重症熱傷・凍傷、広汎挫傷、コンパートメント症候群など)
- 🧠 脳梗塞、重症頭部外傷後・開頭術後の意識障害・脳浮腫
- 🫀 重症の低酸素脳症
- 🔄 腸閉塞(絞扼性は禁忌)


一連につき30回を上限とする疾患群は次の通りです。 www2.hosp.med.tottori-u.ac(https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/dispensary/hyperbaric-oxygen-therapy/11486.html)


- 👁️ 網膜動脈閉塞症
- 👂 突発性難聴
- 🎗️ 放射線または抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
- 🦶 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
- 🩹 皮膚移植
- 🦴 骨髄炎または放射線障害


つまり30回グループが長期管理型の疾患です。歯科で関わる骨髄炎・放射線障害は30回グループに入ります。 tokyonishi-hp.or(https://www.tokyonishi-hp.or.jp/section/engineering/hbo)


高圧酸素療法の歯科における適応:顎骨骨髄炎と算定条件

歯科診療報酬点数表(I026)では、高気圧酸素治療の算定対象は「口腔・顎・顔面領域の慢性難治性骨髄炎」に限定されています。これが条件です。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa8/r06s28_sec1/r06s281_cls4/r06s2814_I026.html)


算定するには2つの条件を同時に満たす必要があります。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa8/r06s28_sec1/r06s281_cls4/r06s2814_I026.html)


1. 治療圧力が2絶対気圧(ATA)以上であること
2. 治療時間が1時間以上であること


この条件を下回る場合は、高気圧酸素治療としてではなく「酸素吸入(I025)」として算定します。数字を間違えると査定の原因になるため、2ATA・1時間という数値は確実に覚えておいてください。 shirobon(https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r06_shika/r06s_ch2/r06s2_pa8/r06s28_sec1/r06s281_cls4/r06s2814_I026.html)


顎骨骨髄炎は歯性感染を原因とすることが多く、難治性になると再燃を繰り返します。高圧酸素療法は組織内酸素分圧を高め、嫌気性菌の増殖を抑制するとともに、骨再生を促す効果があります。手術単独では十分な効果が得られない症例で、1日1回・20〜30回を1クールとして使用されます。 tmhp(https://www.tmhp.jp/ebara/section/department/dentistry_oral_surgery/dentistry_column/201709.html)


2026年3月には新たに高気圧酸素治療を導入した医療機関が歯科口腔外科の顎骨骨髄炎治療を対象に運用を開始したという事例もあり、今後の普及が注目されています。 kure-kyosai.kkr.or(https://kure-kyosai.kkr.or.jp/news/20260309_10018.html)


歯科診療報酬 高気圧酸素治療(I026)の通知・算定要件。
歯科診療報酬点数表 I026 高気圧酸素治療(しろぼんねっと)


高圧酸素療法の禁忌と相対的禁忌:見落としやすいチェックポイント

禁忌を見落とすと患者に重大なリスクが生じます。把握しておくことは歯科従事者にとっても必須です。


絶対的禁忌は緊張性気胸の1つだけです。これだけは例外がありません。 tamaki-hp(https://www.tamaki-hp.jp/about/dl/ronbun/2022.pdf)


相対的禁忌(状況によって治療不可)には以下が含まれます。 otemachi.kenwakai.gr(https://otemachi.kenwakai.gr.jp/hbo/pdf/hbo_check_sheet.pdf)


- ⚠️ 未治療の気胸、胸部手術の既往、喘息(コントロール不良)
- ⚠️ CO₂上昇を伴う肺気腫
- ⚠️ 上気道感染症(耳抜き不能→中耳気圧外傷のリスク)
- ⚠️ 眼科ガスが注入されている状態
- ⚠️ 妊娠中または妊娠の可能性
- ⚠️ 重度の閉所恐怖症
- ⚠️ 意思疎通が取れない方


歯科処置後に高気圧酸素治療を予定している患者では、術前の問診で上気道感染症の有無や喘息の既往を確認する必要があります。鼻づまりがあるだけで耳抜きができず、治療を中断せざるを得ないケースもあります。厳しいところですね。 shinbashishika(https://shinbashishika.com/chiryou/o2pro/)


副作用としては呼吸困難、めまい、けいれん、吐き気などが報告されています。頻度は高くありませんが、患者への事前説明として知っておくべき内容です。 shinbashishika(https://shinbashishika.com/chiryou/o2pro/)


禁忌チェックシートの実例(健和会大手町病院)。
高気圧酸素治療 適応チェックシート(健和会大手町病院・PDF)


歯科従事者だけが知っておくべき:歯周病治療・インプラントへの応用という独自視点

一般的なゴロや国試対策では触れられない視点があります。歯周病菌の多くは偏性嫌気性菌であり、高気圧酸素環境下では酸素毒性によって活性が低下・死滅するという研究報告があります。 perio-o2(https://perio-o2.com/o2room/)


イタリアのヴェローナ大学の研究では、軽度高気圧濃縮酸素治療によって歯周病菌の活性度が有意に低下したと報告されています。これは使えそうです。 perio-o2(https://perio-o2.com/o2room/)


現在、一部の歯科医院では歯周組織再生療法インプラント手術の前後に高気圧酸素治療を併用し、治癒促進・定着率向上を目的として自由診療で提供しています。治療後の腫脹や疼痛の軽減にも効果が期待されており、患者満足度の向上につながる可能性があります。 kougakukai(https://www.kougakukai.com/blog/perio/hyperbaric_oxygen_therapy/other01)


ただし、この用途は現状では保険適用外であることを忘れてはいけません。インプラント周囲骨髄炎など難治性の感染が生じた場合は、保険適応となる「慢性難治性骨髄炎」の診断名が付く可能性があります。その場合は前述のI026での算定が検討できます。 tmhp(https://www.tmhp.jp/ebara/section/department/dentistry_oral_surgery/dentistry_column/201709.html)


高気圧酸素治療と歯周病・インプラントの臨床応用(新橋歯科医科診療所)。
高気圧酸素治療について(新橋歯科医科診療所)