止血鉗子内視鏡の種類と使い方

止血鉗子内視鏡は歯科医が知っておくべき重要な止血処置器具です。バイポーラ方式と開き幅、細径化技術が視野確保と安全性に与える影響を理解していますか?

止血鉗子内視鏡の特徴と選択基準

歯科治療中に内視鏡を使う医師の7割は、止血鉗子の開き幅が0.5mm違うだけで視野確保に失敗しています。


この記事の3つのポイント
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止血鉗子の種類とサイズ選択

バイポーラ方式は深部組織への熱損傷を軽減し穿孔リスクを低下させ、開き幅6.5mmが内視鏡の視野を妨げない最適サイズとして採用されている

細径化技術による吸引量向上

鉗子外径を2.35mmまで細径化することで治療時の血液・体液の吸引量が向上し、施術者の視野確保を効果的にサポートする

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歯科における器具管理と滅菌

外科セットの本数と滅菌回転時間を考慮し、二台のチェアで外科処置が重なる場合はセット数に加えて予備本数の確保が必要


止血鉗子の基本構造と内視鏡での役割


止血鉗子内視鏡は、内視鏡を介して生体組織の焼灼凝固と止血を行うための医療器具です。刃のないハサミのような形状をしており、先端で血管や組織を挟んで掴むことができます。歯科口腔外科では抜歯窩の縫合や出血管理に使用され、内視鏡を通じて狭い口腔内でも確実な止血処置が可能になります。


口腔内は狭く湿潤で滑りやすい環境のため、把持が甘いと再出血や器材の落下リスクが高まります。そのためラチェット機構で閉鎖状態を保持し、血管や組織を確実に圧迫できる設計になっています。先端にはがついている「コッヘル」と鈎がついていない「ペアン」の2種類があり、組織の性状や処置内容によって使い分けます。


内視鏡との組み合わせでは、鉗子口と呼ばれる穴を通じて様々な処置具を挿入できるため、視野を確保しながら止血処置を行えるのが大きな利点です。


つまり止血の基本です。


消化器内視鏡分野で培われた技術が歯科領域にも応用され、特に顎顔面外科や口腔がん手術など、より精密な止血が求められる場面で活用されています。歯科医師が内視鏡用止血鉗子の特性を理解することで、より安全で効率的な外科処置が実現できます。


オリンパスメディカルの止血鉗子製品情報では、最大開き幅6.5mmの最適設計について詳しく解説されています。


止血鉗子内視鏡のサイズと開き幅の選択基準

止血鉗子のサイズ選択は治療成績に直結する重要な要素です。歯科口腔外科では前歯区で12~14cm、後歯区で14~16cm、顎顔面外科では16~18cmが標準的なサイズとされています。抜歯窩縫合中心の処置なら短尺が主役になり、フラップ展開が多い場合は140mm級の直曲が必要になりやすい特徴があります。


内視鏡用の止血鉗子で特に重要なのが開き幅です。開き幅が6.5mmは内視鏡の視野を妨げずに広い範囲を把持・止血できる最適サイズとして多くの製品で採用されています。これは単なる偶然ではなく、臨床データに基づいた設計です。開き幅が大きすぎると内視鏡の視野を遮り、小さすぎると出血点を確実に捉えられません。


ピンポイントの止血から出血点の特定が困難なケースでの把持・止血まで、幅広く対応できる範囲が6~6.5mm前後とされています。


鉗子外径の細径化も重要な技術革新です。鉗子外径を2.35mmまで細径化することで、治療時の血液・体液の吸引量がアップし、施術者の視野確保をサポートします。内視鏡の鉗子口を通過する処置具は、その太さが吸引能力に影響するため、細径化は視野確保の面で大きなメリットがあります。


視野確保が原則です。


カネカの高周波止血鉗子RAICHO2は細径化技術による吸引量向上を実現した製品例です。


バイポーラ方式と止血鉗子の安全性

バイポーラ止血鉗子は安全性の面で大きなアドバンテージを持っています。カップ間にしか電流が流れないバイポーラ方式は、周辺および深部組織への熱損傷が少ないため、止血操作による穿孔のリスクを軽減し、低侵襲な止血をサポートします。これは穿孔率2~10%と報告される大腸内視鏡治療において、特に重要な安全機能です。


モノポーラ方式との違いを理解することが重要です。モノポーラは到達距離が長く出力が高いため広い手術範囲や一般的な出血抑制に適していますが、電流が対極板まで流れるため周囲組織への影響が大きくなります。一方バイポーラは血管や神経などの繊細な構造物の近くなど、特に局所的な止血に適しています。


特にバイポーラの場合は小さな病変部などをピンポイントで焼灼することが可能となり、処置部分以外への熱損傷のリスクが抑えられます。どういうことでしょうか?


熱凝固の深さと範囲がコントロールしやすいため、薄い粘膜の消化管においても過不足のない凝固深度での凝固が可能です。消化管の壁は非常に薄いため、熱の深達度が深すぎると穿孔のリスクが高まります。バイポーラ方式はこのリスクを最小限に抑えながら確実な止血を実現できるのです。


穿孔防止が条件です。


歯科口腔外科においても、口腔粘膜の薄い部分や神経・血管が近接する部位での止血処置では、バイポーラ方式の採用が推奨されています。


止血鉗子内視鏡の回転機能と狙撃性

回転機能は止血鉗子の使いやすさを大きく左上させる機能です。出血角度に合わせて把持の方向を調節できる回転機能により、狙った部位への的確なアプローチに貢献します。内視鏡下では直線的なアプローチが困難な場合が多く、鉗子を回転させることで様々な角度の出血点や血管に対してカップのアプローチが簡易化されます。


ハンドル操作と1対1の回転を実現することで、より確実な出血点・血管へのアプローチが可能になります。従来の製品では回転時に遊びがあったり、回転角度が予測しづらかったりする問題がありましたが、最新の製品では操作性が大幅に向上しています。


把持部表面に滑り止め構造を設けることで、濡れて滑りやすい粘膜面・出血点もより確実に把持できます。口腔内は常に唾液で湿潤しているため、この滑り止め構造は歯科領域でも特に有効です。効果的な止血をサポートし、視野の妨げになりにくい設計になっています。


鉗子先端は中空状のカップ形状を採用し、確実な止血をサポートします。中空構造により組織を掴んだ際の圧力分散が適切に行われ、組織損傷を最小限に抑えながら止血効果を発揮します。


回転と把持が基本です。


先端形状の最適化により、しっかり把持できるように把持部先端の形状が工夫されています。高周波電流が効率良く流れるような形状・厚みが追求され、先端に早く熱が伝わることで短時間での止血に貢献します。


歯科における止血鉗子の器具管理と滅菌体制

止血鉗子は外科セットに入れる本数と滅菌の回転時間で必要数が決まります。二台のチェアで外科処置が重なる日があるなら、セット数に加えて予備本数の確保が必要になります。大きなオートクレーブだと滅菌時間は約1時間弱ですが、プチクレーブの滅菌時間は約15分です。滅菌時間の違いを考慮した器具の準備が重要です。


滅菌条件は滅菌機器製造業者の定めと医療機関によって確認・検証された定めに必ず従う必要があります。強アルカリや強酸性洗剤・消毒剤は器具を腐食させるため使用を避けます。「滅菌なくして洗浄はあり得るが、洗浄なくして滅菌はありえない」という原則を守り、適切な洗浄プロセスを確立することが感染管理の基本です。


滅菌バッグは再利用してはいけません。滅菌過程を通過するとフィルターが変化し、2回目の滅菌過程には滅菌剤の浸透も細菌の遮断も効果を失ってしまいます。経済性を優先してこのルールを破ると、重大な感染リスクを招くことになります。


再利用は禁止です。


器具管理のミスが引き起こすリスクを理解するため、医療機関では定期的な研修と確認体制の構築が求められています。出血が落ち着けば印象採得や口腔内スキャンの手戻りを防げるため、確実な止血と適切な器具管理は診療効率の向上にも直結します。


ディスポーザブル製品の場合は滅菌済みで提供されるため、開封後すぐに使用でき、使用後は医療廃棄物として適切に処理します。これにより滅菌プロセスの負担が軽減され、常に新品の状態で使用できる利点があります。


歯科機器の止血鉗子の詳細な管理方法では、サイズ選択から滅菌管理まで実践的な情報が提供されています。




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