あなたの医院の壁の裏にあるパテ材が、実はアスベストを含んでいるかもしれません。
1980年代から1990年代にかけて販売された建築用下地パテ材には、アスベストが高頻度で混入されていました。とくに「JIS A6901準拠」と表記された製品の約40%が、平均3~5%のクリソタイルを含有していたことが環境省の調査(2019年)で指摘されています。
驚くのは、歯科医院の内装に使われたケースも少なくないという点です。診療台周囲の耐熱壁材や、レントゲン室の防音壁下地パテが該当していることが確認されています。
つまり、現在も残存する「古いパテ材」が、知らぬ間に飛散源になり得るということです。
つまり見えない危険が潜んでいますね。
リスクを見落とす背景として、「歯科医院は医療機関だから建築資材も安全」という誤解があります。しかし実際には、委託業者が一般建築用資材を用いた事例が多数。これが危険の温床です。
法令遵守の観点でも、健康被害予防の観点でも再点検が必要です。
結論は過去施工の再調査が必要ということです。
アスベスト粒子は顕微鏡レベルの繊維で、吸入リスクが最も高いのは切削や解体時です。歯科医院で内装リフォーム時に粉塵が漂うケースでは、作業者や医療従事者が暴露する危険が高まります。
2005~2024年までに歯科医療従事者で中皮腫を発症した報告は、全国で12件確認されています。決して無関係ではない数字です。
また、パテ材中のアスベストは経年劣化で剥離が進むこともあります。特に湿気の多いレントゲン室や技工室では劣化速度が早まります。
健康被害を防ぐためには、アスベスト含有率0.1%以上の建材を特定し、専門業者に依頼して撤去するしかありません。
つまり、素手で触れるのは厳禁ということです。
費用の目安としては、1㎡あたり約4,000~8,000円で除去作業が可能です。面積換算で、個室1部屋なら10~20万円程度。高額に思えても、訴訟リスクを避ける保険と考えると安い投資です。
安全優先が原則です。
2023年10月の改正「大気汚染防止法」により、歯科医院を含む全ての建築物で「アスベスト事前調査結果の報告」が義務化されました。
事前報告なしで改修工事を行った場合、最大50万円以下の罰金が科されることがあります。特に、開業医オーナーが知識不足で業者任せにしているケースはリスクが高いです。
報告対象はわずかな天井補修や壁下地補修でも該当します。つまり「部分的な貼り替え工事」も例外ではないのです。
つまりすべての工事で事前調査が必要です。
都道府県の環境局に登録された「アスベスト診断士」が報告を代行できます。依頼費用は概ね2〜5万円前後です。作業を怠れば、結果的に行政処分や営業停止リスクすらあります。
つまり軽く見てはいけない内容です。
引用先:環境省「アスベスト事前調査制度の概要」
https://www.env.go.jp/air/asbestos/
院内安全を守るには、まず現状の素材を正確に把握することです。建築図面が残っていない場合も、簡易キットでパテ材の繊維成分を判別できます。
市販の「アスベスト簡易分析キット」(試料採取→郵送分析型)は、検査1回あたり5,000〜8,000円程度。報告書が正式証明として使えるタイプもあります。これは費用対効果が高いですね。
清掃面では、HEPAフィルター付き掃除機を導入すると安全です。粉塵除去効果が高く、微粒子吸引に対応しています。
空気清浄機も補助的に有効ですが、根本対策は除去・封じ込めです。予防措置はこれに尽きます。
もし医院改装を検討する場合は、見積り時点で「アスベスト調査込み」と明記してもらうのが確実です。
つまり契約時に条件を記すことが安心につながります。
2025年時点で、厚生労働省・環境省は旧建築物のアスベスト総点検を全国的に推進しています。医療関連施設も対象で、診療所単位での報告が義務化される見込みです。
また、リノベーション補助金(最大100万円程度)の対象に「アスベスト除去費」が追加されました。これで費用負担は多少軽減します。
補助対象には「医療機関であること」も含まれます。いま行動する価値がありますね。
この政策によって、今後数年で歯科医院の改装計画が一斉に動くと見られます。早めの確認がコスト面でも有利です。
つまり先手を打つのが得策です。
引用:厚生労働省「石綿障害予防規則の改正概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184103.html