歯科で様子見すると、片目が閉じないまま長引くことがあります。

House-Brackmann分類は、顔面神経麻痺の重症度をGrade IからVIまでの6段階で評価する方法です。Grade Iは正常、Grade VIは完全麻痺で、その間を軽度・中等度・高度へと配列するため、耳鼻科、脳外科、救急、リハビリなどで伝達しやすいのが強みです。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
評価では「全体の印象」「安静時」「動作時」の3要素を見ます。ここが大事です。3つの要素が同じ段階にそろわないときは、最も重いグレードに合わせる運用が示されており、口元だけ軽そうでも閉眼障害が強ければ重く扱う発想が必要です。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
歯科医療従事者にとって重要なのは、病名確定より先に「顔面神経麻痺の程度を言語化できる」ことです。例えば「左House-Brackmann IV相当、閉眼困難あり」と伝えられるだけで、紹介先は緊急度と初期像をかなり把握しやすくなります。つまり共有の型です。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
日本の臨床では、House-Brackmann法と柳原40点法が並んで語られることが少なくありません。前者は顔面全体の印象をまとめて6段階で捉えるgross system、後者は10項目を0・2・4点で積み上げるregional systemで、見る粒度が違います。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
柳原40点法では最高40点で、38点以上が正常、8点以下が完全麻痺の目安とされます。House-Brackmannとの互換表では、Grade IIが32〜38点、Grade IIIが24〜30点、Grade IVが16〜22点、Grade VIが0〜6点と対応づけられており、ざっくりした重症感を行き来できます。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
ただし、完全に1対1で置き換えられるわけではありません。そこに注意すれば大丈夫です。House-Brackmann法は簡便な反面、観察者の主観や経験の影響を受けやすいとされ、逆に柳原法は細かく見られるぶん、診療チェアサイドで即時に共有するには少し手間がかかります。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
歯科現場では、まずHouse-Brackmannで重症度を粗く伝え、必要に応じて柳原法的な観察項目で補足すると実務的です。紹介状や電話連絡で短時間に情報を落とし込む場面では、この順番が使いやすいはずです。結論は併用です。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
実はHouse-Brackmann分類で迷いやすいのがGrade IIIとIVです。脳外科医の解説でも、この2つは区別がつきづらいとされ、Grade IVは閉眼が難しい一方で病的共同運動が高度という記載になり、臨床像ときれいに一致しないこともあると指摘されています。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
Grade IIIは、安静時には左右差がわかりにくく、力を入れれば何とか閉眼でき、左右差も軽度というイメージです。対してGrade IVは、安静時はほぼ左右対称でも、動かすと明らかな非対称があり、眼にも口にも動きは残るが麻痺が強い段階です。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
ここを曖昧にしたまま「少し麻痺っぽいですね」で終えると、紹介の優先度を誤ります。意外ですね。歯科の診療中なら、額のしわ寄せ、軽い閉眼、強い閉眼、イーの口、頬の膨らませを30秒ほどで確認し、眼が閉じ切らないなら重めに扱うほうが安全です。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
病的共同運動や拘縮まで視野に入れるなら、後遺症評価に重点を置くSunnybrook法が話題に上がることもあります。ただ、初動の場面で必要なのは、まず重症度を取りこぼさないことです。つまり初動優先です。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1411101602)
歯科で顔面の動きが急におかしいと感じたとき、局所麻酔や開口保持の疲労と即断しないことが重要です。ベル麻痺では単純ヘルペスウイルス1型の再活性化が主因と考えられるようになっており、原因不明として片づける感覚は以前より通用しにくくなっています。 mj-omt(https://mj-omt.com/case/%E9%A1%94%E9%9D%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%BA%BB%E7%97%BA/)
特に見逃したくないのは、閉眼障害です。眼が閉じないと角膜障害につながるため、歯の痛みより先に眼の保護が問題になることがあります。ここが原則です。顔面神経麻痺の評価は見た目だけの問題ではなく、健康被害の回避に直結します。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
また、重症度が高い例では外科的対応の検討対象にもなります。解説では、形成外科などで外科手術の対象となるのはGrade IVより悪いもの、顔面神経再建術の対象はGrade VとVIとされており、歯科側で「強い麻痺」を軽く扱う不利益は小さくありません。 naist.repo.nii.ac(https://naist.repo.nii.ac.jp/record/7599/files/R008974.pdf)
この場面の対策は、紹介判断を速めることです。狙いは見逃し回避です。候補としては、院内で「閉眼不能」「発症時刻」「耳痛・発疹の有無」を3項目だけメモする運用にすると、電話紹介でも情報が抜けにくくなります。これは使えそうです。
歯科では、患者説明がうまくいくかどうかで受診行動が変わります。House-Brackmann分類は本来医療者向けの共通言語ですが、患者には「6段階の顔の動きの評価で、今は真ん中より重い位置です」のように翻訳して伝えると理解されやすいです。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
数字がある説明は、行動につながります。例えば「Grade V〜VIはほとんど動かない段階」「Grade IIIは何とか閉じられる段階」と、患者が鏡を見ながら自分でイメージできる表現にすると、緊急受診の必要性を受け入れてもらいやすくなります。 ou-hari(https://www.ou-hari.com/donna-02.html)
歯科スタッフ教育でも応用できます。House-Brackmann分類を覚えるだけなら6段階ですが、チェアサイドでは「額・眼・口」の3点に分けて見れば整理しやすいです。3点だけ覚えておけばOKです。新人教育では、この3点観察にスマホの顔面動画記録の院内ルールを添えると、再診時の比較もしやすくなります。
評価法の全体像を確認したいときの参考リンクです。House-Brackmann法の定義、3要素評価、最も重いグレードに合わせる考え方が整理されています。
House-Brackmann法 (顔面神経麻痺)
Grade IIIとIVの迷いやすさ、Grade V・VIのイメージ、40点法の10項目を確認したいときの参考リンクです。
顔面麻痺の評価法 | 脳外科医 澤村豊のホームページ

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