あなたが紙で設備管理すると年間100万円損します
CMMSとは「Computerized Maintenance Management System」の略で、設備保全をデジタル管理する仕組みです。
金属加工の現場では、工作機械や切削工具、測定機器など多数の設備を扱います。これらの点検履歴や修理記録を紙やExcelで管理しているケースは少なくありません。
つまり設備管理の一元化です。
CMMSでは以下のような情報をまとめて扱えます。
・設備ごとの点検スケジュール
・故障履歴と修理内容
・部品交換履歴
・作業者の記録
例えばマシニングセンタが10台ある工場で、1台あたり月1回の点検を行う場合、年間120件の点検が発生します。これを紙で管理すると、検索だけで1件あたり2〜3分かかることもあります。
結論は効率化です。
CMMSなら検索は数秒です。過去のトラブル原因もすぐに参照できます。これは現場の判断スピードに直結します。
CMMS導入の最大のメリットはコスト削減です。
特に金属加工業では設備停止がそのまま売上損失に直結します。
例えば、1時間あたり5万円の売上を生む加工ラインが突発停止した場合、2時間止まれば10万円の損失です。これが月3回起きると年間360万円になります。
痛いですね。
CMMSで予防保全を徹底すると、突発停止を30〜50%減らせると言われています。
つまり年間100万円以上の損失回避も現実的です。
さらに部品交換の最適化も重要です。
まだ使える部品を早く交換すると無駄なコストが発生しますが、逆に遅れると故障リスクが上がります。
つまり最適タイミングです。
CMMSは使用時間や履歴から交換時期を判断できるため、無駄な出費と故障リスクの両方を抑えられます。
CMMSは便利ですが、導入すれば必ず成功するわけではありません。
むしろ失敗例も多いです。
代表的な失敗は以下です。
・入力が面倒で使われなくなる
・現場と管理者で認識がズレる
・データが蓄積されない
どういうことでしょうか?
例えば、入力に1件5分かかる設計だと、1日10件で50分の負担になります。現場は忙しいため、記録が後回しになり、結果として使われなくなります。
結論は運用設計です。
このリスクの対策として、現場入力の負担軽減が必要です。
入力負担のリスク→記録漏れ防止→スマホ対応CMMSを選ぶ、これが基本です。
最近はQRコードで設備を読み取り、1分以内で入力できるツールもあります。
これなら問題ありません。
CMMSには大きく分けてクラウド型とオンプレ型があります。
それぞれ特徴が異なります。
クラウド型の特徴
・初期費用0〜数万円
・月額1万〜5万円程度
・どこでもアクセス可能
オンプレ型の特徴
・初期費用100万円以上
・社内サーバーで運用
・カスタマイズ性が高い
つまり用途次第です。
中小の金属加工工場であればクラウド型が主流です。理由は導入スピードとコストです。
一方で、大規模工場や独自システム連携が必要な場合はオンプレ型が適しています。
選定ミスはコスト増に直結します。
ここは慎重に判断が必要です。
一般的なCMMSの使い方に加えて、金属加工業ならではの活用もあります。
ここが差になります。
例えば工具管理との連携です。
エンドミルやドリルの使用回数を記録し、寿命管理に使う方法です。
工具1本が1万円として、寿命を20%延ばせれば年間数十万円の削減につながります。
意外ですね。
さらに段取り時間の短縮にも使えます。
過去の段取り手順を記録しておけば、新人でも同じ品質で作業できます。
つまり標準化です。
この考え方を進めると、技能の属人化を防ぎ、教育コストも削減できます。
特に人手不足の現場では大きなメリットです。
公的機関による設備保全の考え方や指標の参考資料
https://www.jipm.or.jp/