口腔内スキャナー 一覧と最新機種の徹底比較

歯科医療のデジタル化を牽引する口腔内スキャナーの最新情報を網羅的に解説。各メーカーの特徴や価格帯、選び方のポイントまで詳しく紹介しています。あなたの診療に最適な口腔内スキャナーはどれでしょうか?

口腔内スキャナー 一覧と特徴

口腔内スキャナーの基本情報
📷
デジタル歯科の革新

従来の印象材に代わり、口腔内を3Dデジタルデータとして記録する最新技術

💻
CAD/CAMシステム連携

スキャンデータを基に補綴物の設計・製作が可能になり、治療の精度と効率が向上

🔍
患者負担の軽減

印象材による不快感がなく、治療計画の視覚的な説明も可能に

kindleアンリミ

口腔内スキャナー(IOS:Intraoral Scanner)は、歯科医療のデジタル化において中心的な役割を果たす機器です。従来の印象材を使用した歯型採得に代わり、高解像度の光学カメラを用いて口腔内を直接スキャンし、3Dデジタルデータとして記録します。このデータは、補綴物の設計・製作や治療計画の立案に活用され、より精密な歯科治療を可能にしています。

 

近年、様々なメーカーから多様な機種が発売され、歯科医院での普及が進んでいます。しかし、機能や価格帯が幅広いため、導入を検討する際には各機種の特徴を理解し、自院のニーズに合った選択が重要です。

 

この記事では、2025年最新の口腔内スキャナーの一覧と各機種の特徴、選び方のポイントを詳しく解説します。デジタル歯科治療の質を高めるための参考にしていただければ幸いです。

 

口腔内スキャナーの基本原理と動作の仕組み

口腔内スキャナーは、高解像度の光学カメラを搭載し、口腔内の形状を精密に撮影するデジタル機器です。その基本原理は、構造化光投影法や共焦点レーザースキャン法などの技術を用いて、歯や歯茎の表面形状を3次元的に捉えることにあります。

 

スキャナーの使用方法は比較的シンプルで、専用のハンドピースを口腔内に挿入し、歯列に沿って動かしていくだけです。スキャナーから投影された光が歯の表面で反射し、その反射パターンをカメラが捉えて3Dデータに変換します。このプロセスはリアルタイムで行われ、モニター上で即座に確認することができます。

 

スキャンデータは専用ソフトウェアで処理され、STL、PLY、OBJなどの標準的な3Dファイル形式で出力されます。これらのデータは、CAD/CAMシステムと連携して補綴物の設計・製作に利用されるほか、矯正治療計画や診断資料としても活用されます。

 

最新の口腔内スキャナーは、スキャン速度や精度が大幅に向上しており、従来の印象材による方法と比較しても遜色ない、あるいはそれ以上の精度を実現しています。また、患者の負担軽減や治療時間の短縮にも貢献しています。

 

口腔内スキャナーの国内メーカー別最新機種一覧

2025年現在、日本国内で流通している主要な口腔内スキャナーを、メーカー別に紹介します。各機種の特徴や性能を理解することで、導入検討の参考にしていただければと思います。

 

3Shape(スリーシェイプ)

  • TRIOS 5:2022年に発売された最新モデル。人間工学に基づいた設計と高速スキャン機能が特徴。重量299g、ワイヤレス対応。3Shape Uniteクラウドプラットフォームと連携可能。
  • TRIOS 4:前世代モデルながら高い性能を維持。

Medit(メディット)

  • i900:2024年4月発売の最新モデル。重量165gと超軽量設計で、優れたスキャン速度を実現。無料ソフトウェアアプリケーションが充実。
  • i700 ワイヤレス:ワイヤレス接続に対応した人気モデル。
  • i700:有線タイプの標準モデル。コストパフォーマンスに優れる。

Dentsply Sirona(デンツプライシロナ)

  • Primescan 2:最新モデル。高精度と広いスキャン範囲が特徴。
  • Primescan:前世代モデルだが高い性能を誇る。重量457g(使い捨てスリーブ使用時)。
  • CEREC Omnicam:院内CAD/CAMシステムとの連携に特化。

GC(ジーシー)

  • Aadva IOS200:チップ部分が小さく口腔内での操作性に優れる。結露防止機能搭載。
  • Aadva IOS100:前世代モデル。

Align Technology(アラインテクノロジー)

  • iTero エレメント 5D プラス:矯正治療との連携に優れ、う蝕検知機能も搭載。
  • iTero エレメント 5D:高機能モデル。
  • iTero エレメント2:スタンダードモデル。

Carestream Dental(ケアストリームデンタル)

  • CS3700:高精度スキャンが可能。
  • トロフィー3Di BEYOND:使いやすさを重視した設計。

Shining 3D(シャイニング3D)

  • Aoralscan3:コストパフォーマンスに優れたモデル。
  • G-Oralスキャン:エントリーモデル。

Planmeca(プランメカ)

  • Emerald S:軽量コンパクト設計で操作性に優れる。

Panda Scanner

  • 神楽(KAGURA):日本製の口腔内スキャナー。

これらの機種は、それぞれに特徴があり、診療スタイルや予算に応じて選択することが重要です。また、多くの機種がソフトウェアアップデートにより機能拡張が行われているため、最新情報の確認をお勧めします。

 

口腔内スキャナーの選び方と重要な比較ポイント

口腔内スキャナーを導入する際には、様々な観点から比較検討することが重要です。以下に、選択の際に注目すべき主要なポイントを解説します。

 

1. スキャン性能

  • スキャン速度:患者の負担軽減と診療効率向上のため、高速スキャンが可能な機種が望ましい。最新機種では20〜30fpsのフレームレートを実現。
  • 精度:補綴物製作に直結するため、高精度なスキャンが可能な機種を選ぶことが重要。特に全顎スキャンの精度に注目。
  • スキャン範囲:一度に広範囲をスキャンできるモデルは効率的。

2. 使いやすさ

  • 重量とサイズ:長時間使用する場合、軽量コンパクトな設計が操作性向上に寄与。最軽量モデルは165g程度。
  • ワイヤレス対応:ケーブルレスで操作できるワイヤレスモデルは自由度が高い。
  • チップの大きさ:小さいチップは臼歯部など狭い部位のスキャンに有利。

3. データ互換性

  • 出力ファイル形式:STL、PLY、OBJなど標準的な形式に対応していると、他システムとの連携がスムーズ。
  • クラウドプラットフォーム:データ共有や技工所連携の利便性を高めるクラウドサービスの有無。

4. 追加機能

  • う蝕検知機能:一部の高機能モデルでは、スキャン時にう蝕を検出する機能を搭載。
  • CAD機能:簡易的な設計が可能なCAD機能内蔵モデルもある。
  • 滅菌対応:チップの滅菌回数や方法も重要な選択ポイント。

5. コスト

  • 本体価格:エントリーモデルから高機能モデルまで幅広い価格帯(約300万円〜800万円程度)。
  • 維持費:年間サブスクリプション料金や保守料金の有無。
  • 追加費用:PCやソフトウェアの別途購入が必要かどうか。

6. サポート体制

  • トレーニング:導入時のトレーニングプログラムの充実度。
  • アフターサポート:故障時の対応や修理体制。
  • ソフトウェアアップデート:定期的な機能向上や不具合修正の提供。

これらのポイントを総合的に評価し、自院の診療スタイルや予算に最適な機種を選択することが重要です。また、実際に使用感を確認するためのデモンストレーションや、他院での使用事例の参考も有効な判断材料となります。

 

口腔内スキャナーのタイプ別特徴と価格帯

口腔内スキャナーは、機能や性能によって大きく3つのタイプに分類することができます。それぞれのタイプの特徴と価格帯を解説します。

 

1. ハイエンドモデル(600万円〜800万円)
ハイエンドモデルは、最高レベルの精度と機能性を備えた製品群です。

 

  • 代表機種:3Shape TRIOS 5、Dentsply Sirona Primescan 2、iTero エレメント 5D プラス
  • 特徴
    • 高精度・高速スキャン(30fps以上)
    • 広範囲のスキャンが可能
    • う蝕検知機能などの付加機能搭載
    • 専用ソフトウェアとの高度な連携
    • オールインワン設計(別途PC不要のモデルが多い)
  • 向いている診療所
    • デジタル歯科治療を中心に据えた診療所
    • 補綴物製作や矯正治療を多く行う診療所
    • 高度な精度を要求する症例が多い診療所

    2. ミッドレンジモデル(400万円〜600万円)
    ミッドレンジモデルは、コストと性能のバランスが取れた製品群です。

     

    • 代表機種:Medit i700、GC Aadva IOS200、Planmeca Emerald S
    • 特徴
      • 実用十分な精度と速度
      • 比較的コンパクトで使いやすい設計
      • 基本機能は充実しているが、特殊機能は限定的
      • 別途PCが必要なモデルが多い
    • 向いている診療所
      • デジタル化を進めたい一般歯科診療所
      • コストパフォーマンスを重視する診療所
      • 補綴物製作を中心にデジタル化を図りたい診療所

      3. エントリーモデル(300万円〜400万円)
      エントリーモデルは、導入コストを抑えつつ基本機能を備えた製品群です。

       

      • 代表機種:Shining 3D Aoralscan3、Medit i500、G-Oralスキャン
      • 特徴
        • 基本的なスキャン機能に特化
        • 比較的低速だが実用的な精度
        • シンプルな設計と操作性
        • 維持費が抑えられるモデルが多い
        • 別途PCが必要
      • 向いている診療所
        • デジタル化の第一歩として導入を検討している診療所
        • 予算を抑えて導入したい診療所
        • スキャンデータの外部連携を中心に考えている診療所

        価格帯は2025年4月現在の一般的な相場であり、販売店やキャンペーン、付属品の有無などによって変動する場合があります。また、本体価格以外にも、年間サブスクリプション料金(0円〜18万円程度)や保守料金、PCの別途購入費用などが発生する場合があるため、総所有コスト(TCO)の観点からも検討することが重要です。

         

        導入前には、複数の販売店から見積もりを取得し、含まれるサービスや保証内容も含めて比較検討することをお勧めします。

         

        口腔内スキャナーがもたらす診療効率化と患者体験の向上

        口腔内スキャナーの導入は、単なる機器の更新ではなく、診療ワークフロー全体の変革と患者体験の質的向上をもたらします。具体的にどのような効果があるのか、詳しく見ていきましょう。

         

        診療効率の向上
        口腔内スキャナーを活用することで、従来の印象採得と比較して大幅な時間短縮が可能になります。印象材の練和や硬化待ち時間が不要になり、スキャンデータはすぐに確認・修正できるため、再印象のリスクも低減します。実際の臨床データによると、全顎印象採得の時間は従来法の約半分に短縮されるケースが多いとされています。

         

        また、デジタルデータの保存・管理が容易になるため、模型の保管スペースも不要になります。過去のスキャンデータとの比較も簡単に行えるため、経過観察や治療効果の評価も効率化されます。

         

        技工連携の効率化
        スキャンデータは即座に技工所へ送信できるため、物理的な模型の輸送時間が削減されます。また、デジタルデータを基にした設計・製作プロセスにより、技工物の精度向上と製作時間の短縮も期待できます。

         

        さらに、スキャンデータを基に技工士とのリアルタイムコミュニケーションが可能になり、複雑な症例でも詳細な情報共有ができるようになります。これにより、再製作のリスクも低減します。

         

        患者体験の向上
        口腔内スキャナーの最大のメリットの一つは、患者の不快感を大幅に軽減できる点です。印象材による嘔吐反射や不快感がなくなり、特に印象採得に恐怖感を持つ患者にとって大きな安心感をもたらします。

         

        また、スキャンデータをモニターでリアルタイム表示することで、患者自身が口腔内の状態を視覚的に理解できるようになります。これにより、治療計画の説明がより分かりやすくなり、患者の治療への理解と同意が得やすくなります。

         

        治療の質の向上
        高精度なデジタルデータを基にした設計・製作により、補綴物の適合精度が向上します。特に複雑な形状や広範囲の補綴物製作において、その効果は顕著です。

         

        また、スキャンデータを活用した治療シミュレーションが可能になり、より予測性の高い治療計画を立てることができます。矯正治療や審美治療では、治療前後の変化を視覚的に示すことで、患者の治療へのモチベーション向上にも寄与します。

         

        経営面でのメリット
        印象材や石膏などの消耗品コストが削減され、長期的には経済的なメリットも期待できます。また、先進的な医療機器の導入によるクリニックのブランディング効果や、SNSなどでの発信材料としても活用できます。

         

        実際に口腔内スキャナーを導入した多くの歯科医院では、新規患者の増加や自費診療の割合向上などの経営的効果も報告されています。

         

        以上のように、口腔内スキャナーの導入は、診療効率の向上だけでなく、患者体験の質的向上や治療の精度向上など、多面的なメリットをもたらします。初期投資は決して小さくありませんが、長期的な視点で見れば、現代の歯科医院にとって不可欠な設備投資と言えるでしょう。

         

        口腔内スキャナー導入後の活用事例と将来展望

        口腔内スキャナーを導入した歯科医院では、様々な臨床シーンでその活用が広がっています。ここでは、実際の活用事例と今後の展望について紹介します。

         

        臨床活用事例

        1. 補綴治療での活用
          • クラウン・ブリッジの製作:従来の印象法と比較して、適合精度の高い補綴物製作が可能に。特に大型ブリッジでの精度向上が顕著。
          • インプラント上部構造:インプラントレベルでのスキャンにより、複雑な上部構造も高精度に製作。
          • CAD/CAMとの連携:院内ミリングマシンと連携し、即日修復(ワンデイトリートメント)を実現している医院も増加。
        2. 矯正治療での活用
          • マウスピース型矯正装置の設計:スキャンデータを基にカスタムメイドの矯正装置を製作。
          • 治療シミュレーション:治療前後の変化を視覚化し、患者への説明ツールとして活用。
          • 経過観察:定期的なスキャンによる歯の移動量の正確な評価が可能に。
        3. 診断・治療計画での活用
          • 初診時の口腔内記録:従来の口腔内写真に加え、3Dデータとして記録。
          • 咬合分析:デジタルデータによる詳細な咬合接触分析。
          • 経年変化の観察:歯の摩耗や歯肉退縮などの変化を定量的に評価。
        4. 患者教育・コミュニケーションツールとしての活用
          • 治療計画の説明:3Dモデルを用いた視覚的な説明により、患者の理解度向上。
          • 口腔衛生指導:プラーク付着部位の視覚化による効果的な指導。
          • 治療記録の共有:患者ポータルを通じたスキャンデータの共有。

        将来展望

        1. AI技術との融合

          口腔内スキャナーとAI(人工知能)技術の融合により、自動診断支援や治療計画の最適化が進むと予想されます。すでに一部のシステムでは、う蝕や歯周病のリスク評価をAIが支援する機能が実装されています。

           

        2. 拡張現実(AR)・仮想現実(VR)との連携

          スキャンデータをARやVR技術と組み合わせることで、より直感的な治療シミュレーションや患者説明が可能になります。特に複雑な外科処置や審美治療の計画において、その効果が期待されています。

           

        3. 遠隔診療への応用

          口腔内スキャナーのデータを活用した遠隔診療や専門医へのコンサルテーションが普及すると予想されます。特に地方や過疎地域での専門的歯科医療へのアクセス向上に貢献する可能性があります。

           

        4. バイオセンサーとの統合

          次世代の口腔内スキャナーでは、形状スキャンだけでなく、唾液分析や口腔内細菌叢の評価など、バイオセンシング機能との統合が進むと予想されます。これにより、より包括的な口腔健康評価が可能になります。

           

        5. スキャン精度と速度の更なる向上

          技術の進化により、スキャン精度と速度は今後も向上し続けると予想されます。特に血液や唾液などの影響を受けにくい安定したスキャン技術の開発が期待されています。

           

        口腔内スキャナーは、単なるデジタル印象装置から、総合的な口腔診断・治療支援システムへと進化しつつあります。今後も技術革新により、その活用範囲はさらに拡大していくでしょう。歯科医療のデジタルトランスフォーメーションの中心的役割を担う機器として、その重要性は一層高まっていくと考えられます。

         

        口腔内スキャナー導入時の注意点と成功のためのポイント

        口腔内スキャナーの導入は、歯科医院のデジタル化における重要なステップですが、成功させるためにはいくつかの注意点とポイントを押さえておく必要があります。ここでは、導入時の課題と対策、そして成功のためのポイントを解説します。

         

        導入前の準備と注意点

        1. スタッフ教育の重要性

          口腔内スキャナーを効果的に活用するためには、歯科医師だけでなく、歯科衛生士や歯科助手を含めたチーム全体のトレーニングが不可欠です。メーカーが提供するトレーニングプログラムを積極的に活用し、スキャン技術の基本から応用まで、段階的に習得することが重要です。

           

        2. IT環境の整備

          口腔内スキャナーの導入には、適切なIT環境の整備が必要です。特に以下の点に注意が必要です。

           

          • ネットワーク環境:高速かつ安定したインターネット接続
          • データストレージ:大容量のスキャンデータを保存するためのサーバーやクラウドストレージ
          • セキュリティ対策:患者データ保護のためのセキュリティ対策
        3. ワークフローの再設計

          従来のアナログワークフローからデジタルワークフローへの移行には、診療プロセス全体の見直しが必要です。特に以下の点について検討が必要です。

           

          • 予約システムの調整:スキャン時間を考慮した予約枠の設定
          • 役割分担の明確化:誰がスキャンを担当するか
          • 技工所との連携方法:デジタルデータの送受信方法や仕様の確認
        4. コスト計画

          導入時の初期費用だけでなく、ランニングコストも含めた総所有コスト(TCO)を把握しておくことが重要です。

           

          • 年間サブスクリプション料金
          • メンテナンス費用
          • 消耗品(スキャナーチップなど)の費用
          • ソフトウェアアップデート費用

        成功のためのポイント

        1. 段階的な導入

          すべての症例を一度にデジタル化するのではなく、単冠や小さなブリッジなど、比較的シンプルな症例から始め、徐々に適用範囲を広げていくことが成功の鍵です。スタッフの習熟度に合わせて、無理のないペースで導入を進めましょう。

           

        2. 継続的なトレーニング

          初期トレーニングだけでなく、定期的なスキルアップセッションを設けることで、チーム全体のスキャン技術向上を図ることが重要です。メーカーが提供するウェビナーやハンズオンセミナーなどを積極的に活用しましょう。

           

        3. 患者へのコミュニケーション

          口腔内スキャナーの導入は、患者にとっても新しい体験です。その利点や流れを丁寧に説明し、患者の不安を取り除くことが重要です。特に以下の点を強調するとよいでしょう。

           

          • 従来の印象材による不快感がない
          • より精密な治療が可能になる
          • 治療の見える化による理解のしやすさ
        4. 技工所との密接な連携

          デジタルデータを活用した技工物製作には、技工所との緊密な連携が不可欠です。導入前に以下の点について確認しておきましょう。

           

          • 対応可能なファイル形式
          • データ送信方法
          • 設計の分担(歯科医院側で行うか技工所側で行うか)
        5. ROI(投資収益率)の評価

          口腔内スキャナーの導入効果を定期的に評価することで、投資対効果を把握し、さらなる改善につなげることができます。以下の指標を定期的に確認しましょう。

           

          • 印象材などの消耗品コスト削減額
          • 治療時間の短縮効果
          • 再製作率の変化
          • 患者満足度の変化

        口腔内スキャナーの導入は、初期段階では学習曲線があり、慣れるまでに時間がかかることを理解しておくことが重要です。しかし、適切な準備と段階的な導入により、その恩恵を最大限に享受することができます。デジタル化は一朝一夕に完了するものではなく、継続的な改善と学習のプロセスであることを念頭に置いて取り組むことが成功への道と言えるでしょう。

         

        日本歯科医師会の調査によると、口腔内スキャナーの導入率は年々上昇しており、特に若手歯科医師を中心に導入意欲が高まっています。デジタル歯科の波に乗り遅れないためにも、計画的な導入を検討することをお勧めします。

         

        口腔内スキャナーの種類と特徴に関する日本補綴歯科学会の詳細資料