リペリオはフッ素なしでも歯周病予防に優れています
リペリオは歯周病予防に特化した歯肉活性化歯磨き剤として、多くの歯科医院で推奨されています。その最大の特徴は、OIM加水分解コンキオリンという独自成分にあります。この成分はアコヤ貝の真珠層に含まれるタンパク質を加水分解したもので、歯肉の線維芽細胞を活性化する働きがあります。
線維芽細胞はコラーゲンとエラスチンを増殖させ、歯肉にハリと弾力を与える重要な細胞です。歯周病や加齢によって活性が低下した線維芽細胞を刺激することで、歯周組織の回復を促進します。
つまり組織レベルで働きかけるということですね。
さらに塩化ナトリウムが配合されており、ブラッシング中に歯肉の血行を促進し歯茎を引き締める効果があります。血行促進により組織の代謝が活性化され、歯肉の修復プロセスが加速されます。独特の塩味がありますが、塩分制限が必要な患者さんでも安心して使用できる配合量になっています。
臨床試験では3ヶ月間の使用でわずかながら歯周組織の回復が確認されました。一度退縮した歯茎が完全に元に戻ることはありませんが、進行を抑制し改善傾向を示すことができます。
これは患者指導において重要なポイントです。
ウエルテック公式サイト|リペリオの成分詳細と臨床データが掲載されています
歯科医院での患者指導において、リペリオとジェルコートFの使い分けは非常に重要なテーマです。両製品とも同じコンクールシリーズですが、目的と配合成分が大きく異なります。
ジェルコートFはフッ素950ppm配合で虫歯予防と歯周病予防の両方に対応した日常使いの歯磨きジェルです。塩酸クロルヘキシジンによる殺菌効果と消炎作用があり、健康な口腔環境を維持するための製品といえます。一方、リペリオはフッ素を配合せず、歯肉活性化に特化しています。
使い分けの基準は明確です。歯肉に腫れ・出血・退縮などの症状がある中等度以上の歯周病患者には、まずリペリオで集中的に歯肉ケアを行います。炎症が落ち着き歯肉の状態が安定してきたら、ジェルコートFに切り替えて良好な口腔環境を維持するというステップが効果的です。
歯周病リスクが高い患者には朝はジェルコートF、夜はリペリオという併用パターンも推奨されています。
それぞれの特性を活かすアプローチですね。
オーバーブラッシングの傾向がある患者には、研磨剤無配合のリペリオで正しいブラッシング圧を習得してもらうことも有効です。
患者さんの歯肉の状態、リスク要因、生活習慣に応じて個別に製品選択を提案することが、歯科衛生士の重要な役割となります。
リペリオの効果を最大限に引き出すには、正しい使い方の指導が不可欠です。
使用方法は大きく分けて2つあります。
通常のブラッシングと歯肉マッサージです。
通常のブラッシングでは、適量(約1cm、0.5g程度)を歯ブラシに取り、歯と歯茎の境目を中心に丁寧にブラッシングします。
発泡剤が無配合なので泡立ちません。
これはむしろメリットです。泡立たないため、磨いている部分を目で確認しながらしっかりと磨けます。
磨き残しを防げるということですね。
すすぎは数回行い、その後コンクールF(薬用マウスウォッシュ)を併用すると予防効果がさらに高まります。コンクールFのグルコン酸クロルヘキシジンは最大12時間殺菌効果が持続するため、就寝前の使用が特に効果的です。
歯肉マッサージの方法も患者指導で伝えるべき重要なポイントです。豆粒大2個程度の量を指に取り、歯茎に軽く触れながらゆっくり円を描くようにマッサージします。
上下で2分程度が適当です。
強くこすりすぎると歯茎や粘膜を傷つける恐れがあるため、軽い力で行うことを強調してください。
1日2回行い、マッサージ後は軽くうがいをします。毎日歯茎に触れることで、患者さん自身が歯肉の変化を実感できるという副次的な効果もあります。
セルフモニタリング能力が高まるのです。
リペリオが研磨剤と発泡剤を配合していないことには、明確な臨床的理由があります。この点を患者さんに説明できることが、製品への信頼と継続使用につながります。
研磨剤無配合の最大の理由は、歯周病患者の歯茎へのやさしさです。歯周病で炎症を起こしている歯肉や、退縮して敏感になっている歯肉に対して、研磨剤は刺激となります。強すぎるブラッシング圧と研磨剤の組み合わせは、歯の表面や口腔粘膜を傷める原因になります。
さらに研磨剤がないことで、歯肉マッサージ剤としても使用できます。指で直接歯茎に塗布してマッサージする用途では、研磨剤の存在は不要であり、むしろ邪魔になるのです。
使用目的に合わせた処方ということですね。
発泡剤無配合にも重要な意味があります。市販の歯磨き粉の多くはラウリル硫酸ナトリウムなどの発泡剤で泡立ちます。泡立つと磨けた気になってしまい、実際には汚れが残っていても気づきにくいというデメリットがあります。リペリオは泡立たないので、磨いている部分を目視で確認しながら丁寧にブラッシングできます。
知覚過敏の患者さんにも適しています。研磨剤が歯の神経に刺激を与えることがないため、症状の悪化を防げます。ただし、着色やヤニが付きやすい患者さんには、定期的な歯科医院でのクリーニングとの併用を推奨する必要があります。
浅草安田歯科醫院|リペリオの臨床使用例と3ヶ月試験データの詳細が確認できます
リペリオにフッ素が配合されていないことを、患者さんから質問されることがあります。フッ素は虫歯予防に有効な成分として広く知られているため、「なぜフッ素が入っていないのか」という疑問は自然です。
しかしこれには明確な製品戦略があります。
歯周病患者の多くは、実は虫歯になりにくいという特徴があります。歯周病によって唾液の性質が変化し、pH環境が虫歯菌の活動に不利になるためです。一方で歯茎が腫れやすく、炎症を起こしやすいという問題を抱えています。
つまり虫歯リスクよりも歯周病リスクが高いのです。
リペリオはあえてフッ素を配合せず、その分を歯茎活性化成分である塩化ナトリウムの濃度を高めることに使っています。製品コンセプトを歯周病に完全特化させることで、より高い効果を実現しているわけです。
歯周病予防の専門家という位置づけですね。
虫歯予防が必要な患者さんには、ジェルコートF(フッ素950ppm配合)との併用を提案できます。朝はジェルコートFで虫歯予防、夜はリペリオで歯周病ケアという使い分けが理想的です。
両方のニーズに応えられます。
インプラント患者にもリペリオは適しています。フッ素はチタン製インプラントを腐食させるリスクが指摘されており、フッ素非配合の歯磨き剤が推奨されるケースがあります。
リペリオならその心配がありません。
この製品設計の意図を理解することで、歯科医院スタッフは患者さんに対してより説得力のある説明ができるようになります。