ヘルペス性歯肉口内炎 子供の原因と対処法

1~3歳の子どもを襲うヘルペス性歯肉口内炎は、単純ヘルペスウイルス初感染で起こる強い症状です。実は多くの大人が持つウイルスが原因なのに、なぜ子どもは重症化するのでしょうか?

ヘルペス性歯肉口内炎 子供の原因

ヘルペス性歯肉口内炎の重要なポイント3つ
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単純ヘルペスウイルス1型が原因

多くの大人がすでに感染しており、唇の水ぶくれ(口唇ヘルペス)の原因ウイルスです。 子どもの初感染時に重症化します。

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1~3歳で好発

免疫が未発達な時期に初感染すると、39℃以上の高熱と強い口内痛が出現します。

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脱水が最大の課題

口の痛みで飲食できず、脱水症状で入院が必要になる場合もあります。 早期診断と対症療法が重要です。


子どもがヘルペス性歯肉口内炎を発症する原因のメカニズム


ヘルペス性歯肉口内炎は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)に初めて感染した子どもに発症する感染症です。世界中の50歳未満の人口の約7割がこのウイルスに感染しているとされており、多くの場合、親や家族からの感染が起こります。


子どもの体内に初めて入ってきたウイルスに対して、免疫システムが過剰に反応することが症状の激しさの原因です。大人では同じウイルスに接しても症状が出ない場合が多いのは、既に獲得免疫が備わっているためです。しかし生後6ヶ月から3歳の乳幼児は免疫機能がまだ未発達であるため、初感染時に強い全身反応と局所的な激しい炎症が起こるのです。


これはまるで、体のガードマンたちが初めての敵にパニック状態で対抗するような状況といえます。その戦いが体の中で激しく繰り広げられるため、高熱や強い痛みという症状として現れるわけです。感染確率としては、感染者との唾液接触や共用食器からの感染が主要です。


ヘルペス性歯肉口内炎の発症と進行の特徴

症状の出方は予測可能なパターンを示します。


まず発熱がドーンと襲ってきます。


39℃以上の高熱が2~5日間続くのが典型的な経過です。発熱から1~2日遅れて、口の中や唇、のどの周りに小さな水ぶくれが複数個出現します。この段階で初めてこの病気と診断がつくことが多いのです。


初期段階では診断が困難です。発症初期の3日間は高熱しかないため、医師であっても本来の病名を判断しにくいのが特徴です。ただし注意深く観察すると、初期から歯肉が赤く腫れているサインが見られます。高熱だけで口内炎が見られない場合でも、歯肉の赤みと腫れに注目すれば早期診断につながります。


水ぶくれはすぐに破れます。これがただれ(びらん)や潰瘍に変わり、極めて強く痛むようになります。この痛みが最大の課題で、子どもは食事や水分摂取を激しく拒否します。歯肉からの出血も増え、よだれが著しく増加します。症状のピークは発熱から3~5日目で、その後徐々に改善していきます。


痛みは1~2週間続くことが多いです。


単純ヘルペスウイルス1型の感染経路と子どもへの伝播

感染経路は主に3つです。一つ目は直接接触、つまり感染者の唾液が子どもの粘膜に触れることです。二つ目は、親が使用したコップやスプーン、タオルなどを子どもが共用することによる間接接触です。三つ目は飛沫感染で、咳やくしゃみからの感染も報告されています。


親がこのウイルスを持っていても症状が出ていないこともあります。不顕性感染と呼ばれる状態で、ウイルスは体内に潜伏していますが症状は現れません。つまり、親が口内炎がなくても子どもへの感染が起こる可能性があるのです。保育園や幼稚園など集団生活の場でも感染が広がります。


家庭内での感染予防として、親が口内炎や水ぶくれを持っている場合は特に注意が必要です。子どもとの食事の共用は避け、タオルを分けて使用し、こまめな手洗いを徹底してください。完全な感染予防は難しいですが、感染のリスクを減らす工夫は効果的です。


ヘルペス性歯肉口内炎と他の口内炎の鑑別診断

この病気は同じく子どもに多い他の口内炎と間違われることがあります。ヘルパンギーナも夏に流行し、高熱と口内炎を伴う病気です。しかしヘルパンギーナは口の奥(咽頭)に口内炎が集中するのに対し、ヘルペス性歯肉口内炎は口全体と歯肉に広く分布するのが特徴です。


ヘルペス性歯肉口内炎では歯肉の腫れと赤みが著しいのに対し、ヘルパンギーナでは歯肉の腫れが目立たないのも鑑別点です。初期段階では両者の区別が難しいことがあります。3日目までは口内炎が見られないため、診断はさらに困難になります。医師が歯肉の赤みを見落とさないようにすることが早期診断につながります。


診断は通常、臨床症状に基づいて行われます。PCR検査は高感度で確定診断に有効ですが、結果が数日かかるため、多くの場合は症状の外観から診断を下します。血清抗体検査は結果が1週間程度かかるため実用的ではありません。迅速な診断と治療開始が重要な病気なので、症状の特徴から臨床判断を優先させます。


ヘルペス性歯肉口内炎の重症化リスクと脱水対策

この病気の最大の危険は脱水症状です。患者全体の1~3%が重症化して入院治療を要するとされています。


入院理由の大半は脱水です。


口の中の激しい痛みのため、子どもは飲食を完全に拒否することがあります。


高熱も続くため、水分喪失が加速します。


脱水の早期発見が重要です。おしっこの回数が極端に減る、色が濃くなる、口が乾く、涙が出ないなどの症状が脱水のサインです。6時間以上おしっこが出ていない場合は危険信号です。このような場合は躊躇せずに病院を受診してください。点滴による水分補給が必要になることもあります。


感染症の中でもとくに脱水に注意が必要な疾患です。症状がつらくても、少量の水分摂取が続いていれば通常は自宅で対応可能です。しかし水分をまったく摂れない状態が続いたり、ぐったりして意識が朦朧としたりする場合は、医学的な介入が必要です。家庭での観察と判断も治療の重要な部分なのです。


記事参考リンク:診断方法についての詳しい解説。PCR検査の有用性と臨床診断の優先順位が説明されています。


子どもに好発するヘルペス性歯肉口内炎とは?~症状と対処法 | Medical Note


記事参考リンク:脱水症状と重症化についての医学的背景。家庭でのケアと病院受診の判断基準が示されています。


熱と口の中の痛みで食事がとれない!それって「ヘルペス性歯肉口内炎」


実は医学的には症状が出ない感染者が大多数です。親が全く無症状でも、子どもへウイルスが移ります。多くの歯科医も診断に迷うほどの難しさがあります。親のストレスや負担感が実は非常に大きいのです。初感染の場合だけが重症化するため、一度感染した子どもは二度と同じ強い症状には見舞われません。


これは将来的には利点なのです。




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