

あなたの深夜設定、朝7時で安いとは限らないです。
深夜電力という言葉を聞くと、どの家庭でも同じ時間に安くなると思いがちです。ですが、代表的な旧来の深夜電力は毎日午後11時から翌午前7時までの8時間で、これは東京電力の選択約款や九州電力の案内でも確認できます。時間固定が基本です。
一方で、今は「深夜電力」という専用契約だけでなく、時間帯別プランも広がっています。たとえば東京電力の夜トク12は午後9時から翌午前9時まで、夜トク8は午後11時から翌午前7時までというように、同じ夜間向けでも時間の長さが違います。つまり契約名で判断するのは危険ということですね。
リフォームでオール電化や給湯器交換を考える人ほど、ここは先に押さえたい部分です。工事後に「深夜に動くよう設定したのに、思ったほど安くならない」となる原因の多くは、機器の運転時間と契約時間のズレにあります。時間帯の一致が条件です。
深夜時間の基本を確認できる公的・大手電力会社の資料です。料金時間帯の確認に役立ちます。
東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン
旧来型の深夜電力の契約条件を確認できる資料です。23時〜翌7時や供給条件の細かい内容が載っています。
東京電力 深夜電力 選択約款PDF
夜間単価が安いなら、深夜電力にしておけば必ず得だと考える人は多いです。ところが東京電力の夜トク8では午前7時〜午後11時が1kWhあたり42.60円、午後11時〜翌午前7時が31.64円で、差は10円以上あります。差は大きいですね。
さらに夜トク12では午前9時〜午後9時が44.16円、午後9時〜翌午前9時が33.33円です。夜の単価は下がる一方、昼間は高くなりやすいため、在宅時間が長い家庭だとトータルで不利になることがあります。安い時間だけ見ないのが原則です。
昔ながらの深夜電力Bでは1kWhあたり12.48円という低い単価が見えますが、これは夜間蓄熱式機器向けの条件付き契約です。しかも新規加入受付を終えている地域も多く、今から自由に選べるとは限りません。ここは意外ですね。
リフォームでは、浴室乾燥機、食洗機、洗濯乾燥機まで夜に回したくなります。ですが、深夜電力の対象が専用機器に限られる契約もあり、家中すべての家電が同じ単価で安くなるわけではありません。対象確認だけ覚えておけばOKです。
エコキュートは深夜に沸かせば安心、と思われがちです。実際には、夜間時間の終わりをまたいで「昼間の沸き増し」が入ると、安いはずの給湯が一気に高くなることがあります。ここが落とし穴です。
たとえば23時〜翌7時が安い契約なのに、家族が多くて朝7時半に沸き増しが始まれば、その分は昼間単価になる可能性があります。夜トク8なら31.64円帯から42.60円帯へ切り替わるので、1kWhあたり約11円の差です。痛いですね。
東京電力の深夜電力約款では、供給設備の都合により使用開始時刻を前後2時間の範囲で変更することがある一方、契約使用時間の延長や短縮はしないとされています。つまり「毎日きっちり同じ瞬間に動く」と思い込むのは危険です。機器任せにしないことが基本です。
リフォーム時の対策は、給湯の昼間沸き増しリスクを減らすことです。狙いは、夜間時間内で沸き上げを終わらせることなので、候補は「タンク容量を見直す」「生活時間に合わせて沸き上げ設定を調整する」「アプリで使用量を確認する」のどれか1つです。設定確認に注意すれば大丈夫です。
給湯器を新しくすれば、自動的に深夜電力で得になるわけではありません。東京電力の旧深夜電力A・Bは、令和2年4月1日実施の約款でも、すでに旧選択約款の適用を受けている場合に適用とされており、新規で自由に入れる前提ではありません。契約継続が条件です。
中部電力ミライズでも低圧深夜電力A・Bは2016年3月31日で新規加入受付を終了しています。つまり中古住宅をリフォームする場面では、前の所有者の契約条件や、切替後に同等プランへ戻れるかの確認がかなり重要です。戻れない場合はどうなるんでしょう?
ここを見落とすと、「電気温水器からエコキュートに替えたのに、前より請求額が上がった」という話が起こります。設備は省エネでも、契約メニューが変わって昼間単価の高い時間帯別プランへ移ると、使い方次第で逆転するからです。契約変更は慎重が原則です。
リフォーム会社に相談する場面では、工事費だけでなく「現在の契約名」「新規受付の可否」「交換後の推奨プラン」を1枚にまとめてもらうと判断しやすくなります。狙いは、後戻りできない契約変更を避けることなので、候補は見積書ではなく料金シミュレーションの確認です。確認だけで損失回避につながります。
検索では「何時から何時まで」が気になりますが、本当に重要なのは時間帯だけではありません。東京電力の夜トクでは、30分ごとの使用電力から契約電力が決まり、その月と前11か月の最大需要電力のうち大きい値で基本料金が決まる仕組みです。ここは見落としやすいです。
たとえば夜に食洗機、浴室乾燥、洗濯乾燥、IH調理、エコキュートが重なると、ある30分だけ使用電力の山ができることがあります。すると「夜に寄せたのに、基本料金の土台が上がる」という逆転もありえます。つまり夜寄せ一辺倒ではないです。
また、東京電力の案内では自由料金プランは燃料費調整額に上限がない場合があると明記されています。2023年1月には代表的プランの料金が、燃料費調整の適用がない場合と比べて1.4倍程度になった事例も示されています。単価表だけでは読めないということですね。
リフォーム後に得しやすい人は、夜間に使う機器が多いだけの人ではありません。昼の使い方を抑えつつ、夜間に移せる家事があり、しかも一度に集中させすぎない人です。時間帯とピーク管理が基本です。
深夜電力の時間を調べたあとにやることはシンプルです。現在の契約名を確認し、夜間時間、昼間単価、契約電力の決まり方、この3点だけ比較してください。結論はそこです。