機用品通関の積込み手続きと承認の基本

機用品の通関手続きは、外国貨物と内国貨物で承認フローが異なります。関税法第23条に基づく積込み承認の実務ポイントを、通関業従事者向けにわかりやすく解説。あなたは申告のタイミングを正しく把握できていますか?

機用品の通関と積込み承認手続きの実務

機用品の積込み前に承認を取らないと、税関の指示なしに積込みができない状態になります。


📋 この記事の3ポイント要約
✈️
機用品とは何か

航空機に積み込まれる燃料・飲食物・部品などの総称で、関税法第2条第10号に定義。外国貨物と内国貨物で手続きが分かれる。

📝
関税法第23条が基本ルール

積込みには税関長への申告と承認が必須。内国貨物はNACCS経由で申請可能。包括承認制度を活用すれば最長6ヶ月分をまとめて承認できる。

⚠️
別途使用すると関税が発生する

機用品を本来の目的以外で使用・消費すると「みなし輸入」として関税課税対象となる。消費税免除を受けるにも積込み承認が前提条件になる。


機用品とは何か:関税法が定義する対象品目の範囲


機用品とは、航空機に積み込まれる物品の総称で、関税法第2条第10号において「航空機において使用する燃料、飲食物その他の消耗品及び予備の部品(航空機自体は除く)」と定義されています 。船用品と並んで通関業務において頻出の概念です。つまり燃料だけでなく、機内食、機内で使用する消耗品、スペアパーツなども含まれます。 nta.go(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/07/03.htm)


範囲は想像より広いです。


具体的に機用品に該当する品目を確認しておきましょう。


カテゴリ 具体例
燃料 航空機用燃料(ジェット燃料)
飲食物 機内食、飲料水、アルコール類
消耗品 機内アメニティ、清掃用品、毛布
予備部品 エンジンパーツ、計器類のスペア


一方、航空機そのものは機用品には含まれません。この線引きは通関申告書を作成する際に重要です。品名の分類を誤ると、申告区分が変わり、申告書の訂正や追加書類の提出が必要になります。


機用品の通関:外国貨物と内国貨物で異なる申告フロー

機用品の積込み手続きは、その貨物が「外国貨物」か「内国貨物」かによって手続きの流れが大きく異なります。外国貨物とは輸入許可を受けていない貨物であり、内国貨物とは輸入許可済みまたは国内で生産された貨物です 。 aog-partners(https://aog-partners.com/senyouhinnotumikominituite/)


手続きの違いを整理するとこうなります。


  • 🛫 外国貨物の場合保税地域に蔵置した状態で税関長に積込み申告を行い、承認を受けてから積み込む(関税法第23条第1項)
  • 🏭 内国貨物の場合:あらかじめ税関長に申告し承認を受ける必要がある(関税法第23条第2項)
  • 🚨 緊急事態の例外:遭難など「やむを得ない事故」により不開港に入港した場合は、税関職員不在時には警察官への届出で代替可能


承認なしに積み込んだ場合は、関税法違反となります。通関業者が代理申請する場合は、委任関係の確認と申告書への代理人記載が必要です 。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1101_jr.htm)


機用品の積込み承認申請:NACCSを活用した実務手順

内国貨物である機用品の積込み承認申請は、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を通じてオンラインで行えます 。財務省の推進計画ではオンライン利用率80%(令和9年3月まで)が目標として設定されています 。 mof.go(https://www.mof.go.jp/about_mof/other/regulation_reform/gaiyou_20211018c.pdf)


NACCSを利用した申請の流れは以下のとおりです。


  1. NACCSへの加入手続き(ID・パスワードの取得)
  2. 内貨機船用品積込承認申請情報の入力(申請者氏名・住所・積込航空機名・機用品名等)
  3. NACCSから税関へ申請情報が送信される
  4. 税関による審査・承認
  5. 承認通知情報をNACCSで受信


これは実務上かなり便利です。


手書き申請と比べ、NACCSを活用することで申請から承認まで大幅に短縮できます。特に定期便に機用品を積み込む業務が多い場合は、次に説明する「包括承認制度」との組み合わせが効率的です。申請書に記載すべき項目の漏れに注意しましょう。記載漏れがあると差し戻しとなり、積込みのスケジュールに影響します。


参考:財務省によるNACCS申請フロー図(内国貨物の積込承認申請手続きの概要)
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/regulation_reform/gaiyou_20211018c.pdf


機用品の包括承認制度:最長6ヶ月・複数空港に対応

外国貨物である機用品については、「包括承認制度」を活用することで業務効率が大幅に上がります 。この制度は、機用品の積込みが取締り上支障がないと税関長が認めた場合に適用される特例です。通関士試験にも頻出のポイントですが、実務での活用度はまだ高くないケースもあります。 aog-partners(https://aog-partners.com/senyouhinnotumikominituite/)


包括承認制度の主要ポイントをまとめます。


  • 📅 有効期間:最長6ヶ月(税関長が指定する期間、上限1年以内)
  • ✈️ 対象:特定の複数の外国貿易機
  • 🗾 対象空港:複数の開港にまたがって包括的に承認可能
  • 📋 根拠条文:関税法第23条第1項、同施行令第21条の3第3項、基本通達23−1−2


6ヶ月単位でまとめて承認が取れれば、毎回の申告作業が不要になります。これは使えます。


ただし、包括承認を受けた後も、積込み実績の記録管理が必要です。税関の事後調査でこの記録が確認されることがあるため、積込み日時・品名・数量・航空機便名の記録を保持しておくことを推奨します。仮に記録が不備だった場合、承認を受けた範囲での積込みであっても、事後調査で説明できなくなるリスクがあります。


参考:税関通達「関税法第23条・船用品の積込みに関する実務解説」
https://aog-partners.com/senyouhinnotumikominituite/


機用品の別途使用・消費とみなし輸入:見落としやすい関税リスク

機用品を積み込んだ後、本来の目的以外(つまり航空機での使用・消費以外)に転用した場合、「みなし輸入」として関税の課税対象になります 。通関業従事者として見落としやすいのは、この「別途使用」のリスクです。 aog-partners(https://aog-partners.com/yunyutominasanaigaikokukamotunosyouhisiyounituite/)


みなし輸入にならない条件とその例外を整理します。


  • 免除対象:船舶・航空機において船用品・機用品として本来の目的のとおりに使用・消費された場合(関税法上の例外)
  • 課税対象:機用品として積み込んだ品目を地上スタッフが消費した、別の用途に転用したなど
  • 課税対象:保税地域において関税法が認める範囲外で使用・消費した場合


別途使用の認定は厳格です。


さらに、消費税(輸入消費税)の免除についても注意が必要です。機用品として外航機に積み込む場合、国税庁の通達(租特法第85条第1項)に基づき消費税が免除されますが、適用対象は「本邦と外国との間を往来する本邦の航空機」に限定されています 。外国籍の航空機の場合は免除規定が異なるため、申告時に航空機の国籍を必ず確認しましょう。 nta.go(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/07/03.htm)


参考:「みなし輸入」の例外事由と実務上の留意点(AOGパートナーズ)
https://aog-partners.com/yunyutominasanaigaikokukamotunosyouhisiyounituite/






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