番手が大きいほど刃が鋭く仕上がるとは限らず、#3000以上では素材によって刃が滑って逆に切れ味が落ちることがあります。

砥石に表示されている「#(ナンバー)」は、砥粒の大きさ(粒径)を表す指標です 。数字が小さいほど砥粒が粗く、大きいほど細かくなります 。 shop.toishiya-ao(https://shop.toishiya-ao.com/blog/2023/12/03/134551)
番手の数字はもともと「1インチの間にある篩(ふるい)の網目の数」に由来します 。たとえば#240なら1インチに240本の網目があるイメージで、通過できる砥粒の大きさが決まります。つまり番手が大きい=砥粒が小さい、ということです。 noritake.co(https://www.noritake.co.jp/img/fileman/abrasive/PROFESSIONAL_SERIESvol3_16_78_.pdf)
以下は主な番手と実際の粒径の目安を示した表です 。 ts-brush.co(https://www.ts-brush.co.jp/faq/technical/08)
| 番手 | 粒径の目安(μm) | 感覚的なサイズ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| #80 | 約149〜177μm | 髪の毛の約2倍 | ひどい刃こぼれ・サビ落とし |
| #240 | 約57μm | 花粉粒子の約1.5倍 | 荒研ぎ・型直し |
| #400 | 約40〜60μm | PM2.5の約20倍 | 荒研ぎ仕上げ |
| #1000 | 約14〜16μm | 赤血球の約2倍 | 中研ぎ(基本の日常研ぎ) |
| #3000 | 約5〜6μm | 細菌サイズに近い | 中〜仕上げ研ぎ |
| #8000 | 約2〜3μm | ウイルスより大きい | 鏡面仕上げ |
μm(マイクロメートル)はミリの1000分の1です。#1000の粒径15μmは、0.015mmとごくわずか。これほど微細な砥粒が刃を削り磨いているわけです。これは精密な世界ですね。
同じ「#400」と表示されていても、使われている規格によって実際の粒径は変わります 。これを知らずに輸入品を買うと、想定した仕上がりにならないことがあります。 sankei-coltd.co(https://www.sankei-coltd.co.jp/technical/%E8%80%90%E6%B0%B4%E7%A0%94%E7%A3%A8%E7%B4%99%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E3%81%A8%E7%A0%A5%E7%B2%92%E5%BE%84/)
日本国内ではJIS(日本産業規格)が使われており、#400は約40〜60μm相当です 。一方、欧州製品はFEPA規格(P表記)を使用し、P400は約35μmとJISよりやや細かめになります。 sankei-coltd.co(https://www.sankei-coltd.co.jp/technical/%E8%80%90%E6%B0%B4%E7%A0%94%E7%A3%A8%E7%B4%99%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E3%81%A8%E7%A0%A5%E7%B2%92%E5%BE%84/)
たとえばホームセンターで売っている輸入耐水ペーパーをリフォームのパテ研ぎに使う場合、「P320(欧州)≒#400(日本)」と読み替える必要があります 。同じ数字でも規格が違うと粒径が1.5倍以上違うこともあります。つまり番手の数字だけでなく、規格の確認が条件です。 sankei-coltd.co(https://www.sankei-coltd.co.jp/technical/%E8%80%90%E6%B0%B4%E7%A0%94%E7%A3%A8%E7%B4%99%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E3%81%A8%E7%A0%A5%E7%B2%92%E5%BE%84/)
JIS・FEPA・ANSI規格の番手と粒径対照表(サンケイ株式会社)
砥石は大きく3段階に分かれており、各段階で粒径の目的がまったく異なります 。適切な番手を踏まないと、前の研ぎ傷が消えず、いくら高番手をかけても仕上がりません。 mitusaburo(https://mitusaburo.com/blog/togikata/1253.html)
リフォームで使うノミ・カンナ・ドリルビットを研ぐ場合、まず#400で形を整え、#1000で磨き、仕上げは#3000で十分です。#8000以上は刃物職人レベルの用途で、DIY用途では費用対効果が低くなります。これだけ覚えておけばOKです。
番手を2段階以上飛ばして研ぐと、荒い砥粒が付けた深い研ぎ傷を次の砥石が削り取れないまま仕上げに進んでしまいます。これが「刃が曇る」「切れ味が思ったより出ない」という失敗の原因です。
粒径が違うと傷の深さが全く変わります。#240(約57μm)が付ける傷の深さは、#1000(約15μm)では消すのに非常に時間がかかります。単純に計算すると粒径差が約4倍あるため、傷の深さも大きく異なります。痛いですね。
リフォーム作業で長期間使っていなかったノミを復活させる場合、#120または#240から始めて段階的に上げていくのが基本です 。「#1000を買えば全部できる」と思っている方は要注意で、ひどい刃こぼれには荒砥石が先に必要です。番手の順番が条件です。 toishi(https://www.toishi.info/faq/question-seventeen/hakobore.html)
リフォームの現場では包丁だけでなく、ドリルビットや木工ノミ、カンナ刃を研ぐ機会が多くあります。ところが、電動工具のビットには「超硬合金(タングステンカーバイド)」が使われており、通常のアルミナ砥石では表面を削ることができません。これは意外ですね。
超硬合金の硬度はHRA(ロックウェル硬度)で約90前後あり、これを研ぐには「ダイヤモンド砥石」または「CBN砥石」が必要です 。通常砥石で無理に研ぎ続けると、砥石ばかりが削れて砥粒がすぐに脱落し、#240のダイヤモンド砥石1枚分(約2,000〜3,000円)の価値も発揮できずに終わります。 allied-material.co(https://www.allied-material.co.jp/products/diamond/knowledge/diamond_cbn-wheel.html)
ダイヤモンド砥石はモノタロウなどで#240/#400の両面タイプが2,000円前後から入手できます 。リフォームDIYで「電動工具が切れなくなった」と感じたら、まず刃の素材を確認し、素材に合った番手と砥石種類を選ぶことがスタートです。 monotaro(https://www.monotaro.com/s/c-121931/attr_f4642-240/)
| 刃の種類 | 粒度の均一さ | コスト感 | 主な用途 |
| ------------ | ---------- | ----------- | -------------- |
| プロペラ刃(カッター式) | △ ばらつきが大きい | 安価(3,000円〜) | お試し・非推奨 |
| コニカル刃(臼式・円錐) | ○ まずまず均一 | 中価格帯(1万円〜) | ドリップ・フレンチプレス |
| フラット刃(平刃) | ◎ 高い均一性 | 高価(3万円〜) | エスプレッソ・スペシャルティ |

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