スラブの厚さが200mm以下のマンションでは、床リフォーム後に上階の足音が逆に大きく聞こえるようになるケースがあります。
スラブとは、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物において、床の荷重を支える構造床(床版)のことです 。普段生活しているフローリングや畳の「真下」にある、コンクリートの板がスラブです。「スラブ」という言葉はもともと英語で「平板・石板」を意味し、建築業界では水平方向の構造体を指す専門用語として定着しています 。 homes.co(https://www.homes.co.jp/words/s3/525000799/)
スラブの内部には格子状(碁盤の目状)に鉄筋が組み込まれており、コンクリート単体では弱い引張力を補っています 。コンクリートは「圧縮には強いが引張には弱い」という特性があるため、この鉄筋との組み合わせで荷重・振動・地震に耐える強度を実現しています。これが鉄筋コンクリートの床が丈夫な理由です。 plus.megasoft.co(https://plus.megasoft.co.jp/glossary/slab/)
スラブには「床スラブ」と「屋根スラブ」の2種類があります。床スラブは通常フローリングや仕上げ材の下地となり、その下が下層階の天井面になります 。マンションであれば上下の部屋を物理的に隔てているのがこの床スラブであり、遮音性・強度の両面で建物の快適性を大きく左右します。 plus.megasoft.co(https://plus.megasoft.co.jp/glossary/slab/)
| 用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| スラブ(slab) | すらぶ | 鉄筋コンクリート造の床版・屋根版 |
| 床スラブ | ゆかすらぶ | 居室の床を形成する構造床 |
| 屋根スラブ | やねすらぶ | 屋根部分のコンクリート版 |
| スラブ厚 | すらぶあつ | スラブの厚さ(単位:mm) |
スラブには大きく分けて「在来スラブ(通常スラブ)」と「ボイドスラブ」の2種類があります。どちらを採用しているかによって、部屋の見え方や遮音性・リフォームの難易度が変わります。これが条件です。
在来スラブは、内部に空洞がない一般的なコンクリートスラブです 。厚さは現在では最低でも150mm程度が標準で、180〜200mm程度あれば遮音性の問題が出にくいとされています 。マンションでは2000年頃から200mm以上が主流となりました 。 relo-fudosan(https://relo-fudosan.jp/hack/words/slab/)
ボイドスラブは、コンクリートの内部に発泡スチロールや塩化ビニルのパイプなどを埋め込んで空洞(ボイド)をつくった工法です 。内部を中空にすることで軽量化しつつ、スラブ自体を厚くできるのがメリットです。一般的にボイドスラブの厚さは250〜350mmほどになります 。ただし「空洞部分はコンクリートと同じ強度ではない」ため、ボイドスラブの250mmは在来スラブ換算で約200mm相当と見るのが実態に近いです 。 sears.co(https://sears.co.jp/blog/?bid=131)
参考:ボイドスラブのメリット・デメリットを詳しく解説した記事
マンションの「ボイドスラブ工法」とは?メリット・デメリットまとめ|sears.co.jp
スラブ厚と遮音性の関係は、リフォームを考える人が最も気にすべきポイントです。スラブ厚が大きいほど音を伝えにくくなりますが、強度的には12cm(120mm)程度でも十分とされています 。つまり「強度OK」と「静かに暮らせる」は別の話です。意外ですね。 e-takaya.co(https://www.e-takaya.co.jp/diary/detail/67624)
遮音性を表す指標として「L値(遮音等級)」があります。LL(軽量衝撃音)とLH(重量衝撃音)の2種類があり、数値が小さいほど遮音性能が高いことを意味します 。スラブ厚が18〜20cmであれば、LL-45クラスの仕上げ材を組み合わせることで快適な遮音性を確保できるとされています 。 e-takaya.co(https://www.e-takaya.co.jp/diary/detail/67624)
| スラブ厚 | 遮音性の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 150mm未満 | △ 不十分 | 騒音クレームが発生しやすい水準 |
| 150〜180mm | ○ 標準 | 最低ラインとして許容される厚さ |
| 180〜200mm | ◎ 良好 | この厚さ以上で遮音性の問題が出にくい |
| 200〜230mm | ◎ 標準以上 | 中・高層マンションでよく採用される |
| 250mm以上 | 🏆 優秀 | 高級マンション・最上クラスの遮音性能 |
スラブ厚が180mm以下の築古マンションでリフォームを検討している場合は、床材の選択で遮音性をカバーする工夫が必要です。遮音等級「LL-45以上」のフローリング材を使うことで、スラブ厚の不足分を補える場合があります 。これは使えそうです。 e-takaya.co(https://www.e-takaya.co.jp/diary/detail/67624)
参考:スラブ厚と遮音性の詳細な数値を紹介している記事
【上階騒音に直結】マンション購入前に確認したいスラブ厚|shizur.com
リフォームで最も多い「床材の張り替え・変更」には、スラブとの関係で見落としがちな落とし穴があります。床の工法は大きく「直床(じかゆか)」と「二重床」の2種類に分かれます。つまり構造が違います。
直床はスラブの上に直接フローリングなどを施工する方法です。天井高が確保できる反面、防音性の向上は床材の遮音性能に依存します。一方、二重床は支持脚の上に床パネルを敷く工法で、スラブから床面まで約120mmの空間が生まれます 。この空間に配管を通すことができるため、水回りのリフォームにも有利になります。 reds.co(https://www.reds.co.jp/p116109/)
ただし、直床から二重床へ変更すると天井高が約120mm下がります 。天井高2350mmの部屋なら2230mmになり、明らかに圧迫感が増します。リフォーム前に天井高とスラブ厚を必ず確認し、施工会社に「二重床にした場合の完成後の天井高」を計算してもらうことが重要です。 reds.co(https://www.reds.co.jp/p116109/)
水回りリフォームの際は、排水管の勾配を確保するために床スラブに穴を開けたり、スラブを一部下げたりする工事が必要になる場合があります 。この工事は管理組合への申請が必要なマンションが多く、勝手に施工すると後でトラブルになります。確認を忘れずに行ってください。 haseko.co(https://www.haseko.co.jp/mansionplus/knowledge/floorrenovation_240307.html)
参考:マンション床リフォームにおける工法と注意点を詳説した記事
マンションの床リフォームにおける工法と床材の特徴・注意点|長谷工マンションサービス
スラブに関する知識は、リフォーム業者から提案を受けるときにも大きな武器になります。知っているだけで、余計な出費や後悔を防げるのです。これが実用的な知識の価値です。
物件のスラブ厚は、以下の方法で調べられます。マンションの場合、管理組合や管理会社に問い合わせるか、竣工図面(設計図書)を閲覧することで確認できます。また、中古マンション購入時の重要事項説明書にスラブ厚が記載されているケースもあります。新築の場合はパンフレットの「仕様一覧」に掲載されていることが多いです。
建築基準法施行令では、鉄筋コンクリート造の床版は最低8cm(80mm)以上と定められていますが、居住用のマンションでは遮音性の確保から20cm(200mm)以上が業界標準となっています 。法律上はOKでも生活上は不十分、というケースがある点も知っておきたい知識のひとつです。 plus.jmca(https://plus.jmca.jp/jyu/jyu70.html)
参考:建築のプロによるスラブ厚の最低ラインの解説
第70回 スラブの厚さは最低20センチ以上必要|公益社団法人 日本マンション管理士会連合会
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