素地調整の良し悪しが塗装寿命の約50%を決めます。つまり高価な塗料を選ぶより、素地調整に手を抜かないほうがコスパは圧倒的に高いのです。

素地調整とは、塗装を施す前に対象物の表面を「塗装に適した状態」へ整える作業全般を指します。 金属のさびを落としたり、古い塗膜をはがしたり、油分や粉塵を洗い流したりする工程がこれにあたります。建築現場では「ケレン」「素地ごしらえ」「下地処理」とほぼ同義で使われることが多く、正確には「素地」とは塗装などの手が加えられていない元の状態のことを指します。 refre-v(https://refre-v.jp/media/20250506/)
「ケレン」という言葉はやや聞き慣れない言葉ですが、英語の「クリーン(clean)」が訛ったもので、文字通り「きれいにする」が語源です。 建築現場で職人が「ケレンをかける」という場合、まさにこの素地調整を指しています。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-about/)
| 用語 | 意味・使われ方 |
|---|---|
| 素地調整 | 塗装前の表面処理全般。新築・リフォーム問わず使う正式用語 |
| ケレン | 主に金属(鉄部)のさび除去・塗膜除去作業を指す現場用語 |
| 素地ごしらえ | 木材・コンクリートなど非金属の下地処理に使われることが多い |
| 下地処理 | 既に塗装された面を再塗装するための整調作業 |
素地調整を省いて塗装を行うと、塗料が被塗面にしっかり密着せず、風雨や紫外線にさらされると早期に剥離します。 剥がれた箇所からさびや劣化が進み、構造物そのものを損傷させるリスクも出てきます。リフォームを検討している方には最も意識してほしい工程です。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-about/)
素地調整の種類は、作業内容や処理レベルに応じて主に「1種ケレン」〜「4種ケレン」の4段階に分類されます。 数字が小さいほど処理レベルが高く、費用もかかります。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-type/)
- 1種ケレン:ブラスト工法(サンドブラスト・ショットブラスト)で黒皮・さびを完全除去する最高レベルの処理。公共工事の橋梁など重要構造物に用いられる
- 2種ケレン:電動工具(ディスクサンダー・ワイヤーブラシなど)でさびや旧塗膜を大部分除去。鋼構造物の塗り替えに多い
- 3種ケレン:電動工具や手工具で、さびが発生している部分と旧塗膜の劣化部分のみを除去。一般的な外壁・鉄部リフォームで最もよく使われる
- 4種ケレン:手工具(サンドペーパーなど)で軽く表面を磨く程度。さびや劣化がほぼない良好な状態の面に対して行う e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-type/)
建築リフォームで外壁塗装を依頼すると、大半のケースで3種または4種ケレンが選択されます。 状態が良い既存塗膜の上からさらに塗る場合は4種で十分ですが、さびや塗膜の剥がれが見られる場合は3種以上が必要です。 ayanotosou(https://ayanotosou.jp/column/20250606/)
改修工事では国土交通省の改修仕様書に基づいて「RA種(全ケレン)」「RB種(準ケレン)」「RC種(洗浄)」という分類も使われます。 RA種は下地にまで損傷が達している最悪の状態、RB種は部分的な損傷、RC種は表面の軽微な劣化に対応します。これらは特にマンションの大規模修繕工事で耳にする機会が多い用語です。 j-proof.co(https://www.j-proof.co.jp/dictionary/555/)
素地調整は地味な工程に見えますが、数字で見るとその重要性は圧倒的です。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-about/)
> 関西鋼構造物塗装研究会の調査によれば、素地調整(1種・2種の差)が塗膜寿命に及ぼす影響は49.5%。塗り回数の差(19.1%)・塗料の種類の差(4.9%)をはるかに上回ります。
つまり、塗膜の寿命の約半分は素地調整で決まるということです。いくら高価な塗料を使っても、素地調整が不十分だとその効果は半減以下になります。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-about/)
たとえばリフォームで使う外壁塗料は、耐用年数が10〜15年と説明されることがあります。しかし、適切な素地調整をしないままこれらの塗料を塗った場合、実際の寿命は5〜7年程度まで大きく縮む可能性があります。これは知っておくべき情報です。
また、塗料の付着力を高める「アンカー効果(投錨効果)」も素地調整の重要な役割です。 表面を意図的に細かく傷つけることで表面積が増え、塗料が凹凸に入り込んで剥がれにくくなります。つるつるの表面に塗料を塗っても、砂利のように凸凹した表面と比べると付着力は格段に劣ります。これが塗装の長持ちを左右します。 e-dnt(https://www.e-dnt.jp/column/keren-about/)
参考:素地調整が塗膜寿命に及ぼす影響についての詳細なデータは大日本塗料のコラムで確認できます。
ケレンとは何か?素地調整の目的・重要性・効果 - DNT大日本塗料
現場での素地調整は、大まかに「ケレン→洗浄→補修」の順で進みます。 事前に工具を揃えておくことで作業効率が大きく変わります。 yaneyasan(https://www.yaneyasan.net/blog/129895.html)
主に使われる工具はこちらです。
- 🔧 ディスクサンダー:電動工具。広い面積のさびや旧塗膜を効率よく除去する
- 🔧 ワイヤーブラシ(電動・手動):さびや汚れを掻き落とす
- 🔧 サンドペーパー(紙やすり):4種ケレンの軽い表面研磨や仕上げに使用
- 🔧 皮すき(スクレーパー):浮いた塗膜を手作業で剥がす
- 🔧 高圧洗浄機:洗浄工程で粉塵・汚れ・カビをまとめて除去 yaneyasan(https://www.yaneyasan.net/blog/129895.html)
作業後は十分な乾燥時間が必要です。乾燥が不十分なまま塗装を行うと、水分が塗膜の下に閉じ込められ、膨れや剥離の原因になります。特に梅雨時期や降雨後は乾燥に時間がかかるため注意が必要です。
また、小さなひびや凹みも見逃さずに補修しておくことが重要です。 パテや下塗り材で表面を平滑にしてから本塗りを行うことで、仕上がりの美しさと耐久性が格段に変わります。 yaneyasan(https://www.yaneyasan.net/blog/129895.html)
リフォームの外壁塗装で見積もりを取るとき、多くの方が塗料の種類や価格に注目します。しかし実は業者の技術力は素地調整の内容に如実に現れます。
業者選びの際に確認すべき項目を整理します。
- ✅ 見積書に「ケレン」「素地調整」の項目が明記されているか
- ✅ ケレンの種類(1種〜4種)が記載されているか
- ✅ 高圧洗浄の工程が含まれているか
- ✅ 錆止め・下塗り工程が別途記載されているか akitopainter(https://akitopainter.com/blog/detail/20250809/)
注意が必要なのは、素地調整を省いて工期を短縮しようとする業者です。外壁面積100㎡の場合、適切な3種ケレンには1〜2日分の作業時間がかかります。工期が極端に短い場合は素地調整が省略されている可能性があります。
業者に「ケレンは何種で行いますか?」と一言確認するだけで、その業者の丁寧さや知識レベルを把握できます。これは使えるポイントです。
JIS規格(JIS Z 0313)にも素地調整の等級が定義されており、金属面の調整グレードとして国際的な共通基準も存在します。 公共工事では「ケレン2種以上」が仕様書で指定されることも多く、一般住宅でも同様の基準を用いることで品質を担保できます。 refre-v(https://refre-v.jp/media/20250506/)
参考:素地調整の種類・ケレン等級の詳細について
ケレン・素地調整の種類「1種・2種・3種・4種ケレン」の概要、違い - DNT大日本塗料
| 施工場面 | 費用目安(1㎡あたり) |
| --------------------- | -------------- |
| 床・室内の不陸調整 | 約3,500円〜 |
| 駐車場・外構の不陸整正+表層舗装(小面積) | 13,450〜13,950円 |
| 道路舗装打ち替え(アスファルト) | 8,000〜15,000円 |

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