Oリングの番号を正しく読めていないと、水漏れ修理に3万円以上かかることがあります。

Oリングとは、断面がO形をしたゴム製のシール部品です。 装着溝に圧縮して使用することで気密・液密を保ちます。圧力が加わるとOリングが片側に押し付けられて変形し、接面圧力が高まることでシール性能が向上する仕組みです。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/)
つまり「はめるだけ」ではなく「圧力で密着する」部品です。
このOリングの中で「P規格(Pシリーズ)」とは、JIS B2401で規定された運動用Oリングの寸法規格を指します。 正式には「運動用Oリング(P)」と呼ばれ、シリンダのピストンロッドやバルブなど、可動部分のシールに使われます。 リフォーム現場では、給湯器・水栓・配管バルブ・ポンプ類などの内部シールとして頻繁に登場します。 sakura-seal.co(https://www.sakura-seal.co.jp/category/1982811.html)
「Pシリーズ以外は使えないの?」という疑問もあるかもしれません。 固定部分(フタや継手など)にはG規格(固定用)、真空フランジにはV規格が別途規定されています。可動部分か固定部分かを確認してから選ぶのが原則です。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
| 記号 | 用途 | 主な使用箇所 |
|---|---|---|
| P | 運動用 | ピストン、バルブ可動部、ポンプロッド |
| G | 固定用 | フタ、継手、フランジ固定部 |
| V | 真空フランジ用 | 真空装置のフランジ接続部 |
Oリングとしての概要はシンプルですが、P規格の番号体系には意外な落とし穴があります。次のセクションで詳しく確認します。
参考:P規格・G規格・V規格の違いを含む、Oリングの規格と種類の総合解説
Oリングの種類・規格 – パッキンランド
P規格の番号は内径(mm)の近似値ですが、ほとんどの場合0.2〜0.5mmのズレがあります。 例えばP-22の実内径は21.8mm、P-50の実内径は49.7mmです。 このズレを無視すると、注文した部品が装着できない事態になります。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oring-size/p-size.htm)
番号≠内径です。これだけ覚えておけばOKです。
P規格の線径(断面の太さ)は以下の5種類に分かれています。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oring-size/p-size.htm)
線径が太くなるほど、高圧・大口径の用途に対応します。 たとえばP-22Aは内径21.7mm・線径3.5mmで、同じ番号に近いP-22(内径21.8mm・線径2.4mm)とは線径が異なる別製品です。 番号だけでなく「A」などのサフィックスにも注意が必要です。 mo-tech(https://www.mo-tech.jp/product_page/o_ring_p_nbr90.html)
「番号が同じなのに入らない」という事態が起きやすいのはここです。
また、P規格の寸法公差(許容誤差)はゴム材質によって異なります。 ニトリルゴム(NBR)の場合は比較的公差が小さく、フッ素ゴムやシリコーンゴムでは公差がより大きくなります。精密用途では材質まで含めて確認する必要があります。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oring-size/p-size.htm)
参考:P-2からP-1200まで内径・線径・許容差を一覧で確認できる詳細寸法表
Oリングの寸法(サイズ)Pシリーズ – パッキンランド
Oリングの素材選びは、設置場所の「流体の種類」と「温度」で決まります。 材質を間違えると耐用年数が数年から1年未満に縮まることもあります。これは痛いですね。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
JIS B2401で規定されている主な材質は以下のとおりです。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
一般家庭のリフォームでは、NBR(1種A)が条件に合う場面がほとんどです。 ただし、温泉地の物件・工場の薬液配管・食品工場設備を含むリフォームでは、FKMやEPDMへの材質変更を専門業者に相談することが条件です。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
材質の確認は、既設Oリングの色でおおまかに判断できます。黒色はNBRが多く、茶色・緑色系はFKMの可能性があります。ただし色だけでは確定できないため、交換前に設備の仕様書や製造元への確認が確実です。
参考:材質ごとの耐油・耐熱・耐薬品性など、ゴム材料選定の公式指針
JIS B2401-1:2012 Oリング第1部 – kikakurui.com
既設のOリングを交換する際、正しい番号を特定するには「内径」と「線径」の2つを実測します。 測定は以下の手順で進めます。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oring-size/)
実測値とP規格の寸法は完全一致しないことがほとんどです。 番号は近似値なので、寸法表の公差範囲内に収まる番号を選べば問題ありません。 xn--o-7eu7hjb(https://xn--o-7eu7hjb.com/?mode=f23)
「どれも微妙に合わない」というケースに注意が必要です。
Oリングが経年劣化で伸びていたり、装着時に引っ張られていたりすると、実測値が設計値からずれます。 そのため、可能であれば設備のメンテナンス資料や型番シールから規格番号を直接確認する方法が確実です。ホームセンターや設備メーカーのサポートラインを使うと、型番から対応するOリング番号を教えてもらえることがあります。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/)
交換時の組み付けでは、Oリングに少量のグリス(シリコーングリス等)を薄く塗布してから装着します。 無潤滑のまま押し込むと、装着時の摩擦でOリングが傷つき、すぐに漏れが再発する原因になります。グリスの種類はゴム材質と流体に適合したものを選ぶのが条件です。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/)
既製品の部品交換に頼りすぎると割高になる場面があります。
一般的なリフォーム工事では、バルブや継手を「ユニット丸ごと交換」するケースが多いです。しかし実際には、内部のOリング1個(単価数十円〜数百円)を正しいP番号で交換するだけで、数万円の部品費用を節約できる事例も珍しくありません。 たとえば給湯器の温調バルブ交換を業者に依頼すると部品・工賃込みで1〜3万円かかることがありますが、原因がPシリーズのOリング劣化であれば部品代は数百円です。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oring-size/)
「Oリングを知ること」がリフォームコスト削減につながります。これは使えそうです。
ただし、P規格はあくまで「運動用」の規格です。 配管固定部や継手の固定シールにはG規格を使う設計になっていることが多く、P番号のOリングを間違ってG規格のハウジング(溝)に入れると、溝との適合が取れず密封できません。JIS B2401-2(ハウジングの形状・寸法)には、P規格とG規格それぞれに対応した溝寸法が規定されています。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
また2008年のISO改正に伴い、2012年にJIS B2401も改正されています。 旧規格(JIS B2401:2005以前)の識別コードと新規格の識別コードは書式が異なるため、古い設備の資料を読む際は注意が必要です。旧規格では「Oリング 1種A G80N」のような表記でしたが、新規格では「OR NBR-70-1 G80-N」のように変わっています。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
古い図面をそのまま使うと混乱する場合があります。
リフォームの現場では、製造から10〜20年経過した設備を扱うことも多く、旧規格の記載と現行規格の対応を橋渡しできる知識があると、無駄な部品の誤注文を防げます。パッキンランドやオーリング.comなど、寸法表と旧新規格の対照が掲載されているWebサービスを手元に置いておくと作業効率が大きく上がります。
参考:旧JIS・新JIS・ISO規格の対応関係と識別コードの詳細な解説
Oリングの種類・規格(新旧JIS対応)– パッキンランド
Oリングを新規設置したり、DIYで配管改修する際には、Oリング単体のサイズだけでなく溝(ハウジング)の寸法まで合わせる必要があります。 溝が大きすぎればOリングが遊んでシールできず、小さすぎれば圧縮しすぎてゴムが傷み寿命が縮まります。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
ここが「サイズ表の数字を合わせるだけ」では終わらない部分です。
溝の設計寸法はJIS B2401-2(ハウジングの形状・寸法)に規定されています。 同規格では、Oリングを装着した溝の幅(溝幅)・深さ(溝深さ)・バックアップリングの有無による寸法変更が定められています。たとえばP-22A(内径21.7mm・線径3.5mm)の運動用溝では、溝深さは線径の約75〜85%の圧縮率になるよう設計するのが基本です。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/oringsyurui1.htm)
圧縮率の目安を押さえておくのが基本です。
圧縮率が低すぎる(溝が深すぎる)と密封力が不足し、逆に高すぎる(溝が浅すぎる)と摩擦抵抗が増えてOリングが摩耗しやすくなります。 運動用(P規格)の場合、圧縮率は一般的に10〜30%の範囲が推奨されます。圧力が高い環境ではバックアップリング(テフロン製等)を併用することで、Oリングのはみ出し(エクストルージョン)を防止できます。 packing.co(https://www.packing.co.jp/ORING/)
リフォームでポンプや高圧バルブを交換・増設する際は、設備の最高使用圧力を確認してバックアップリングの要否を判断することが重要です。必要なのにバックアップリングを省略すると、数ヶ月で漏れが再発する可能性があります。設備の仕様書に記載がない場合は、部品メーカーや施工業者への確認を1件で済ませるようにしましょう。

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