「上から流し込む工法のほうが安全」と思っていたら、実は下から圧力をかける圧入工法のほうが密実なコンクリートを充填できるケースがあります。

流し込み工法とは、型枠の上部に開口を設け、重力を利用してコンクリートを流し込む工法です。 「上から流せばすき間なく入る」と思われがちですが、打ち込み高さが大きい場合は投入口を2段以上に分けて配置する必要があります。 そのため「流し込めばOK」という単純な話ではありません。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
打ち込み区画は原則として1層1スパンの壁ごとに行い、打ち継ぎを設けないのがルールです。 これが守られないと、打ち継ぎ面でコンクリートが分離し、耐震性が著しく落ちます。見えない場所だからこそ、施工管理の重要性は非常に高いのです。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
壁上部への打ち込みは、コンクリートの沈降を待ってから二段打ちとし、膨張性混和剤を添加した無収縮コンクリートを使用するのが標準的な施工方法です。 膨張成分によって収縮ひび割れを防ぎ、既存躯体との一体性を高めます。これが基本です。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
圧入工法は、型枠の下部に圧入孔管を取り付け、コンクリートポンプで加圧しながら下から充填していく工法です。 対して流し込み工法は重力頼みで上から充填するため、型枠内に鉄筋が密に配筋されていると、空洞が生じやすいという弱点があります。 kaisyuhyojyunsiyoh31.blogspot(https://kaisyuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/06/8-21h31.html)
圧入工法では、型枠上部に空気抜き孔とオーバーフロー管を必ず設けます。 これはコンクリートが下から充填されるにつれて、型枠内の空気を逃がすためです。オーバーフロー管からモルタルが溢れてくるのを確認して初めて、充填完了と判断できます。充填確認が条件です。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
一方で、圧入工法では型枠がコンクリートの圧送圧力による側圧上昇に耐えられる設計が必要です。 急激な圧力上昇が発生しない速度で行い、脈動の小さいコンクリートポンプを使用するのが必須要件となります。厳しいところですね。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
| 比較項目 | 流し込み工法 | 圧入工法 |
|---|---|---|
| 充填方向 | 上から(重力利用) | 下から(ポンプ加圧) |
| 主な開口 | 型枠上部の流込み口 | 型枠下部の圧入孔管 |
| 空気抜き | 上部開口から自然排気 | 専用の空気抜き孔・オーバーフロー管が必須 |
| 型枠強度 | 標準設計 | 側圧上昇を考慮した堅固な設計 |
| 充填確認 | 目視でやや困難 | オーバーフロー管から確認可能 |
| 適する状況 | 当該階からの打込みが可能な場合 | 鉄筋密度が高い・上部からのアクセス困難な場合 |
耐震改修工事でこれら2つの工法が使われる主な場面は、既存建物への「増設耐震壁」の施工です。 新設耐震壁・増打ち耐震壁・開口閉塞壁・新設袖壁のいずれにも適用され、どの工法を選ぶかは設計図書の特記仕様書で指定されます。 shikakuouen(https://shikakuouen.com/wp-content/uploads/2024/01/%E3%89%95%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E5%B7%A5%E4%BA%8B.pdf)
リフォームを依頼する側として覚えておきたいのは、「現地の状況によって圧入か流し込みかの打設計画が変わる」という点です。 日本建設業連合会が公開している耐震改修工事のガイドブックでも、現場状況に合わせた打設計画を事前に立てることが重要とされています。これは使えそうです。 nikkenren(https://www.nikkenren.com/about/kansai/pdf/book/First_seismic_retrofitting_work.pdf)
たとえば、天井高が低く型枠上部へのアクセスが困難な場合は圧入工法が選ばれます。反対に、開放的な空間で施工機材の搬入に余裕がある場合は、施工管理が比較的容易な流し込み工法が採用されることが多いです。つまり現場ごとに判断が変わるということですね。
参考リンク(工法の詳細な施工基準について)。
【公共建築改修工事標準仕様書】21節 現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事 ─ 流し込み工法・圧入工法の施工基準が詳述されています
ここが意外と見落とされがちなポイントです。流し込み工法や圧入工法は、主に「耐震壁の増設」に使われますが、基礎補強工事で行うコンクリート打設にも同じ発想が応用されています。 たとえばベタ基礎補強では、底面スラブと立ち上がり基礎を2回に分けて打設する「2度打ち」が基本です。 zoukaichiku(https://www.zoukaichiku.com/14461887974356)
重要なのは、上部構造の耐震壁をいくら丁寧に施工しても、基礎が無筋コンクリートのままでは耐震性の向上が頭打ちになるという現実です。 旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)で建てられた建物の多くは無筋基礎であり、基礎補強なしに上部だけ補強しても「絵に描いた餅」になりかねません。 zoukaichiku(https://www.zoukaichiku.com/14461887974356)
旧耐震住宅の基礎補強費用は、ツイン基礎(抱き合わせ基礎)で約100〜200万円、布基礎からベタ基礎補強で約150〜250万円が相場です。 一方でアラミド繊維シート補強は60〜100万円と安価ですが、国(一般財団法人日本建築防災協会)のガイドラインに含まれない工法であるため、補助金申請の際は自治体への確認が必要です。知っておくと得する情報です。 zoukaichiku(https://www.zoukaichiku.com/14461887974356)
参考リンク(基礎補強の工法と費用相場について)。
【増改築.com】基礎補強工事【耐震補強】の工法や費用について ─ ツイン基礎・ベタ基礎・アラミド繊維の3工法の費用相場と施工事例が詳しく解説されています
施工業者に任せきりにしていると、後になって「空洞があった」「打ち継ぎ面で分離していた」というトラブルが発覚することがあります。これは痛いですね。リフォームオーナーとして最低限チェックすべきポイントを押さえておきましょう。
まず確認したいのは、「目荒らし処理が適切に行われているか」です。 打ち継ぎ面となる既存コンクリート面には平均深さ2〜5mm・面積の15〜30%程度の凸面を全体に設ける目荒らしが必要です。この処理が省かれると、既存躯体と新しいコンクリートの一体性が失われます。目荒らしが条件です。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
次に、「グラウト材の注入確認」です。 既存構造体と増設壁の間には約200mmほどの隙間が生じることがあり、そこにグラウト材(無収縮モルタル)を注入して一体化させます。注入後は目視で隙間がないことを確認するのが基準です。「完成してから見えない部分」だからこそ、施工中の確認記録(写真・工程表)を業者に提出してもらうことをおすすめします。 report-takahashi(https://report-takahashi.com/2021/11/12/%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A0%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%80%80%E8%80%90%E9%9C%87%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
工事の信頼性を担保するという意味では、耐震診断や補強設計の実績が豊富な業者を選ぶことが有効です。日本建設業連合会が公開している「はじめての耐震改修工事」などの資料を事前に読んでおくと、業者との打ち合わせがスムーズになります。これだけ覚えておけばOKです。
参考リンク(耐震改修工法の全体像と施工計画について)。
【日本建設業連合会】はじめての耐震改修工事(PDF)─ 耐震改修工法の種類と打設計画の概要が体系的にまとめられています