モールディングとは半導体封止の仕組みと材料を解説

半導体製造における「モールディング」とは何か、その工程や使われる樹脂の種類、装置メーカーまでをわかりやすく解説します。リフォームで使う内装材「モールディング」との違いも気になりませんか?

モールディングとは半導体封止の仕組みと材料

🔍 この記事でわかること
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モールディングとは何か

半導体チップを樹脂で包んで保護する「封止」工程のこと。数nmという極小チップを外部の熱・湿気・衝撃から守ります。

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主な方式と使われる材料

トランスファ方式・コンプレッション方式の2種類が主流。封止材にはエポキシ樹脂が多く使われています。

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装置メーカーと業界構造

TOWA(京都市)が世界シェア約6割を保持。半導体パッケージの多様化でモールディング技術も進化を続けています。


モールディングとは何か:半導体後工程における封止の基本


半導体製造は「前工程」と「後工程」の2段階に大きく分かれます。前工程でシリコンウエハ上に回路を焼き付け、後工程でそれを製品の形に仕上げます。モールディングは、その後工程の中でも特に重要なステップです。 exposure-equipment(https://www.exposure-equipment.com/knowledge/molding.html)


具体的には、ワイヤボンディングが終了したICチップを樹脂などで封止・封入する工程のことを指します。 ICチップは最小で数ナノメートル(nm)という非常に微細な構造を持ち、ワイヤも衝撃にきわめて弱い状態です。 つまり封止が条件です。 semi-journal(https://semi-journal.jp/basics/process/molding.html)


モールディングの主な工程と後工程での位置づけ

後工程全体の流れは「テスト→ダイシング→マウンティング→ワイヤーボンディング→モールディング→パッケージ印刷」という順番で進みます。 モールディングはこの流れの中で、製品としての外形を決める最後の成形工程にあたります。 note(https://note.com/tomiriki_2026/n/ncf1b9eb79d3d)


モールディング工程では、まず金型(キャビティ)の中にボンディング済みのチップを配置します。次に溶融した樹脂を「ランナー」と呼ばれる通路を通じてキャビティに注入し、樹脂が硬化することでチップを完全に包み込みます。 これが基本です。 semi-net(https://semi-net.com/feature/posts/molding)


ランナーに残った樹脂は廃棄物として出るため、近年は廃棄ロスを減らす工夫も進んでいます。 従来は一箇所から横方向に樹脂を流す方式でしたが、供給箇所から各キャビティまでの距離が異なるために成形条件がそろわないという問題がありました。 厳しいところですね。 semi-net(https://semi-net.com/feature/posts/molding)


この問題を解決するために、各キャビティに均一に樹脂を供給できる新しい設計が採用されるようになっています。製品の品質均一化と廃棄ロスの削減は、コスト面でも環境面でも大きな意味を持ちます。 semi-net(https://semi-net.com/feature/posts/molding)


参考:半導体後工程の全体像をわかりやすく解説しているページ
エレ・クィーンの半導体製造基礎講座【第9回】後工程(Assembly)|note


モールディングの方式:トランスファとコンプレッションの違い

モールディングには大きく2つの方式があります。「トランスファ方式」と「コンプレッション方式」です。 それぞれ仕組みと得意な用途が異なります。 agus.co(https://agus.co.jp/?p=9299)


| 項目 | トランスファ方式 | コンプレッション方式 |
|------|-----------------|---------------------|
| 仕組み | プランジャで樹脂を金型に注入 | チップを樹脂ごと金型で圧縮 |
| 歴史 | 従来からの主流方式 | 新しい需要に対応して開発 |
| 向いている用途 | 汎用パッケージ全般 | 大型・薄型・ Fan-Out系パッケージ |
| 廃棄樹脂 | ランナー分が廃棄に | 廃棄が比較的少ない |


トランスファ方式は、プランジャを駆動させることで溶融樹脂をランナーからキャビティへ送り込む仕組みです。 安定した実績があり、現在も幅広い半導体パッケージに採用されています。 semi-net(https://semi-net.com/feature/posts/molding)


コンプレッション方式は、チップを金型に入れてから樹脂を供給し、上下から圧力をかけて封止します。 大型基板や薄型パッケージへの対応が容易で、先端パッケージ向けに需要が急拡大しています。 これは使えそうです。 agus.co(https://agus.co.jp/?p=9299)


TOWA(京都市)は世界で初めてモールディング金型・装置の全自動化を実現し、両方式において市場をリードしています。 半導体パッケージの多様化に伴い、今後もコンプレッション方式の需要はさらに増加すると見られています。 towajapan.co(https://www.towajapan.co.jp/jp/technology/molding/)


モールディングに使われる封止材:エポキシ樹脂の役割と種類

封止に使われる材料として最も一般的なのがエポキシ樹脂です。 エポキシ樹脂が広く採用される理由は、熱安定性・絶縁性・チップへの密着性のバランスが優れているからです。 exposure-equipment(https://www.exposure-equipment.com/knowledge/molding.html)


封止の方式は「非気密封止」と「気密封止」の2種類に大別されます。 note(https://note.com/semicontimes/n/n86e0afa2f0bb)


- 非気密封止:エポキシ樹脂などで封止するが、外部の気体を完全には遮断しない。コストが低く、民生品・産業機器の大多数に使われる
- 気密封止:チップを外部の気体や液体から完全に密閉する。高信頼性だが製造コストが高く、宇宙・軍事・医療機器などに使用される


非気密封止が条件です。コストの観点から、スマートフォンやパソコンに入っている半導体のほぼすべてが非気密封止で作られています。


封止材には熱膨張を抑えるためのフィラー(充填材)も混ぜられています。シリコンチップと樹脂では熱膨張率が異なるため、そのままでは温度変化のたびに応力がかかり、長期的な信頼性が損なわれます。 フィラーを調整することで熱膨張率を近づけ、チップへのダメージを最小化しているのです。 global(https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2009/05/64_05pdf/a09.pdf)


参考:東芝が公開している半導体パッケージのモールド欠陥防止に関する技術資料
半導体パッケージのモールド欠陥防止設計ルール(PDF)|東芝


モールディング装置の世界シェアと日本企業の強み

TOWAは1979年に世界初の全自動モールディング装置を開発した先駆者であり、それ以来40年以上にわたってトップシェアを維持し続けています。 後発メーカーが追いかけてもなかなか追いつけない、技術的な参入障壁の高い分野です。 towajapan.co(https://www.towajapan.co.jp/jp/technology/molding/)


半導体モールディング装置の価格は非公開のケースが多いですが、金型だけで汎用品が200万円前後からとされており、装置本体を合わせると相当な設備投資が必要です。 つまりメーカー側の設備コストは非常に大きいということです。 kikai-hikaku(https://kikai-hikaku.com/700)


近年、半導体パッケージは「Fan-Out(ファンアウト)」「3D積層」などの先端技術へ急速に移行しており、それに対応するモールディング装置・材料の進化も求められています。 日本の装置メーカーとエポキシ樹脂メーカー(住友ベークライト、パナソニックなど)が、この変化を支える重要なサプライヤーとなっています。 semi-net(https://semi-net.com/feature/posts/molding)


参考:半導体パッケージの多様化とモールディング工程の進化についての詳細な解説
半導体パッケージの多様化に伴い進化するモールディング工程|SEMI






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