膜厚測定方法JISで知るリフォーム塗装の品質管理

外壁リフォームで使われる塗装の品質は「膜厚」が決め手。JIS規格に基づく膜厚測定方法を知れば、手抜き工事を見抜けます。正しい測定方法や選び方を解説します。あなたは業者に膜厚を確認していますか?

膜厚測定方法とJIS規格をリフォームで活かす方法

塗膜を「厚く塗れば安心」と思っていませんか?実は、厚く塗りすぎると膨れ・ピンホール・はがれが起きやすく、耐久性がかえって低下します。


この記事のポイント
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JISで定められた8種類の測定方法

JIS H 8501・JIS K 5600-1-7など規格ごとに方式が異なります。リフォームでは電磁式・渦電流式の非破壊測定が主流です。

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膜厚のズレが引き起こすリスク

適正膜厚から10〜100μmずれるだけで耐食性・絶縁性・仕上がりに影響が出ます。適正管理で長持ちする外壁を実現できます。

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測定方法の選び方と確認ポイント

素地の材質(鉄か非鉄か)で使う膜厚計が変わります。業者に膜厚測定記録の提出を求めるだけで、手抜き工事を防げます。


膜厚測定方法とJIS規格の基本知識



塗装の「膜厚」とは、塗料を塗って乾燥・硬化させた後に残る塗膜の厚みのことです。単位はマイクロメートル(μm)で管理され、1μm=0.001mmというごく薄い世界の話です。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


日本では、膜厚の測定方法は複数のJIS規格で体系化されています。代表的な規格として、めっきの膜厚を対象とした「JIS H 8501」と、塗料の乾燥膜厚を対象とした「JIS K 5600-1-7」があります。 sanwa-p.co(https://www.sanwa-p.co.jp/faq/detail5380.php)


外壁リフォームで関わるのは主にJIS K 5600-1-7です。この規格は、素地に塗装した塗料の乾燥膜厚の求め方を定めたもので、外壁・鉄部など幅広い塗装に適用されます。 kikakurui(https://kikakurui.com/k5/K5600-1-7-2014-01.html)


つまり、基本はJIS規格に準拠した測定が品質の基準です。


膜厚測定方法の種類と特徴:JIS規格で規定された方式を解説

JIS H 8501では、次の8種類の測定方式が規定されています。 sanwa-p.co(https://www.sanwa-p.co.jp/faq/detail5380.php)


- 顕微鏡断面試験方法(精度 0.8μm)
- 電解式試験方法(精度 0.2〜50μm、誤差10%以内)
- 渦電流式試験方法(精度:真の値に対して10%前後)
- 磁力式試験方法(精度:5μm以下の薄膜を除いて10%以内)
- 蛍光X線試験方法(精度:真の値に対して10%以内)
- β線式試験方法(精度:真の値に対して10%以内)
- 測微計による試験方法
- 質量計測によるめっき付着量試験方法


このうち①②⑧は試料を破壊する「破壊方式」、③〜⑦は「非破壊方式」に分類されます。 sanwa-p.co(https://www.sanwa-p.co.jp/faq/detail5380.php)


リフォーム現場では対象物を傷つけられないため、非破壊方式が中心になります。外壁塗装の場合は電磁式・渦電流式が最もよく使われます。非破壊なら問題ありません。


測定方式 素地の種類 破壊/非破壊 主な用途
電磁式 鉄・鋼(磁性体) 非破壊 外壁・鉄骨・鉄橋
渦電流式 アルミ・銅(非磁性金属) 非破壊 サッシ・アルミ外壁
超音波式 コンクリート・木材も可 非破壊 厚膜・複合素地
顕微鏡断面 問わず 破壊 精密検査・研究用
マイクロメーター 問わず 接触式(差分法) 平面素地全般


現在の現場では、電磁式と渦電流式の両方を1台で切り替えられる「デュアルタイプ」が主流です。素地の材質が不明でも自動判別してくれるため、汎用性が非常に高いです。 rex-rental(https://www.rex-rental.jp/feature/1170/note/coating_thickness_gauge)


これが現場の主流です。


リフォームで特に重要な膜厚測定方法:電磁式と渦電流式の使い分け

外壁リフォームで塗装する素地は、「鉄・鋼製」か「アルミ・非鉄金属製」かで使うべき膜厚計が変わります。正しく使い分けないと、測定値に大きな誤差が生じます。 rex-rental(https://www.rex-rental.jp/feature/1170/note/coating_thickness_gauge)


🔩 鉄鋼素地(磁性体)の場合は電磁式を選ぶ


電磁式はプローブから磁束を発生させ、塗膜が厚いほど磁力が弱くなる性質を利用して膜厚を算出します。鉄骨の外壁・屋根・フェンス・雨戸など、鉄素地への塗装確認に適しています。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


🔩 アルミ・銅素地(非磁性金属)の場合は渦電流式を選ぶ


渦電流式はプローブから高周波電流を素地に流し、渦電流の強弱から膜厚を算出します。アルミサッシ・アルミ外壁パネルの塗装管理に適しています。 rex-rental(https://www.rex-rental.jp/feature/1170/note/coating_thickness_gauge)


素地の確認が最初のステップです。


ただし、注意点がひとつあります。「鉄素地に磁性体塗膜(一部のめっき等)」や「非鉄素地に導電性塗膜」を施している場合は、それぞれの測定原理が干渉して正確な値が出ません。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


リフォームで依頼する際は業者に「素地の材質と使用する膜厚計の方式」を確認しておくと、測定精度を担保できます。


膜厚測定の手順と正しいやり方:JIS準拠の測定で品質を確保する

膜厚計自体の操作は難しくありません。ただし、手順を守らないと数値がズレます。以下の手順が標準的なJIS準拠の流れです。 rex-rental(https://www.rex-rental.jp/feature/1170/note/coating_thickness_gauge)


1. 測定対象と塗膜の素材を確認し、対応した膜厚計の方式を選択する
2. 電源を入れ、ゼロ点調整(校正)を行う
3. 測定面の油分・水分・ゴミをウエスやアルコールで除去する
4. プローブを対象面に垂直に、軽く押し当てて測定する
5. 複数箇所(中央・四隅・エッジ付近など)を測定し、平均値を算出する
6. データを記録・保存する


「複数箇所の平均値」が基本です。


ステップ2のゼロ点調整(校正)は特に見落とされやすいポイントです。未塗装の素地や校正プレートを使って、測定前に必ずゼロ校正してください。これを省略すると、実際の膜厚より数μm〜十数μmズレた値が出てしまいます。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


また、岡山県が公開した塗膜厚の評価基準では、「1ロット(500㎡)あたり25箇所以上を測定し、1箇所につき5点の平均値を取る」という基準が設けられています。 pref.okayama(https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/258949.pdf)


500㎡=テニスコート約10面分の広さが基準です。


外壁リフォームの規模はそれより小さいことが多いですが、「最低4〜8箇所、各5点測定の平均値を記録してもらう」ことをリフォーム依頼の際に業者に伝えると品質保証の証拠になります。 pref.okayama(https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/258949.pdf)


リフォーム視点で見る適正膜厚の基準:薄すぎても厚すぎても失敗する

「塗料をたっぷり塗れば長持ちする」という考え方は誤りです。膜厚には適正な範囲があり、それを超えると品質トラブルが発生します。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


主な塗装プロセス別の推奨膜厚は以下のとおりです。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


- 粉体塗装:1回塗りで30〜150μm(溶剤塗装の3〜4倍の厚みになることも)
- 溶剤・水性塗装(上塗り1コート):10〜40μm
- 吹付塗装(下塗り):15〜300μm
- 吹付塗装(中塗り):30〜100μm
- 吹付塗装(上塗り):30〜50μm


外壁の一般的な仕上げ塗料(ウレタン・シリコン・フッ素系)は、1コートで30〜50μmが目安です。3コート仕上げ(下塗り・中塗り・上塗り)の合計では100〜200μmが一般的とされます。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


膜厚が薄すぎると、錆の原因になります。反対に、厚すぎるとピンホール・膨れ・はがれが発生し、かえって耐久年数が短くなります。 fuji-syoji(https://fuji-syoji.jp/column/film_thickness/)


実際、膜厚が設計値の70%未満になるとJIS基準では「不合格」と判定されます。 pref.okayama(https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/258949.pdf)


70%以下は要注意です。


外壁リフォームを依頼した際に、業者から「塗膜厚測定記録表」を提出してもらうよう交渉することで、適正な施工が行われたかどうかを数値で確認できます。「膜厚の記録は出せません」と断る業者には注意が必要です。


なお、膜厚測定で使う膜厚計はレンタルが可能で、1日数千円から借りられます。自分で確認したい場合、工事終了後にレンタル品で数箇所を測定してみるのもひとつの手です。 rex-rental(https://www.rex-rental.jp/feature/1170/note/coating_thickness_gauge)


参考になる測定方法の詳細はこちらに記載されています。測定手順・機種選定・よくある誤りが体系的にまとめられています。


膜厚測定の基本と膜厚計の種類や使い方、選び方について解説(レックス)


膜厚に関するJIS規格(K 5600-1-7)の条文は以下で確認できます。乾燥膜厚・湿潤膜厚・粉体塗料層の求め方が規定されています。


JIS K 5600-1-7:2014 塗料一般試験方法 第1部 第7節 膜厚(kikakurui.com)


めっきの膜厚測定方法を規定するJIS H 8501の全文概要は以下から確認できます。8種類の試験方式それぞれの適用範囲・精度が解説されています。


JIS H 8501:1999 めっきの厚さ試験方法(kikakurui.com)






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