木造2階建て以下のリフォームでは、コンクリートの圧縮強度試験は法律で義務化されていません。 archimoda(https://www.archimoda.jp/blog/5485)

コンクリートの強度には、混同しやすい3つの指標があります。それぞれの役割を理解しておくことが基本です。
まず「設計基準強度(Fc)」は、構造計算で採用するコンクリートの圧縮強度のことです。 一般的な住宅の基礎では21〜24N/mm²が多く使われますが、近年は耐久性への意識が高まり、24N/mm²を採用するケースが増えています。 N/mm²という単位はなじみが薄いですが、1N/mm²=約1kg/cm²のイメージです。24N/mm²なら、1cm²の面積に約240kgの圧縮力に耐えられる強度です。 note(https://note.com/0karakouzou/n/n26d106f7ed26)
次に「耐久設計基準強度(Fd)」は、建物の計画供用期間(使用する想定年数)に応じて設定される強度です。 たとえば「標準65年」ならFd=24N/mm²、「長期100年」ならFd=30N/mm²、「超長期200年」ならFd=36N/mm²が目安とされています。つまり、長く使う家ほど高い強度が必要ということですね。 note(https://note.com/0karakouzou/n/n26d106f7ed26)
「品質基準強度(Fq)」は、設計基準強度(Fc)と耐久設計基準強度(Fd)の大きいほうを採用した値です。 これが現場で実際に確保すべきコンクリートの品質の目標値になります。 note(https://note.com/0karakouzou/n/n26d106f7ed26)
そして「呼び強度」は、生コンクリートを発注するときに指定する強度です。 品質基準強度に「温度補正値」を加えた数値で、外気温が低い季節は強度が出にくいため、補正値を上乗せして発注します。外気温が8℃以上の場合は補正値+3N/mm²、0〜8℃では+6N/mm²が目安です。 呼び強度は生コン工場への注文番号のようなものです。 archimoda(https://www.archimoda.jp/blog/5485)
| 指標名 | 略号 | 内容 | 住宅基礎の目安 |
|---|---|---|---|
| 設計基準強度 | Fc | 構造計算で採用する圧縮強度 | 21〜24 N/mm² |
| 耐久設計基準強度 | Fd | 計画供用期間に応じた耐久性強度 | 24〜36 N/mm² |
| 品質基準強度 | Fq | FcとFdの大きいほう | 24 N/mm² 以上 |
| 呼び強度 | F | 温度補正を加味した発注強度 | 27〜30 N/mm² |
この4つの関係は「設計 → 耐久性 → 品質目標 → 発注」の流れで理解するとスッキリします。
試験の方法を理解することが、リフォーム時の確認精度を高めます。
圧縮強度試験は、コンクリート打設の現場で「供試体(テストピース)」と呼ばれる円柱形の試験体を採取して行います。 供試体の標準サイズは直径100mm×高さ200mm(または直径150mm×高さ300mm)の円柱形で、これに専用の試験機で圧縮荷重をかけ、破壊したときの荷重から強度を算出します。 sooki.co(https://sooki.co.jp/irental/howtorental/column/concrete-testing/)
採取する回数と量にも基準があります。建築分野(JASS 5準拠)では、1打込み日・1工区ごとに採取し、かつ150m³ごとに1回行います。 3台のミキサー車(生コン車)から1本ずつ採取した合計3本の平均で1回の試験とします。これはサンプルのばらつきを防ぐためです。 sooki.co(https://sooki.co.jp/irental/howtorental/column/concrete-testing/)
試験のタイミングは「材齢28日」が基本ですが、途中経過として材齢7日(1週)でも測定することが多いです。 7日目の強度が28日目の約60〜70%程度になるのが目安で、早期に「このまま基準を満たしそうか」を確認するための中間チェックです。意外ですね。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=uGkvjmcTScw)
また、養生方法によっても結果が変わります。 試験所で水温20℃の水中に沈める「標準養生」と、現場の温度環境に近い「現場封かん養生」「現場水中養生」があります。現場封かん養生の場合は、28日を超え91日以内の強度も確認する規定があります。これが条件です。 kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot(https://kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/04/6-9h31.html)
強度試験には、1つの数字を超えればOKというシンプルな基準ではありません。判定に2段階のチェックがあります。
「調合管理強度(受入検査)」の判定基準はこうです。 kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot(https://kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/04/6-9h31.html)
- 🔵 1回の試験の圧縮強度の平均値が、調合管理強度の85%以上であること
- 🟢 3回の試験の総平均値が、調合管理強度以上であること
つまり1回の試験でたまたま低い値が出ても、85%以上なら即不合格にはなりません。3回の平均で最終的に判断するという2段階のルールです。これは使えそうです。
「構造体コンクリート強度」の判定は別の基準があります。 平均気温が20℃以上の場合は、現場水中養生供試体の材齢28日の試験結果が調合管理強度以上であること。気温20℃未満の場合は、設計基準強度(Fc)に3N/mm²を加えた値以上であることが必要です。冬場の施工では基準が変わるということですね。 kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot(https://kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/04/6-9h31.html)
もし判定に不合格になった場合は、「コア抜き」という方法で既存の構造体から直接試験体を採取して再確認します。 これはJIS A 1107に規定された方法で、建物の壁や基礎に専用のドリルで穴を開けてコンクリートの円柱を取り出し、圧縮強度を直接測定します。コア抜き試験は1本あたり数千円〜数万円の費用がかかるため、事前の適切な試験管理が経済的にも重要です。 kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot(https://kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/04/6-9h31.html)
リフォームの計画段階で強度試験の記録を確認する習慣が、大きなリスク回避につながります。
木造2階建て以下の建物では、コンクリートの圧縮強度試験は法律上の義務ではありません。 そのため、施工会社によっては試験を省略しているケースがあります。これは費用と手間がかかるためです。しかし、強度試験報告書がないということは、あなたの家の基礎コンクリートが設計通りの強度を持っているかどうか、書面で証明できない状態であることを意味します。 archimoda(https://www.archimoda.jp/blog/5485)
特に増築・大規模改修リフォームでは、既存の基礎に新たな荷重がかかります。 2025年の建築基準法改正では、基礎のコンクリート設計基準強度が24N/mm²以上を求める規定の適用範囲が変わりつつあるため、古い建物の基礎強度は慎重に確認する必要があります。基礎が問題ないならOKです。 fukutoh.co(https://www.fukutoh.co.jp/2025%E5%B9%B4%E6%94%B9%E6%AD%A3%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4/)
確認すべき書類は次の2点です。
もし試験を実施していない場合や記録がない場合は、非破壊試験という選択肢があります。 国土交通省が策定した「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」に基づき、既存のコンクリートを大きく壊さずに強度を推定する方法です。超音波伝播速度法・反発度法(シュミットハンマー)などが代表的で、リフォーム前の現況調査に活用できます。 mlit.go(https://www.mlit.go.jp/common/001260869.pdf)
国土交通省:微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領(PDF)
リフォームを依頼する際に強度試験報告書の提出を求めることで、施工会社の品質管理への姿勢も確認できます。提出を拒む場合は、別の会社も検討する判断材料になります。
コンクリート試験の結果を残すことには、施工時の品質確認だけでない価値があります。
圧縮強度試験成績表は、将来の不動産売却時や大規模リフォームの際に「家の鑑定書」として機能します。 別の施工会社がリフォームを担当する場合、既存基礎の強度を書面で確認できれば、補強の必要性や設計の前提が明確になります。書類がなければゼロからの調査が必要になり、費用が余分にかかります。痛いですね。 archimoda(https://www.archimoda.jp/blog/5485)
築20〜30年を超える住宅では、当時の設計基準強度が現在の標準(24N/mm²)より低い場合もあります。 耐久設計基準強度の考え方では、建てた当初から「何年使う想定か」によって必要強度が異なります。標準65年使用なら24N/mm²ですが、当時が18N/mm²で設計されていた場合は注意が必要です。 note(https://note.com/0karakouzou/n/n26d106f7ed26)
また、塩化物含有量試験という観点も見逃せません。 海岸沿いの物件や融雪剤が多用される地域では、コンクリート中の塩化物イオン量が増加し、鉄筋腐食を引き起こすことがあります。JIS A 5308では0.30kg/m³以下が基準ですが、既存建物ではこの基準を超えているケースもあります。強度試験とあわせて確認すると、より安心です。 sooki.co(https://sooki.co.jp/irental/howtorental/column/concrete-testing/)
試験記録を確認する習慣は、施工会社を選ぶ際の「品質管理の証拠」を求める行動でもあります。圧縮強度試験成績表を全棟で取得・提出している施工会社は、品質管理への意識が高いと判断する基準になります。リフォームの相見積もりの際に「試験報告書は発行してもらえますか?」と一言聞くだけで、会社の姿勢が見えてきます。これが条件です。
アーキ・モーダ:コンクリートの圧縮強度試験報告書を施主が取得すべき理由(基礎工事解説)

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